コレクターズローン? |
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2013/8/22 (木) 16:53:58 - - No.1377157800
今日、珍しくフタバ産業のメールニュースをちゃんと読んで、
CDR-6000Lが気になったので(ACドック付き¥21,903ってフタバ的でないこなれた値付け
じゃんよ?)
ウェブサイトまで飛んで商品チェックしていたら、
サイトバナーに何やら気になる表示が・・・。
スルガ銀行の「RCコレクターズローン」だって。
静岡つながりでタミヤとも縁が深いし、ネット専業銀行並みにネットバンキングに
傾斜している(※1)銀行だからオタク親和性高いかも?とは言っても、
ラジコンローンって何じゃそりゃ? と思い、
スルガ銀行のサイトを覗いてみた。
http://www.surugabank.co.jp/reserved/landing/collectors/
タミヤとフタバがweb画像素材の提供をしているというが、それ以外にも多少は
コラボしているのだろう。さすがにお金が絡む提携まではしてないと思うけど・・・。
商品名としては「リザーブドプラン+カード」と言うらしい。
(↓商品説明書)
http://www.surugabank.co.jp/reserved/reserved_plan_plus/pdf/reservedplanplus.pd
f
要するに、フリープランの目的別ローン(目的別なのにフリーって何?w)と
カードローンをセットにしたものらしい。もう、何でもアリの無敵プランって感じ?
基本形は使途自由・繰り上げ返済OKのカードローンなのだろう、
金利設定と繰り上げ返済OKという条件からは、そう読める。
目的別ローンは使途が制限され、繰り上げ返済ダメな代わりに金利は低くなる)
融資使途の制限なしで、基本的には使途は動産だから、担保にはならない。
だから「RC向けだから金利が優遇される」なんてことは、あり得ない。
本当の目的別ローンではないので、金利は銀行系カードローン金利そのものだ。
(ここで言うカードローンとは、銀行系カードローンであって、
消費者金融系の、融資枠が小さく金利が高いカードローンとは別の話です)
借りる側にとってのメリットが特にあるとは思えないんだけれど、
およそ一般の消費者は、融資についての知識が不足しているので
目に付いたものでしか判断できないとすると、
金融機関としては、「まずは露出すること」がマーケティング的に重要、
ということなのかも知れない。
昨今の銀行系ローンのテレビCMのすさまじい物量をみていると、そう思う。
広告露出が減ると売り上げが落ちる、という点では、
家庭用洗剤や生理用ナプキンとかと同レベルの競争をしているわけだ。
そういう点では、RCはマイナーホビーなので広告費は安いだろう。
露出に要するコストパフォーマンスは高いはずだ。
銀行としては、既存のカードローンを、「切り口」を変えて
さも目的別ローンのように見せかけて、
これまでリーチしたことのない顧客層にアプローチしようとしているのだろう。
確かに「ラジコン」というのは高額商品だし、ユーザーも高齢化しているし、
しかもヘビーユーザーは独身者が多いので、
ド貧困にあえぐ子持ち世帯に比べれば可処分所得も多いだろう。
いい目の付けどころかも知れない。
でもそれだけなら、契約する消費者にメリットはない。
まさか「RCやるヤツに悪人はイネェ」とか言って、
既にオーバーローン(借り過ぎ)な人に
さらに融資枠追加しちゃったり、してくれるのだろうか?
いやいやいやいや、そんなの金融庁が許さんだろう・・・。
それともアレか?
都市銀行とは信用調査機関が別系統で、都銀の情報が流れてこなかったりして、
都銀の融資はズブズブでも地銀なら新規融資できるとか、あるのか?
(かつてはノンバンクと都銀とか、もっと昔は都銀同士でも、そういうことはあったけ
れど)
アプローチするユーザーからしてみれば、
消費者金融からはカネ借りたくない、でも銀行なら? って思うのかしら。
「他のローンとひとまとめにできます」というのも謳われているけれど、
これって要するに借り換えだから、「焼け太り」をお誘いしてるだけ。
そうして借金まみれの人を増やしていく。
国債利回りが急上昇したといっても10年物で1.8%しかない国なので、
銀行が集めた預金を運用するのに、国債買ってたんじゃあラチ開かない。
普通預金金利が事実上ゼロでも、利ざやが1.8%しか取れないと、限りなく赤字。
企業に貸しても倒産して貸し倒れるリスクが高い。
なら、取りっぱぐれが少なく金利が高い個人ローンは、オイシイ。
金利8%でも国債に投資した場合の4倍以上、利ざやがある、
ってことは、経費を控除後の利益として見れば、10倍以上は軽く儲かるわけで。
しかも貸し倒れも事実上かなり小さいとくれば・・・。
これがここ数年、銀行業績が絶好調な最大の理由なわけです。
90年代以降の銀行の不良債権問題の処理を進めるため、政策的に
消費者金融から普通銀行に消費者ローンの移転を促した結果が、現状なわけです。
同じカードローンの審査をするのに、
ノンバンク(消費者金融)だと所得証明の提出が必要で、
銀行だと要らない、というキテレツなルールが施行されてしまったのが
今から3、4年くらい前でしたっけ。
ノンバンクの「グレーゾーン金利」「利息過払い問題」が社会問題となり
利息制限法の改正などが集中的に行われた時のルール改正で、そうなったのです。
以来、ノンバンクは所得制限ルールが厳格に適用されて
融資枠が大幅に圧迫されることになってしまいました。
だって「年収の1/3以内」とか言われて、誰に300万も貸し出せますか?
年収600万でも200万が上限。他にローン組んでたらもっと減る。
いいとこ50万か100万しか貸せない。しかも金利も以前の半分とか大幅に制限された。
これでは経営として極めて効率悪い。
だからノンバンクはどんどん利益が出なくなってしまった。
そもそも、年収が800万とか1000万とかあったら、貯金もあるから借りないですよね?
所得がないから借りたいわけで。
金利8%で500万(銀行カードローン上限)も借りるような人、
この超低金利時代に存在するとしたら、よっぽどヤバい人しか、いないですよ。
個人会社の運転資金とか。ホントは融資ルール違反の使途なんだけど。
他方、銀行はというと、
「所得審査なし(ホントかよ!?)」といった怪しい宣伝までブチあげて
ガンガンと融資を集めている。
「民業圧迫」ならぬ「ノンバンク圧迫」だ。
誰もこれをおかしいとは言わないのはナゼ? 昔年の恨み? ザマアミロってか?
確かにノンバンクもかつてはアコギな商売やってたわけだけれど、
だからと言ってこんなあからさまなルール変更はナイのではなかろうか。
独占禁止法やら公正取引委員会はナニをやっているのか?
(まぁ、畑違いだし、金融庁やら財務省にタテ付いたりはしないか・・・)
もっとも、ノンバンクが対等な土俵で競争したいなら、
米国で08年のリーマンショック時に投資銀行がみんな普通銀行に転換してしまったよう
に
(普通銀行は預金保険が適用されることを狙ったもの)
ノンバンクがみんな銀行免許取ってしまえばいいんじゃん、とも言えるのだけれど。
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※1 VISAのクレジットカード型デビッドカード(通常のVISAカードとして使える)を
日本で発行しているのは楽天銀行とスルガ銀行だけ。都道府県単位で商圏を築いてきた
地方銀行のなかにあって、ネットバンキングをテコに「全国区」に進出できているの
は、事実上スルガ銀行しかない。セブンイレブンのATMが無料、というのは一部のネット
銀行よりも便利なくらい。でも都市銀行ではないので、都市銀行とは違った取引ができ
る余地がある(都市銀行で融資断られてもこっちは通る、とか)。
これで口座を開けない人はどうかしている(笑)。
そのアグレッシブな経営は個人的には90年代の城南信用金庫並みに赤マル大注目の金融
機関だ。これでどこかのネット証券か不動産屋とでも合併したら、大化けする可能性も
あるのだけれど・・・。
そこまでやらないか? 所詮は、ぎんこうだもの。
(畑違いは「人種」が違い過ぎてコントロール不能)
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