Re: UのRoHS指令がいよいよ7/1施行へ
[2005/08/12 (Fri) 13:40:35]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤]
- >会社でRoHS対応の業務を担当していて、この辺は気になるので...
そうでしたか。でしたら「現実的な判断」としては一般論や大メーカーの論理と 食い違うことも十分あり得ますよね。私はそれがおかしいとか、そういう風には 思いません。現実主義者ですから。
ただ、より良いお仕事のために1点指摘したいことがあります。 大メーカーが、「たかが一部地域のローカルな規制」にことさら敏感になるのは それなりの理由がある、という点です。
この情報通信化とボーダーレスの時代に、地域別の「ローカライズされた商品流通」 などというのは幻想に過ぎません。 誰でも自由に海外の情報を入手し、バンバン個人輸入できてしまいます。 自分の国内で売られているモノより、海外のほうが安かったり質が良ければ 「私的利用」の名の下に法律をかいくぐって並行輸入されてしまう現実を 私達は電気製品や医薬品でイヤというほど見ているではありませんか!
その現実に目をつぶって、 「いや、アレはEUの規制だから日本で売ってていいんですよ」 と言い切れるかどうかは、その会社や店の規模(=社会的責任)と その商品に関わる人々の意識の問題です。
もちろん法的には問題ないはずです。EUに禁止物質を含んだ製品が持ち込まれても 「いや、アレは個人が勝手に・・・」と言えばいいでしょう。 EUの外だけでモノを製造販売している企業にまで処罰が及ぶことはありません。 しかし、そのような行動が許されると判断できるかどうかは その会社がどの程度EU市場でプレゼンスを持っているかどうかに尽きると思います。
ちなみにタミヤがタバコロゴの模型の商品化に慎重だったり、 ロゴの有無を作り分けたりしてないのは、別に「大人用」「子供用」とかPTAとかの問題ではなく、 (そもそもダンガンレーサーじゃなくて2000円も3000円もするスケールキットを 今どきの子供はめったに買いません。買うのは大人です) 「並行輸入されたくないから」の1点に尽きます。ちょっとキザな言い方をすれば、 「法の穴を突くやり方を良しとする非道な企業か、清く否定する社会的な企業か」という 「企業倫理」が問われているわけです。 もちろん並行輸入対策という意味ではローカル代理店の利益も考えているでしょう。
「商売がなくなると困るし、EUとは取引ない」のであればEU指令なんて無視してればいいし、 「大いに関係ある」と思う会社は自らを律して対応しているわけですよね。 最終的には個々の企業の事情と顧客の反応を考慮した戦略的判断で決まることでしょう。 しかしEUと関係ない商売でどうしてRoHS指令対応の業務があるのでしょう?それも妙ですね。
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