Re: もうひとつ補足(加減速に伴う荷重移動)
[2003/01/11 (Sat) 21:35:46]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤]
- 先日、
>フロントサスのバネ(というよりタイヤで計測されるサスの反発力=ホイールレート)が >リヤよりも柔らかいクルマが、コーナリングを開始すると、 >かりにこれが四駆マシンであって重量配分が50:50としても、バネの強さのバランス関係で >フロントが相対的に大きく沈み込み、クルマの姿勢としては斜め前傾になります。
と書きましたが、もと記事からここまでの内容は、基本的に、話を単純化するため 加速・減速で発生する前後方向への荷重移動がないものとして書いています。 ですから、静止状態のクルマを手元に置いて、重心位置を押してロールを模擬することで 話がわかりやすくなるかと思います。
実際には、コーナリングと言うのは明らかな減速・加速を伴う運動です。 コーナー進入時には、ステアリングを切った瞬間から抵抗が発生し、これが コーナリングフォースになるわけですが、 抵抗が増えるわけですから、どんなにわずかでもステアリングを切れば必ず減速するわけです。 積極的にブレーキをかけたり、フルスロットルのままでも、 フロントタイヤの抵抗増加による、いわゆるステアリングブレーキは必ず発生します。 (それがなければコーナリングフォースが生じないわけですから)
ステアリングを戻せは、抵抗が減るので加速します。 コーナーへの進入から脱出まで、すべてフルスロットルであっても、です。 (バンク付きオーバルコースでのレースなどが典型例)
また、確認ですが、クルマの重心というのは常に固定しているわけではなく、 XYZの三軸に対し常に、加速・減速に伴って移動しているものです。 クルマに乗っていて、急ブレーキでつんのめった経験は誰でもありますよね? 減速すると、その瞬間の重心は静止時よりも前に移動しています。 加速すると、その瞬間重心は静止時よりも後に移動しています。
つまり、コーナリングでは必ず、静止時の重心に対して 進入時は前荷重 脱出時は後荷重 になるものです。程度の問題はありますが。(重心が低いほうが荷重移動は少ない)
なので、 かりに、フロントとリヤのホイールレートが同等(サスの固さが同じ)であったとしても、 ただでさえ減速時には前のめりになるものなのです。 それを助長するようなサスペンションジオメトリ(ロワアームのスキッド角のプラス設定)、 さらには前後ホイールレートのアンバランス(フロントのほうが柔らかい) ときているわけですから、キット標準設定ではどうみてもアンダーステア方向のセットアップ なわけです。
それなのに、さほど強固なアンダーを感じないのは、恐らく、 非常に低い重心と、ロールセンターを重心位置に非常に近く設定した 絶妙なサスアームの配置によるものなのでしょう。 少なくとも、414を除く従来のタミヤシャシーよりは 相当程度サスペンション設計は良くなってますよね。
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