Re: グリップ剤のしくみについて
[2004/11/29 (Mon) 04:53:53]
[投稿者: ふぇら〜り伊藤]
- 私もまだまだ不十分な知識しかありませんが、分かっている範囲で。
補足すべき事項がありましたら他の方よろしく〜。
グリップ剤の有効成分はサリチル酸です。 「アンメルツ」といった肩こりの薬に入っているアレです。 化学的にどのように作用するのか不勉強なのですが、 スポンジを柔らかくする効果があるようです。 特に、ゴム分の少ない、タミヤのノーマルスポンジタイヤとか、JACO/TRCのグリーンといった タイヤに効きます。グリップ剤塗ると、一般にもっとハイグリップとされるタイヤと ほとんど遜色なくなりますからね。
これとは別の話で、単にタイヤに油を塗ってもグリップはある程度改善します。 油の種類は問いませんが、ゴムへの浸透性の速さを考えると種類は限られてきます。 浸透が早いという意味でWD-40や5-56が出てくるわけですが、100円ショップのミシン油でも 効果はあまり変わりません。 ただし油だけではグリップ剤とまったく同等の働きはしないと思います。
油がグリップ改善に寄与するのは、タイヤがゴム製だからです。 タイヤのゴムは「ゴム100%」ではありません。 ゴムに柔らかさを与える「油」と引っ張り強度を与える「カーボン(黒鉛)」が加わって タイヤ用のゴムになるのです。 このほか、温度変化による影響を弱めるためにシリカを入れたり、タミヤのナローサイズの ノーマルスリックみたいに「草木の繊維」を入れたり、というふうに いろいろなモノが混ざっていますが、 「オイルが混ざっていて、それがタイヤの硬度を決定している」、というのが タイヤ用ゴムの基本です。
ただ、ゴムのオイルというのは割と簡単に蒸発してしまいます。 あるいは、路面との接触などでタイヤから分離して失われてしまいます。 古いタイヤのビニール袋が茶色く変色しているでしょう? あれはオイルが蒸発してビニールに染み込んでああいう風になるのです。
逆にいうと、オイルを補ってやることによって、 タイヤを柔らかくして、ある程度蘇らせることができるわけです。 特に、クリーナーでトレッド面を拭いたりすると、表面のオイルがなくなってしまいますから 本来、オイルを補ってやらないとマズいわけです。まぁそんなことしなくても、数週走って タイヤが剥ければ、元に戻るんですけどね。
というわけで、同じタイヤとは言っても、スポンジとソリッドゴム、 またスポンジのなかでもゴム分の多いものと少ないもの それぞれによってグリップ剤は使い分けられています。 理屈上は、ゴム分の少ないスポンジにはサリチル酸の多いものを、 ソリッドゴムには油っぽいものを、という使い分けになると思いますが では各社のグリップ剤には何が入ってるの? というと これはガスクロマトグラフィとかにかけない限り、分かりません。 RCTでもそのうちやりたいんですが・・・。まぁ今はそこまで必要感じないし(笑)。
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