(posted on Nov 8, 2004)
(updated on Apr 14, 2005)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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TRF415


タミヤ初のオープンレース専用ツーリングシャシーとして大成功を収めた
「TRF414」シリーズの後継モデルがTRF415です。
日本ではダイレクトな駆動フィールの得られるシャフト車が人気ですが、
保守的なアメリカ市場などではベルトドライブ車への人気は根強いですし、
国内でも固定的な「ベルト車ファン」がいます。
一定数の販売が見込めればメーカーもそれに応えるよ、という典型例でしょう。

ただし設計には、「MY-02」を作ったテックの協力を仰いで最新トレンドを反映。
タミヤがRCシャシーなど「スケールモデルの本質と関連の薄い部分」の設計を
外部に委託することは案外あるようですが、もっぱらQDなど「入門用」が中心で
中級〜ハイエンドのRCシャシーを外部と共同開発したのはこれが始めてです。

2004年前半のタイ国際やリーディーレース、LRPマスターズでの優勝などで
実力も証明ずみ。2004年IFMAR世界戦(ISTC)でも優勝し、
タミヤに2002年以来2期連続チャンピオンメーカーの栄誉をもたらしています。
デビューから1年経った04年11月には、Evo4ロングサスアームなどでグレードアップした
「TRF415MS」が登場。05年シーズンも現役が約束されています。



ギヤ比一覧表

414の原型となった414Xのデビューから約4年が経ち、設計者も代わり、この間の技術革新を踏まえてマシンコンセプトは1から見直されました。現代のハイグリップ化したタイヤ事情に即して、ピッチングよりもロールモーメントの低減を重視したバッテリーの横置き→縦置きへの変更、低重心化を促進するためのスパーギヤ位置の変更やモーター回りのメインシャシーのフライス加工など、といった点は当然にひと目で気が付くのですが、それ以外にも、この間のTBエボ系の1→4への進化や414系での知見を踏まえて、アライメントやダンパーマウント穴位置の設定も細かく見直されています。
また、これはたぶん設計コンセプトのベースとなったテックMY-02からの影響だと思うのですが(ただしパーツはすべてタミヤの他製品との互換性が考慮されたまったくの別モノ)、標準的なメカ搭載状態で前後の重量配分が50:50(RCT実測値)と極めて理想的になっている点は見逃せません。ちなみにEvo3/4は48:52でした(RCT実測値)

たかが「4/100(前後±2の合計で)の差」と考えがちですが、そもそも20:80とかいった重量配分はあり得ないわけで、通常は45:55〜55:45程度の「10/100程度の幅」のなかで考えているわけですから、「4/100の違い」というのは結構大きいです。
重心位置は、バッテリー位置がEvo系より前寄りなことからもある程度推測できるのですが、415ではさらに、広い国際格式のコースを9ターン以下のモーターで超ハイスピード走行するという前提に立って、ホイールベースも259mmとタミヤ標準の257mmから2mm延長されています(041111update: タミヤ標準を「247mm」と勘違いしていました。アレはTA04SSの値ですね。下のF1のホイールベースも趣旨は合ってるのですが数値がうろ覚えで勘違いしていました。お詫びして訂正します)

ホイールベースが伸びたら、曲がりにくいんじゃないの? と思う人は修行が足りません(笑)。だったら、ホイールベースが一時期3200mmを越えた(1/10換算で320mm)実車F1の運動性は何? 要は「前後グリップのバランス」なんです。もちろん、コジって走るほどホイールベースが長すぎるとタイヤライフ的にはツラくなるのでホドホドに、ということなんですが。
真横からみると、アッパーデッキより上にはボディマウントとアンテナしかないことが分かります。こうなるともうEvo系と重心の高さは変わらないですね。あとは個々のメカ積みとかボディの選択によって変わる程度で。

筆者の場合は、従来から、アンテナがボディからビョヨ〜ンと生えてるのがカッコ悪いと思って、必ずボディ内部に収納するようにしているので、一段と重心は低くなっているはずです。いくらアンテナが軽いといっても、30cmも上空に掲げていたら、テコの原理が働きますから、その先端がシャシーにキックバックするロールモーメントはバカになりません。
バンパー、ボディーマウントは414Mと互換です。スタビは前後ともキット標準、サススプリングは、撮影したのが夏場でしたので、グリップを稼ぐ方向でop.440「オンロード仕様ハードスプリングセット(1000円)」の白を前に、青を後に装着。冬場は黄色くらいまで落とすと良さげです。

重量配分が50:50ということもあるので、前後のバネやスタビの硬さは基本的に同じにしておくほうがいいと思いますが、タイトターンが多いコースでは、あえてリヤダンパーを柔らかくすると高速コーナーの入りが良くなります。逆に、リヤのスタビを固めると低速コーナーで曲がりますが、やり過ぎるとアンダーオーバーのじゃじゃ馬になるので控えめに。全域のリヤグリップはリヤトーインで調整し、進入速度の違いによるフィーリングの変化をバネとスタビでバランス取るといいと思います。フロント側はリヤグリップを確保してから必要なら調整しますが、まずはリヤグリップありきなので、あまりいじる必要はない感じです。
プラ製のスタビ留め具もTRF414Mの流用です。随所にタミヤ純正パーツの使い回しが見受けられます。
なお写真に映っているブルーアルマイトのサスピンホルダーは「一応」TRF415専用ですが、色が専用だ、というだけで基本的にはTB-Evo2(Evo3ではありません)と同じ形状です。Evo2とEvo3/4はサスピンを支持するポイントの高さが異なります。Evo2/TRF415のサスマウントはTRF414系互換(サスブロック形状は異なる)の高さで、Evo3/4より低い位置でロアアームをマウントしていますので念のため。本当に「415専用」のサスピンホルダーは、フロント後ろ側のパーツだけです。コレはベルトを避けるため複雑な形状をしていますのですぐ分かります。

セッティングの際はダンパーアウタースペーサーの位置を参考にしてください。
補強用のサブシャシーを挟んだ複雑な構造のバルクヘッド回り。サブシャシーで補強、というアイデアは悪くないのですが、いかんせんデザイン複雑すぎ&剛性分布の設計がおかしいのでアイデア倒れになってます。とにかくメンテナンスが面倒臭すぎ。バルクの構造上仕方ないんですが、デフのメンテや軸受けの偏芯カムの調整をするのにいちいちシャシーを完バラ必至、というのは非常に萎えるデザインです。414はビス本数少なかったから良かったんですが。

写真のとおり、サブシャシーはメインシャシー幅が広がる途中で終わってしまっています。これでは、サブシャシーが終わった箇所でシャシー剛性がガクンと落ちてしまいます。しかも、サブシャシーは真ん中でくびれているので、シャシー中央に向かってなだらかに剛性が増えていって欲しい部分(シャシー幅の拡大が始まる部分)で一度剛性が落ちて、それからまた増えて、途中でまたガクッと落ちて・・・という按配です。これではシャシーの素直なネジれを阻害してしまいます。
結局、多くのドライバーはサブシャシーとメインシャシーをつなぐアルミの支柱を撤去してサブシャシーをアッパーアームマウントとしてのみ使用しているようです。まぁメインシャシーが3mmと厚いのでOKなんですが・・・。「ワールドチャンプレプリカ」となる415MSではメインシャシーは2.5mm厚だそうですので注意が必要ですね。

それからもうひとつ。アッパーデッキの先端はバルクヘッドから浮いた格好で締結されています。あれではクラッシュの際にアッパーデッキがバルクに対して突っ張ることができず、取り付けビスが座屈してしまいます。そもそも、そうした大きなクラッシュを前提としたクルマではありません(大クラッシュ=リタイヤが前提)が、それにしても配慮が欠けているように感じるのは気のせいでしょうか。
なおアンテナは、「大きなクラッシュすると危ない方法」とは思いつつ、面倒なのでいつものようにダンパーステーを通してシャシー上面に取り回し。一応ノーコンもアンテナ断線もありません。

サブシャシーについては、アッパーデッキとの間に入れるブルーアルマイトのスペーサー、アレも曲者です。何かチョットあるとすぐアッパーデッキ完バラになっちゃうし、このスペーサーはただ乗っかってるだけなので落っこちやすいのに、415専用品なのでなくすと大変なんです。415をメインマシンにしたい人は、スペーサーの余分をカスタマーから取り寄せておいたほうがいいと思います。
フロント軸受けの偏芯カム。見た目クールで実際にもベルトテンション調整には非常に確実なシステムなんですが、内側からはめ込むため、一度バルクを組んでしまうと調整にはクルマ完バラしなければならず、非常に面倒です。まぁベルトテンションなんて一度決まればいじらないですけどね。でもデフのメンテも同様にシャシー完バラ強いられますからね。外からはめ込んでピンで仮止めする方式のほうが現場でクイックな調整ができて良さげですが。メンテ性を考えると「バルク分割」と言いたいところですが、後日、雑誌記事を読んだところ、「バルクヘッドの剛性アップとサスアーム応力からの開放による駆動ロスの徹底排除」がMY02/TRF415の基本テーマだったそうですから、バルク分割なんて「あり得ない相談」なんでしょうね。

なお、この偏芯カムの位置決めは、左右で1コマくらいズレててもデフが組み付いてしまうくらい微妙です。なので、そのまま気付かずに走ってしまうと走行中にベルトが引っくり返ってしまいます。ご注意。また、ベルトテンションはキット標準だとキツめなので、2コマ緩めています。リヤはモディファイドモーターでは歯飛びしたので、1コマだけ緩めた状態がいいです。





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