(posted on Apr 18, 2006)
(updated on Sep 1, 2014)
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ファイティングバギー(4)





メカデッキは実にシンプル。進行方向右側に受信機が吊り下げられ、中央にバッテリー、リヤバルクヘッド直前の サーボステー(アルミ製)にスピードコントローラー、そして左側にRCメカ用スイッチ&単三電池×4本を吊り下げ、という レイアウトです。衝撃を緩和する観点から、RCメカ用電池と受信機はゴムバンド止めでした。

なお先述のとおり、ファイティングバギーのスピコンは「トルネード」の流用でRCメカ電源を走行用バッテリーから共用できるように なっています。ですからRCメカ用の電池を省くと80g程度軽量化できるわけです。でも、先述のとおり、「メカ&バッテリーなし」 の状態で1750gもあるので、ラクダパック(7.2V)を360g、RCメカを120g(電池ナシで2サーボ&受信機のみとしても)とすると、 実際には余裕で2.2kgを超えてしまいます・・・。バッテリーが6Vなら2.2kg弱で収まりそうですが。
そのバッテリーなんですが、ストレートパックの「7.2Vレーシングパック」はファイティングバギーの発売に 先立つほんの1ヶ月前、82年11月に、レーシングマスターMk.3「トルネード」と同時に発売されたばかりで、 あくまで軽量なパッケージングが生きるオンロード向け、という位置付けであり、オフロードモデルへの搭載は想定されていませんでした。 ファイティングバギーでは従来型の「ラクダパック」が指定でした。中身はいずれも1200SCセルなので性能は同じなんですが、 重量が40gも違います。

なお、写真ではタミヤカドニカ6Vパックの搭載例を示しています。ラクダパックの場合は「コブ」がメカプレート中央に突き出る形です。
バッテリーホルダーは単なるアルミ棒材ですが、バッテリーがハードパッケージなので、コレで十分です。
バッテリーの交換は非常に実戦的で、フロント側のキャッチピンを1本はずし、手前に引くだけで、リヤ側の押えのツメも外れて メカデッキ全体がゴッソリ取れます。ボディカウルの脱着みたいな感覚です。

逆に言うと、その後一般的になった7.2Vストレートパックを使うには、フロント側のメカプレートステーが邪魔になったわけで、 事実上、「ラクダパックと共に去りぬ」というキットになってしまったわけです。嗚呼はかなき運命。

・・・とはいえ、ラクダパック自体は 「ワイルドウイリー」の大ヒットなどで結構長く売れ続けたようなので、このクルマが現役だった1985年頃まで、バッテリーの入手に 困ることはなかったハズですけどね。
そういえば、2014年9月末に当モデルの復刻版が発売されることになりました。 めでたし! バギーチャンプ/ワーゲンオフローダーと共通部品が多いので、ちょうどいいタイミングで補充パーツ生産ができるタイミングなのでしょうね。 チャンプの復刻時にoptとして追加された新作のデフギアも、当然装着可能なので、よりグレードアップした走りを楽しめそうです。
バッテリーもLi-Po/Li-Feにすれば、大幅に軽量化して走りも鋭くなりそうです!

ところで、イマドキのLi-Po/Li-FeパックはNi-MHのサブC・6セルストレートパック同等のサイズになってるわけですが、 このクルマに果たして載るのでしょうか?? いや〜ムリでしょう・・・。
復刻版チャンプ/ワーゲンではタミヤのLF1100(小型のアレ)が指定バッテリーでしたから、たぶんこのモデルもそうなんでしょう。
でも、振り分けタイプのバッテリーを上下に重ねれば、載せることはできそうですし、メカデッキがシンプルなので、ストレートパックでもどうにか積めるかも知れませんね。
誰かやってみて!!
たぶん発売時期の前後に製作されたのでしょう、
「展示用No.1」の書き込みが眩しい〜。
絶対消さないぞぉ〜(笑)。
チャンプ系のユニバーサルジョイントは実にゴツい作りで、コレまたオーバークオリティ。 まさに一生モノの耐久性。スペアパーツでもデッドストック多いです。だって誰も交換しないですもんね(苦笑)。 ちなみに、このパーツは後年、CC-01シャシーなどの駆動系に転用されています。
チャンプ系では、リヤタイヤの取り付け用ハブ(グラスホッパーなどと同形状)までもダイキャストで作られていました。 こういう部分でかなり重量を食っていたわけです。もちろんその分、飾って見る分の重厚感はありましたが、 走行に際しては、パフォーマンスにかなり悪影響があったことも事実です。なにしろバネ下重量が重過ぎました。 フロッグやグラスホッパー/ホーネットでは樹脂製となって大幅に改善した部分です。
リヤ後端のショックユニットとバンパーは、ファイティングバギーの企画に際して後付けで設計された部分ですが、 なかなかどうして、良くまとまってシャシーとの一体感もあります。金属パーツてんこ盛り状態ですけど。

「リザーバータンク装備」というキャッチは、当時、子供心に「ウ〜ン、すごい!」と素直に思いましたが、 よくよく後で考えると、要するに「オイル漏れがヒドいけどメンテはラクチンにしたい」ってことで、 全然ホメられた話じゃないわけです(苦笑)。余計な「コブ」を背負って、速くなる要素なんてひとつもありませんからね。 ま、そういったギミックが許されたのが「古き良き時代」のおおらかさだったのかも知れませんが・・・。

ここでオイルリザーバとして使われているシリコンオイルの容器は、今日に至るまで様々なキットに同梱されている シリコンオイルの容器そのものです。「容器」にも歴史があるんですね〜。当時の容器はクリアブルーでした。 オイルの色や粘度は不明です。 83年当時は、番手によるオイル粘度の区別はまだありませんでした。






スイングアームのリバウンド量を規制するために、なんとナイロンストラップが利用されています。

ストラップが止められている金具は何とも見覚えがありますよネ・・・。そう、TL-01やMシャシーのスタビ等にも使われたアレです! すごい古いパーツだったんですネ(笑)。よくもまぁ「発掘」してツーリングに使ったもんですね。

スイングアームからモノショックへつながるカンチレバーの配置が良く分かる写真です。

取り説によれば、ギヤレシオは6.5と9.3の2種類が選べたそうです。
車重が重いので強度が必要、強度が必要なので重量がかさむ、と、まさに悪循環の末に出来上がったサス回り、というと あまりに酷評でしょうか・・・。でも、ついつい、そういう風に見えてしまう作りではあります。
リヤタイヤは、ファイティングバギー用に新造された「ラバースパイクタイヤ」です。スパイクが適度に太くて耐久性があり、 タイヤのゴム厚自体は薄手でフンワリしています。砂地には最適なタイヤです。当時はまだ、オフロード専用コースは少なく、 もっぱら走行場所は学校の校庭や公園といった、砂や泥の多い場所が主流だったので、このタイヤ選択は結構良かったわけです。 コンパウンドも適度な硬さです。
エアの気密性は高くはないので、バッテリーなど満載状態で長時間放置していると、タイヤは潰れてきます。保存には注意。 タイヤの中にスポンジを入れれば、ハイグリップ路面で腰砕け防止になりそうです。
リヤエンドの「FS」という抜き文字がなんとも威圧的ですが、何の意味だかは不明です。 「Fighting Spirit」とかでしょうか? 当モデルの英語名は「Super Champ」なので全然関係ないし。
ちなみに、リヤサスペンションは特許を取っており、「F.F.P.D.S.」と名付けられていました。 「Free Floating Progressive Required Damping Suspension」の略です。 だから、もしかすると、「Floating Suspension」でFSなのかもですね。

・・・というわけでファイティングバギーの解説はオシマイです! 仔細に考証していくと、いろいろ発見があるもんですね〜。ワタクシも随分、勉強になりました!




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