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マンタレイ系シャシーの外観上のポイントにもなっているフロントサスのU字シャフト。 フロントバンパーだけで抜けを止める合理的な設計が光ります。ただ、ビス3本でバンパーを外して このU字シャフトをスポンと抜けばフロントデフカバーを簡単に外せる・・・という狙いがアダとなり、 バラす必要のないサスアームまで毎回組み直すハメに(苦笑)。optのステンレスサスシャフトのリヤ用のピンを転用して片側ずつバラせるようにしたほうが結局ラクです。 | |
バンパーはジャンプ着地をスムーズにする形状。「アバンテ」以降の小型バンパー採用の流れを受け継ぎ、 タイヤ・サスアームの保護はしないと割り切って走りの良さを追求した方向性が感じられます。 | |
バギーでは当たり前の設計ですが、フロントバルクヘッド下部にはスキッド角が設けられています。 | |
サスアームは、中空のナイロン製2分割パーツをビスで組み立てる方式で、滑らかな表面と厚みが特徴です。 | |
キャスター角設定は確か12度だったと思いますが15度くらいかも。 | |
ステアリングタイロッドは op.109 ターンバックルシャフト にしてあります。単にバラのノーマルタイロッドがなかっただけなので気にしないでください(笑) | |
アップライトは、ホットショットIIからの流用ですが、「マンタレイ系バギーといえばコレ」と思うくらい、
外観上の特徴にもなっているパーツですよね。長年の採用で耐久性・重量・コストのバランスが磨き上げられたタミヤの優れた設計資産のひとつだと思います。 ハブキャリア(Cハブ)の上下に見えるキングピンが異なっているのはご愛嬌。下がノーマルの鉄ビス、上は op.141 軽量キングピン です。op.141はスチール製で長さもTA02/FF01用の op.157 アルミキングピン より長くなっています。マンタレイ系バギー用のアップライトだとアルミキングピンは長さが足りないので注意しましょう。 |
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フロント駆動系は、キット標準パーツでそのイメージを再現しているわけですが、ご覧のとおり、 ドッグボーンだとどうしても舵角が不足気味です。入門者にはコレでも十分なんですが、ちょっと欲が出て、 レース走行やスポーツ走行を楽しもうとすると、とたんに「もうひと曲がり」が欲しくなってしまいます。 そうすると必要になるのがユニバーサルシャフト、なんですが、適合するのはop.28「サンダーショット ユニバーサルシャフトカップセット」(定価2200円)で、既に絶版です。ただ、先述のとおりジョイントカップのないユニバーサルシャフト単品がカスタマーで手に入りますし(部品番号4135028、1本800円)、今は 既にDF-02/03用のアッセンブリユニバ(op.791、シャフト長70mm)もありますから、まだまだ現役でバリバリ走れます! | |
ビッグウィッグ(Item58057、86年7月)で採用したラック&ピニオン式の間接式操舵系は 石噛みが発生して実戦的でないと評価され、それに代わるシステムとして出てきたのが マンタレイ系でも採用されているリンク&ワイパー方式のステアリングシステムです。 今でこそツーリングカーでも当たり前のように使われている同システムですが、タミヤのバギーモデルで 最初にこれを採用したのはそんなに古い話ではなく、「アバンテ」(Item58072、88年3月)からです。 ワイパーシステム自体は、その2年前、86年10月発売の「ポルシェ959」(Item58059)から採用が 始まっていましたが、その後2年間、タミヤではミニ四駆ブームの絡みで ミニ四駆とタイアップした入門用バギーばかり作っていたので、ダイレクトリンケージで間に合っていたのでした。「アバンテ」は「ホットショット」以来の本格的なレース用バギー開発ということで、サーボレイアウトの自由度が高いワイパー方式に白羽の矢が立ったのでしょう。 | |
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この当時のステアワイパーロッドはまだピアノ線のプレス品でした。optのダブルデッキ仕様のワイパーロッドにしても、構造こそ現在のものと同じながら、素材がポリカ樹脂製で現在のレベルから見れば強度的にもかなり貧弱な細身のものでした。実用上は問題ありませんでしたが。 ダブルデッキ仕様で良かったのは、ステアワイパー部の軸受けが850メタル仕様で、ベアリングに換装できるようになっていた点です。当時のTRFの意見が反映されていたのでしょうか、タミヤキットらしからぬ、ガタがまるで無いレーシーな作りで、ベアリング仕様にすると実にスムーズに作動しました。この素性の良さは、マンタレイの後に発売された「トップフォース(Item58100、91年11月)/トップフォース・エボリューション(Item58107、92年6月)」やダブルデッキ仕様にチューンしたTA-01/02でそっくり生かされることになります。 |
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ステアワイパーの先端内側には、舵角を規制するための四角い出っ張りが設けられていますが、
作例では、これをあえて切り落とし、「もう一切れ」を実現して小回りが利くようにしています。
90年代までのタミヤシャシーは、総じてキット標準の舵角を少なめに設定していたので、どのキットを組むときも、
まずは「舵角を増やす」加工が不可欠でした。 マンタレイ&TA01/02の場合は、 どっちみちバルクヘッドにステアワイパー先端が当たるので、ストッパーを切ってもユニバが折れるほど 過度の切れ角が生じることはありません。ただ、キット標準のドッグボーンのままだとボーン脱落や折損 などのトラブルが生じやすいので、ステアワイパーを加工したら、ドライブシャフトはユニバにしたほうが無難です。 |
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RCメカは、ダートスラッシャーが現役モデルだった1996年頃に使っていたもの。 搭載状態も当時のままです。モーターは、使い道のない1999年頃の23Tストックモーターを 使い捨てのツモリで載せています。これもずっと載せっ放し(笑) | |
アンプは、90年代前半に一世を風靡したテキン社が、ヨコモとタイアップして広坂正美選手のために スペシャルチューンした日本専用モデル「Mスター(初代)」。米国で販売された「G-10」と 基本スペックは同じですが、駆動周波数や波形をよりパンチの出る方向にチューニングしてあるようです。 このモデルが販売された1994〜5年頃は、RC用に適した最高級の大出力・低抵抗のFET素子の製造にかけては まだ日本よりも欧米の方が進んでおり、「US製アンプでないとハイエンドレースでは勝てない」という 状況でした。KOやサンワからも実戦的な良いアンプが出始めていましたが、まだまだ「米国勢優位」 だった時代です。そこに降って沸いたのが、1ドル=80円台にもなる猛烈な円高。95年には史上ピークの79円75銭をつけました。 前年まで3万円くらいしていた米国製の最高級アンプの相場が、平行輸入品の流入で一気に 半値になったのも無理はありません。定価で299ドルとされていたアンプが日本の店頭で1万2000〜5000円程度で売られたのです。まさに「円高サマサマ」の時代。 | |
当時、米国製アンプを取り扱っていた輸入元や流通業者は大いに困ったろうと
思いますが、当時テキンやノバックの輸入を一切仕切っていたらしいTQiという業者では、正規ルートを証明するステッカーを貼り、並行輸入品は修理を受けないという対応でしのいでいました。一方で新規入荷品は仕切り価格の引き下げも実施。そんな時期に発売されたIFMAR世界戦優勝記念モデルが「Mスター」でした。性能的にはもちろん当時の最高峰です。当時はどちらかと言うとノバックよりテキンのほうがブランド価値が高かったので実売価格は高止まりしてましたのがちょっと残念。筆者もこの1個しか当時購入しませんでした。 テキンもノバックも、当時は特にバギー用途を意識した作りで、物理的にも電気的にも「丈夫さ」にかけては定評がありました。確かに、当時購入したテキンもノバックも、これまで一度もブローしたためしはありません。モーター無制限クラス仕様で夏場に金メッキ仕様のタミヤコネクターを溶かすような厳しい使い方をしてたのに、です。後年のKOのCX-11HFとかキーエンスA-01は何度か壊れましたけどね・・・。このテキストを改訂した2014年現在でも現役です。まさにタフガイなテキン君。この間に会社は一度事業停止して可変ブースト付きブラシレスアンプで大ブレイク復活、というドラマがあったようですが。会社はなくなってもアンプは不滅だ!! |
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もちろん、過激なモーターを使うときには写真のように純正で付属の外付けヒートシンクを追加して冷却を稼ぎましたが、15ターン未満程度のモーターなら、FET単体のヒートシンクだけでも冷却は十分です。何しろ本体だけで50gくらいあるような「ヘビー級」のアンプなので。当時のアンプには「軽量化」という概念はおよそなかったように感じます。当時のレベルとしてはコレがごく普通のサイズ・重量だったんです。ヒートシンクのない小型チップの表面並列実装で大容量低抵抗化を安価に実現してアンプ界に革命を起こしたキーエンス「A-01」が登場したのは1996年夏頃でした。「革命前夜に君臨していた旧体制下の最後の王様」それが「Mスター」だったと。 テキンアンプの設計で独特だったのは、US市場での用途の幅広さを意識し、許容電圧を4〜10セルくらいまで非常に幅広く取っていた点です。中にはツインモーター用として12セルまで 対応していたモデルもありました。BEC電源のキャパも日本製よりかなり余裕のあるものでした。 |
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カレントリミッタを装備し、スリッパークラッチ的な動作を電気的に実現していましたが、一応、過電流対策としてヒューズも装備しています。その処理が実にハイエンドチックです。「端子にハンダを盛っているだけ」なんです。筆者も最近「やってしまった」ことがありますが、現実にアンプ回路が短絡するような状況だと、短絡回路のハンダはほんの数秒で溶け落ちてしまうくらい発熱します。だから、コレで用が足りてしまうことも確かです。初めて見たときは目が点になりましたけど・・・。 ただ、ヒューズは回路に直列に入れないと意味がないので、確実にボトルネックになります。アンプのON抵抗値が1ミリオーム(0.001Ω)を切る時代になってくると、ヒューズの抵抗も無視できません。ハイエンドアンプにそのようなムダが許されるわけもなく、結果論ですが「Mスター」は「ヒューズ搭載のハイエンドアンプ」の最終進化形になりました。1996年以降に発売された国内外のハイエンドアンプは、軒並みヒューズを廃止してしまったのです。 |
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受信機は、キーエンスが「A-01」アンプの1年くらい前、1994〜5年頃に発売していた「R912」という受信機です。FM-PPMタイプの電波信号をフルシンセサイザー式で受信できるという、当時としては画期的なモノでした。当時既にシンセサイザー式はラジオ等でも当たり前になっていて、どうしてRCでできないのか不思議でしょうがなかったのですが、大手プロポメーカーには、コストとか大量のクリスタル在庫の問題とか、いろいろ「大人の事情」があったのでしょう。新規参入のキーエンスは、技術力を誇示する「飛び道具」が欲しかったわけで、シンセ式受信機というのは確かにインパクトはありました。 しかし実に残念なことに、市場ニーズをまるで読み違えていたように思います。中級〜ハイエンドユーザーが使うFMの受信機なのに「完全防水仕様」というおよそ初心者向けの仕様で、重過ぎてレースには絶対使いたくないようなモノだったのです。確か単体で50g(!)はあったと思います。シャレになりません。防水は防水で良さもあったんですが、どうしてフィラーを充填しない「フツーの仕様」も併売しなかったのか、残念でしょうがありません。もっと軽かったら、何個も買ったのに・・・。結局、遊びバギー用として日の目を見るまで、「使えないヤツ」として自宅では4年くらい棚の肥やしになってしまってました。 R-912は27MHz&40MHz帯のフルバンドに対応しています。受信に際しては、発信されている電波周波数をチェックするため、バンドモニターとしても利用できるのが美点です。反面、アンテナ交換を容易にするためにケース外部に突き出したアンテナ接続端子が細すぎて弱く、折れてアンテナ線がモゲるトラブルがよく見られました。受信感度もあんまり良くなくて不安定だったようです。そんなわけで世間的には「キワモノ」という評価のまま消え去ってしまったように思います。A-01が今でも「エクストレイ」として売られているように、回路をちょっと見直してフィラー抜きのフツーのシンセ受信機として安く売れば、いまでも結構売れると思うんですが、もったいない・・・。 |
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センターシャフトとジョイントはop.79「マンタレイハードプロペラシャフト」のセットに交換してあります。
ハードシャフトセットは、生産効率といい部材コストといい機能性といい見た目といい、極めて洗練された、タミヤが誇れる優れた設計資産のひとつだと個人的には感じています。シャフト長こそ違いますが、これらの部品形状が今からもう20年も前のトヨタ・セリカGr.B(Item58064、1987年7月発売)で既に完成されていたことには驚きを隠せません。 セット付属のジョイントは耐久性を重視した銅系の焼結合金製で、外側を真鍮のライナーで補強していることもあり、寿命は「一生モノ」という感じです。この部分は交換したためしがありません。 |
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マンタレイ系のバスタブシャシーでは、センターシャフトがシャシーのピッチング剛性を支えるストレスメンバーとして機能するので、ノーマルのヤワいシャフトだと剛性にかなり影響するのではと思います。ダブルデッキタイプだとシャフトはストレスメンバーにならないので無視できるんですが。 ここでチョッとしたTipsを。このジョイント部分のカバー用として、実はモーターに使われているギボシコネクター用のメス側シリコンカバーがジャストフィットします。ブレ防止に役立つので、モディファイドモーターで楽しむ場合は、試してみるといいですよ! |
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前後バルクヘッドギヤカバーは、防塵のため、デフ用やダンパー用の高粘度のシリコンオイルを継ぎ目に塗布して
ホコリをキャッチしの侵入を防いでいます。見た目は継ぎ目がちょっと汚れてしまいますが、付着した砂塵が目張りとなって余計なホコリが入ってこなくなるわけですから、この程度はOKでしょう。 中古のマンタレイ系バギーやTA01/02では、よくバルクギヤカバーのネジを締め込みすぎてカバーを変形させてしまっていることがあります。このカバーは軸受けの押さえも兼ねているので、ベアリングを圧迫して駆動抵抗にならないように「比較的ゆったりと締め付ける」のが正解です。防塵性の確保は締め付け圧ではなく「フィラー」で対処すべきで、万一ギヤに付着しても問題にならず、分解時に清掃がラクなもの、ということで「シリコンオイル」を筆者はチョイスしているわけです。 |
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シリコン系や油脂系の各種グリスも試しましたが、油脂系は樹脂を冒すことが多いし、グリスは一般に流動性がないため塗布が面倒で、あまり良いとは思えません。シリコンオイルは時間が経つと勝手に流れ出してしまうのが通常は難点になるんですが、この場合は塗布にムラがあっても適当に流れてくれることになるので、逆に作業性の向上に寄与するんです。手を抜いてテキトーに塗ってOK、ということなんですから! センターシャフトだけがピッチング方向のストレスメンバーになっていることが良く分かる写真。初めてマンタレイ系シャシーを見たときには、こんな細いシャフトでよく駆動が伝わるもんだ、と思いましたが、まったく問題はありません。 |