マッドブル |
「ルーキーラビット」系のリジッドアクスル+バスタブシャシーをベースに、「ワイルドウイリー2」などと共通のラグパターンタイヤ、「グラスホッパー2」のボディを組み合わせたモデルが「マッドブル」です。あり合わせのパーツを組み合わせただけで、「開発費ゼロ」の超手抜きキット(笑)なんですが、どうしてどうして、なかなか良くまとまっています。ベアホークのボディ(でしたっけ確か?)を流用した姉妹キット「マッドファイター」よりよっぽどカッコいいと思います。 入門用のシンプルなモデル・・・というと、昔なら小ぶりなサイズというのが相場でしたが、どっこい、このモデルは安定性確保のためホイールベースが長めで、大径タイヤの装備と相まって、電動モデルとしてはかなり大型です。マンタレイ系4WDモデルのダートスラッシャーと並べてみたら、こんな感じです。 |
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入門用キットだけに非常にシンプルな構造が特徴ですが、合理的な設計を要求されると光るアイデアを見せてくれるのがタミヤの開発陣の伝統で、それはこのモデルでも十分に感じます。
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なかでも秀逸なのがフロントサスアームのデザイン。サスピンとアーム、ハブキャリアを一体成型し、さらにサスピンの支持をバスタブシャシーとフロントバンパーへのハメ込みで済ませている、という徹底ぶり。軽量化や耐久性アップにも貢献しています。実はこのコンセプト、初代グラスホッパーからの伝統です。 写真のとおり、アップライトにはちゃんとボールエンドが仕込まれており、フルにサスペンションがストロークします。タイロッドは樹脂製でトー角の調整不可ですが、必要なら適当なアジャスターロッドに交換してやればいい話です。最近のTL-01B(バギー)シャシーやTT-01シャシーのように、段付きビスでタイロッドを取り付け、ストロークを規制してしまっているのに比べると、よっぽどマトモな処理と言えます。 |
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なお、写真に写っているダンパーは「なんちゃってダンパー」で、中にオイルは入っていません。それからアップライトですが、これはワイルドウイリー2はじめ2WDモデルの多くに長年共通で使われているモノです。壊れてもカスタマーで常に在庫してますから安心です。まあそうそう壊すパーツじゃないですが、オープンホイールなので壁などに当てると曲がってキャンバーがおかしくなりますし、オイルレスメタルのまま楽しんでいると、シャフトが磨耗しますからね。 サーボは今回、「とりあえず付けとけ」ってノリでKOのデジタルミニサーボ「PDS-947FET」を使いましたが、コレはマネしないでください(笑)。一応、最大トルク3.2kgということになってるこのサーボですが、本来は1/12やF103系のF1シャシー、Mシャシーなどに使うサーボであり、完全に役不足でした。ビッグタイヤのオフロードモデルには、やはり5kgくらいのトルクは欲しいですね。 |
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写真のクオリティが低いので見にくくてゴメンなさいですが、受信機はサーボのすぐ後ろに立てて搭載してあります。フロントタイヤの巻き上げる泥が直接飛び込まないように、コネクター部を後ろ向きにして搭載しています。 メカデッキは、もともと2サーボで機械式スピードコントローラーを使うよう設計されていますから、結構底面はデコボコしています。アンプを搭載するには余計なリブなども邪魔になるのですが、やはりメカデッキの上に載せてしまうと、重心も上がるので、シャシー内部のリブをカットし、シャシー底にアンプや受信機を設置しています。 |
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ルーキーラビット系シャシーのバッテリー搭載方法はちょっと独特で、斜めに立てかけて搭載します。 ミッドシップモーターの2WDバギーではリヤタイヤの荷重が不足しがちなのですが、バッテリーを後ろ寄りに配置できるこのレイアウトにより、適度な重量配分を確保しています。重心が上がってしまうので純レースモデルには使えませんが、入門用なら問題ないレイアウトでしょう。 つまらないコトですが、アンプからモーターへの配線は、結構な長さを要します。サスペンションのロール動作を規制しないよう、シャシー中央に近い所にコードを通すよう注意しています。 |
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ギヤボックスとリジッド形式のリヤアクスルは一体化されていて、上部を2本のダンパーユニット(オイルはなし)で、下部をプラスチック製のユニバーサルジョイントでメインシャシーと結合する「3点支持」となっています。いわゆる「ローリングリジッド」というヤツですが、イメージ的にはF103や1/12の「3Pサス」が大幅にストロークを増やした、という感じの動きです。 なお、写真にチラッと写っていますが、キット標準モーターはマブチRS-540SHです。が、これだと完全にタイヤ径がデカ過ぎてパワー不足。ちっとも走らせて面白くありませんでした。入門用にはマイルドでいいと思いますけどね。試しに、23Tストックに換えてみたところ、だいぶパワフルに走るようになりましたが、ヒートシンクなど放熱の工夫をしないと、モーターマウントが溶けてしまいそうです。安易なパワーアップは要注意。 |
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今回の写真は、02年の夏に「とりあえず撮っとけ」てな感じで撮影したモノなので、かなりいい加減な撮影になっちゃってますが、何となくこのシャシーの雰囲気が伝わればいいと思います。「ルーキーラビット」系のシャシーは数が結構あるので、また紹介する機会もあるでしょう。その時は内部構造も含めてもっと詳しくレポートしますのでお楽しみに! |