ウルトラホーネット 初版キットの発売当時から、ホーネットは改造のベースキットとして 多くのRCファンの手で様々な改造例があったと聞いています。 特に焦点になったのが「足回り」。 本格的な改造例としては、「兎の工作室」のNiC(にっしー)さん製作による ダブルウィッシュボーンサスの作例が05年に「RCワールド」誌にも掲載され有名ですが、 RCTでは、「誰でもこのくらいならできるでしょ?」というレベルで 大きな効果が期待できる、ありそうでなかった独自の改造例をご紹介します。 |
(2007年12月現在の状況に基づく記事です) 既にホーネット再販から3年になりますが、まだまだ、これから取り組もうという方も 案外いらっしゃるようです。そりゃそうですよね、そんなにメーカーの都合よく特定の時期に あらゆるユーザーがまとまって商品買ってくれるなんて、あり得ないですものね。 「安い」「楽しい」「速い」の「RCカー三原則」を高い次元(@当時)で実現したホーネットですが、 イマドキの水準から見れば、まぁ安いは安いですけど走りはかなりチープです。 |
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特に、足回りのピョコピョコした独特の挙動、
今の水準からすると小径なキット標準タイヤの「腰高感」と前後グリップバランスの悪さ、
そして、加速時のジャッキアップ現象から来るトラクションの悪さ、といったところについては、
「何とかならんか?」と以前から考えていました。 そこで、当作例を製作した2005〜6年時点でのタミヤGP規定をクリアする条件で、 RCT独自のアイデアを盛り込み、実走を重ねて練り上げたのが、このチューニング例です。 タミヤからも、93年12月にグラスホッパーIIの上位モデルとしてオイルダンパーを装備した 「スーパーホーネット(Item 58124)」というモデルが発売されてましたが、 今回は更にその上を目指すので、名前も「ウルトラホーネット」としてみました(笑)。 目指したのはズバリ、ダイナストームのシルキーな挙動です。 見た目的にも一段と「走りそう」でカッコいいでしょ!? お試しあれ。 |
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新規追加パーツは次のとおりです。 1)マンタレイ A部品 2)CVA(II)ダンパーミニ 3)部品番号9805484 パジェロ用リヤコイルスプリング (2個)320円 4)前後タイヤ(DT-01/02用など自由) ※作例ではスーパーファイターG用ホイール/タイヤ セット(部品番号9400231)を転用 5)op.259「フォーミュラトレール付アップライト」+ 部品番号9805633「F103LM-TRFアップライト シャフト」(前ページ参照) 6)op.442「TA04 カラースタビライザーセット(リヤ)」 このほか、モーターもスポチュンにパワーアップしてます |
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タイヤ/ホイールの変更は、単にコンパウンドやトレッドパターンだけの問題ではなく、
タイヤ面圧や前後トレッドの適正化によるハンドリングと立ち上がりトラクションの向上、
相対的な重心下げによる挙動の安定化、といった多々のメリットをもたらします。見た目にもカッコいい! F103-LM用ワイドトレッドアップライト採用は、フロントトレッドを計4mm広げるとともに、 トレール設定のせいでホイールベースも5mm程度ショート化され、タイヤ配置が現代バギーの標準的なディメンションに近くなったことで、自然なハンドリングの獲得に大きく貢献しています。 |
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この作例のキモは、「適正な車高の設定」と、満足できるハンドリングを得るための 「前後足回りの見直し」に尽きる、と言っても過言ではありません。 単に大径タイヤをポン付けしただけでは、車高が上がってしまい、 ますます重心も上がってしまいます。とは言っても、 あんまり車高がベタベタでも底がつかえて走れない場面もあるでしょうから、 車高設定はノーマルよりチョット 下げた程度(そもそもホーネットのノーマル車高はイマドキのバギーと比べて高過ぎ)にして、 そうするとバネが縮んで硬くなりますから前後バネの設定も全面的に見直して、 という按配です。 | |
リヤに関しては、リヤアクスルのジャッキアップ現象対策で取り付け位置変更も行っていますから、 事実上、一からのやり直しでした。従来の作例では、 強制的にローリングリジッド機構を殺してお茶を濁して いたわけですが、実はもっと抜本策を考えていて、 これを企画倒れにしてしまうのも悔しいので、今回の見直しとなりました。 併せて、リヤダンパーに現行の一般的なサイズのバネが使えるよう ダンパー変更も行いました。セッティングの幅が広がりますからね。 | |
さてここからは個別の改造ポイント説明です。 フロントダンパーはノーマルのままではアッパーマウントが合わないので、 マンタレイ用A部品(部品番号0005375、570円)のダンパーステーを活用します。 |
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ステーの底が水平でフラットな形状なので、グラスホッパー/ホーネット用シャシーのフロント部に ピッタリとフィットします。あとはダンパーステーの取り付け穴位置をシャシーにマーキングして 取り付け用の3mmビス穴を開けるだけ。ビス穴用のドリル歯は、ガタを避けるためできるだけギリギリの 径にしたほうがいいです。3.0mmとか。微調整のため穴を後から拡げるのは簡単ですから。 | |
・・・とは言いますが、アッパーアーム取り付け部があるとシャシーに付きませんから、
カットしておきましょう。シャシーと干渉する部分をニッパーで切り落とせばいいのです。
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加工面はこんな感じ
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シャシー側も、ダンパー取り付け部をカットしておきます。 既にダンパーステー用の3mmビス穴を開けてしまっていますが、「開け方」なんてものはなくて、 単にステーの現物を当てて穴位置にピンバイス立ててそのまま穴を開けました、みたいな。 ボディマウントが目印になるのでセンター出しはいたって容易です。 いたって安易でOKです。ただし2点止めなので2つ目の穴位置ですべて決まってしまうので、 2個目の穴開けはステーが斜めにならないよう、ちょっと慎重に。 |
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できあがり。 作例では下側からビスを入れて上側で3mmロックナットで受けていますが、ネジは何でもいいです。 |
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実はココでちょっとポイントが。上側のダンパーピボットは「ダンパーステーなり」には取り付かな
いので、「ステーの後ろ側」に6mmくらいのスペーサーをかまして、そこにピロボールを設けてやらないと
いけません。ステーが傾いているので、前後ひっくり返して使うわけにはいかないのです。 作例では、「色が黒いから」という理由でCVAダンパー付属のインナースペーサー部品を 流用しています。別に3mmアルミスペーサーとかでも構いません。余っていた3x25mmくらいのビスで 5mmピロボールナットを止めています。 |
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