(posted on Aug 30, 2006)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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F103GT・RCTチューン(4)





シュリンク仕様に変更した受信機(前ページ参照)はダンパーポスト下に配置。 F103の作例のように立てるか、通常通り寝かせるか、あれこれ検討しましたが、クリスタル交換やコネクタ位置の都合で この配置に決定。実はアンプの受信機用ケーブルを短縮し過ぎて、取り回しの自由度が制約されてしまったのでした(苦笑)。 あと5mm長ければ、バッテリーホルダー部品に立てかけてタテ積みするツモリでしたが・・・。

透明な板は、ツーリングカー用ボディの切れ端で作ったトランスポンダーステー。軽量ボディ用でなく、 通常のツーリングカーボディ用の1mm厚ポリカ板なら強度は十分。 ダンパーポスト裏側にサーボ用の両面テープで貼り付けています。
今回のレースでは、AMBの新型トランスポンダーの電波特性が、使用した受信機(KR-301F)のフィルタと 相性が相当に悪かったらしく、ポンダー搭載状態では、アンテナ設置位置やバンド数(クリスタル)を変えてもまったく効果がないほど、 激しいノーコンに見舞われました。 従来から、レイアウトの都合で受信機の上や脇にポンダーを置くケースは数多く経験してきましたが、操縦不能で走行前から リタイヤ決定、というような激しいノーコンは今回が初めてで、かなりショックでした。ポンダーだけのせいではないかも知れませんが、 トラブルの芽を摘む意味から、次回のタミヤGPでは他の受信機を用意して対処する予定です。
RCメカの配線は、アンプの受信機用コードを短縮した以外は手をつけていませんが、S9550サーボが カー用として短めのコードを採用していることもあり、それなりにスッキリまとまりました。配線の固定には タミヤの耐熱両面テープを使用しています。

シェイクダウンからレース投入までの間に、フロント回りについて検討したセッティング項目は2つ。

まず初めはバネの設定です。Cカーと同様、車重がF1より200〜300g重くなるので、重量配分が仮に40:60とすると フロントタイヤの荷重は1Gでも片側40〜60g増えています。 金バネでは明らかに不足で、横Gがかかった途端にフルバンプ。これではサスが本来の機能を発揮しません。 挙動としては「初期反応だけで曲がる」ことになり、コーナリング中のライン修正が難しい クルマになってしまいます。 コントロールが難しいくらいグリップの低い路面でもない限り、通常は黒バネ(ハード)でキマリです。

サスストロークが短いので、バネレート設定には極めて微妙なサジ加減が要求されます。 DDツーリング専用の、少し硬めのバネセットの発売が待たれます。
F103GTでの「発見」は、ホイールオフセット設定によるトレッド変更にクルマがものすごく敏感に反応する、ということでした。 キット標準のオフセット0mmホイールから、別売のオフ2mmホイールに履き替えるだけで、劇的に前後のグリップバランスが変わります。

そこで、ホイールオフセットで大まかな前後グリップバランスを出し、ホイールスペーサーで0.5〜1mm刻みの微調整を施す、という 手法で、レース現場での迅速なセッティング調整が可能になります。F103系シャシーの場合、前後バネを変更しても、ほとんど ステアリング特性は変えられませんから、トレッド調整による挙動変化を事前に掴んでおくと、大きな武器になります。
狭いコースでトレッドを拡大すると、タイトコーナーでの脱出でプッシュアンダーが出やすくなったりしますし、 トレッド拡大は、対ホイールベースのアスペクト比を1に近づけますから、相対的に曲がりやすくなり、 実際の現象としては、リヤの落ち着きがなくなります。フロントトレッドを増す前提として、リヤグリップの増強は 絶対条件です。

実際に走行を重ねるうちに、従来のF103では経験しなかった、F103GT固有の注意点といいますか、クセのようなものが 見受けられました。フロント回りの「擦れ」は代表的なものでしょう。左写真は、ホイールリム内側がロワアームのリブに 擦れて凹んだ様子を示したものです。走行に支障はまったくなくて、気が付いたら磨り減っていた、というようなものなので、 気にする必要はありません。コーナーでイン側に来るホイールですから、状況としては、縁石に乗り上げた際のバンプで擦れたのでしょう。
同様に、イン側のタイヤが縁石に乗ってバンプした際の擦れだと思いますが、アップライトの「耳」の上面にも擦れが生じます。 まぁこれも、「こんなもんだ」ということで、気にする必要はないです。
蛇足ですが、リヤホイールハブの回り止めナットは、Cカーのハブとは全く異なり、 カシメが非常に緩いので簡単に脱落します。このナットは無くすと入手が面倒なので要注意です。

脱落防止策としては、一番最初に締め込む際に、ゴム系接着剤を塗布しておくといいと思います。また、 ネジ締めした状態でナットの周囲に瞬間接着剤を軽くたらす(あくまで「軽く」ですよ)、 といった方法でも良さそうです。

「締め込む前に接着」はやめておきましょう。締め付けトルクがかかった際に接着面が破壊されてしまうような方法では意味ないです。
走行を重ねていくうちに、タイヤが磨耗するわけですが、適度なキャンバー角が付いたリンクサス採用の恩恵もあり、 減り方は非常に良い感じです。筆者が練習で使っているサーキットは 比較的グリップは高いほうなので、アウト側のショルダー部の磨耗は激しいほうだと思うのですが、それでも サイドウォールにモールドされた「線」が削れていないところを見ると、走行中のタイヤの路面との接触が 非常に良い状態であることが伺われます。

タイヤ外側のショルダー部に注目すると、3mm程度の幅でクッキリとトレッド面と 角度が付く形で削れています。つまりコーナリング中のアウト側タイヤはこの部分で路面と引っ掛かっている、ということです。 ハイサイドを起こすような状況では、もっとサイドウォール部まで引っ掛かってしまうので、サイドウォール部のモールド線が 削げ落ちてしまいます。これが一つの目安です。
ツーリングカー時代は、トレッド面の内側、サイドウォールから5mm程度離れた部分(写真ではトレッド面右サイド)が 一番減りやすく、ここから穴が開きましたが、F103GTでは比較的まんべんなく減っているので、タイヤライフ的には 結構良さそうです。

なお、スーパースリックもそうなんですが、基本的に、ベルトなしタイヤは、 トレッドゴムが薄くなったほうがグリップが上がる傾向です。理由は、タイヤの温まりが早くなるのと トレッド面の路面追従性が上がるためでしょう。稀に、パーティングラインが引っ掛かってグリップする路面の場合は、 新品タイヤのほうが良いというケースもなくはないですが、通常の路面では減ったタイヤのほうが食いますし、 走るたびにパーティングラインがある新品を投入、というのはあまり現実的でありませんから。筆者は、好んで使い古しのタイヤを レース用に投入しています。
以上、今回の解説はここまで!

次の更新、クラージュLC70のボディ単品発売を待って、 Mナロータイヤ使用時のセットアップなどを試してみようと考えています。どうぞお楽しみに!




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