(posted on Feb 5, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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ADVANクラージュLC70無限
(Item 58376、06年8月27日発送、定価1万6800円(税別))

「F103GT」シリーズ第2弾は、06年のル・マン24時間レースで活躍した
オープン2シーターの純レーシングカー、クラージュLC70です。
シャシー構成は先のF103GTシャーシキット(Item58367)と共通ながら、
バンパーとボディマウントを変更し、グッと低くなったプロトタイプボディに変わったことで
操縦安定性は飛躍的にアップ。簡素な構造に加え、塗装済みボディが標準で付くため
非常に取り組みやすい点も、四駆ツーリングカーにはない美点になっています。

58367シャシーキットとの相違点はホイールとバンパー、ボディマウントしかないので、
素組み状態についての解説は58367シャシーキットのページをご参照いただくとして、
ここではいきなり、クラージュ発売以降のルール改訂に適合した、
'07年度以降のタミヤGP向け「RCTチューン」仕様をご紹介することにします。


タミヤのキット案内: F103GTシャーシキットクラージュLC70



ギヤ比一覧表F103GTシャーシキット紹介RCTチューン'06

クラージュ発売から4ヶ月、ようやく関東圏でもクラージュワンメイククラスが開催されましたので 早速エントリーしてきました。出走したのは07年1月20日に カレスト座間で開催された、07年シーズン最初のタミヤGPです。

残念ながら当日は練習走行と予選1ヒート目はドライ、予選2ヒート目と決勝は初雪混じりのウエットコンディションになってしまい、 場当たり的なセットアップを余儀なくされたので、クルマ本来のパフォーマンスを見極めるのは難しい状況でした。 また、翌日のエンジンカーレースを意識してコース全長が通常の5割増しくらい長くなっていたので(1周16〜17秒)、 2分間の予選ではわずか6〜7周しか回れなかったのも誤算でした。非常に限られたチャンスのなかでクリアラップを まとめるのには皆さん苦労されていたと思います。筆者も、ちゃんとタイムアタックできたのは1回しかありませんでした。 レースの模様はこちら
結果として「16.475秒」というベストラップはTQタイム16.125秒から0.35秒遅れで予選4番手だったのですが、 事実上、第1ヒートだけでの結果ですし、他の参加選手も皆さん、第1ヒートでの問題点を修正して 第2ヒートで間違いなくタイムアップしてくるハズだったので、 本当はどの辺に位置していたのか、これだけの結果では全然参考になりません。筆者自身も、 第1ヒートではラインをまとめるだけで終わってしまったうえ、 デフが緩みすぎており、スロットル開けてもクルマが進まないくらい加速が悪く、 そこで割を食ってた部分もありましたし。

そんなわけで、実力を出し切れていない不満は多少あるのですが、 走った感触としては十分にコンペティティブだったことは確かなので、 とりあえずクラージュの作例としてこの状態でひとまずご紹介しておくことにします。
'06年秋から始まったクラージュワンメイクでは、
@バッテリーは2400ザップド以下
Aタイヤ・インナーの組み合わせは事実上自由
Bホイール幅も自由(ディッシュホイールは不可)
C固定ギヤ比(70/14Tまたは104/21T)、540SH/Jモーター指定
D前後ボディマウントはF103、ツーリングカー用optのアルミ製もOK
Eウイングの角度変更不可
となっています。そして、'07年からはTRFチャレンジャー認定選手も参加可能になりました。 簡潔なルールで、トリッキーな解釈が生まれそうな部分はほとんどないので、いつから参加しても 「乗り遅れる」ことは少ないように思います。ただタイヤに関しては非常に多くの組み合わせがあり得るので、 「磨耗」も含めた「タイヤ管理」が クラージュワンメイクのポイントのひとつになりそうです。
実はここで「ディシュホイール不可」という何気ないルールが 実に効果を発揮しています。エキスパート選手の多くはツーリングレースでディッシュを多用しているので、 「全部買い直し」を強いられるからです。まぁテストにはディッシュホイールのタイヤも使ってますけど。

タミグラでのツーリングカテゴリーは、どちらかというと「バッテリー売らんかなのルール」という感じがしますが、 クラージュワンメイクは、結果として「タイヤを買わせるためのルール」になっていると。 まぁソレが巡りめぐって開発費やタミグラの運営費に回っているわけですから、 製品を買う、というのはタミグラ参加者にとってはある程度必要な「募金」行為でしょう。 レースへの意気込みに応じて「募金額」も変わるという点では、ある意味、平等で良いのではないでしょうか。 どんどんタミグラを開催してもらいたい人は、じゃんじゃんタイヤを買いましょう〜!
さて、作例は、スペアボディとバンパー部品(B部品)を入手して58367シャシーキットからコンバートしたものですが、 実は、現状ではこのコンバートはちょっと面倒です。

ボディは 店頭で売っていますし、リヤのボディマウントは58367シャシーキットや過去のF1などで余っている手持ちパーツを流用するとしても、 専用のバンパー部品だけはカスタマーサービスから手に入れるしかないからです。そうそう簡単に 破損するモノではないので、1個あれば良くて、スペアの確保まで考える必要がないせいか、カスタマー在庫は潤沢に あるようですが、コレが手に入らないばっかりにクラージュボディに換えるのを諦めている人達が たくさんいらっしゃるように感じます。sp番号での一般売りをぜひ検討していただきたいパーツですよね。
先のRCTチューン'06からの変更点は、「ボディ」を除くと、 @タイヤルールの変更に伴うタイヤ・インナー選択と前後車高、A前後バンパー&ボディマウント、 B全備重量と重量配分、CTバーロール量、Dアンプ搭載方法とキャパシタ追加、Eアンテナホルダー位置、 という感じです。
それぞれの解説はまた後で。

なお、optの基本構成は'06版から継続しています。メインシャシーは op.903、 Tバーはop.169 (ソフト)、Tバー支持はop.273ボールサスマウント、フロントバネは sp.509の黒(ハード)、ギヤは04モジュール、アッパーデッキはF103LMカーボン、ホイールはMナローのオフセット+2を基本 (ただしディッシュ禁止なのでop.468に変更) 、という状態。すべてが相互に影響しながら全体のパッケージングが出来上がっているので、ひとつ違ってくると、 バランスは崩れます。セッティングをマネる場合はご注意。
普段あまり書く機会がない基本的な話ですが、レースを意識してクルマを作るなら、 シャシーと路面が擦れてシャシーが痛むのはある程度、覚悟が必要です。ツーリングカーだと、擦れるのはシャシーの「カド」の部分 になり、路面に引っかかって失速しがちなので車高は上げ気味ですが、DDシャシーでは 「Tバー周辺」ないしは「ノーズ周辺(リヤ車高上げをしている場合)」 が擦れる、という違いがあり、さらにシャシー形状も細長いので、擦れてもあまり抵抗になりません。 そこで、車高はかなり思い切って下げるのが作法です。昔の1000g規定のF1だと、1〜2mm程度(路面による)が普通でした。 DD-GTだと車重が1200g以上もあるので3mmくらいにしないといけませんが、ツーリングのように5mmとか取ってたら、どうしても コーナーで不利になってしまいます。
実車だと、20mmも車高差があると、コーナーで横Gのかかり方が全然違い、 勝負になりませんが、実はRCでは体感できるほどの差にはなりません。なので「どーでもいい」と思い込みがちで、余計に厄介です。

というわけで、シャシーの最低地上高はできる限り下げたいのですが、「ボディ」はまた別の話です。 クラージュはノーズスポイラーが低い位置で突き出ているので、ボディを比較的高くマウントしてやらないと、 シャシーのピッチングでノーズが突っかかり、速度を失ってしまいます。写真ではイメージがうまく捉えられていませんが、 実際には、ノーズ先端の高さはシャシーのバンパー位置より1〜2mm程度、高く設定しています。でないと、 「カランカラン」と走行中にノーズが突っかえる音が発生します。「まったく音がしない」ほどボディ位置を上げ過ぎるのも 重心が上がり過ぎの恐れありで要注意。路面状況に合わせて、「速度を失わない範囲で低くする」妥協点を探りましょう。
フロントキャンバーは、キット標準のままの設定です。 アップライト上側のスペーサー位置を、キット指定どおりのアッパーアームとアップライトの間ではなくて アッパーアームの上側に出してやれば、若干キャンバーは立つはずですが、タイヤの磨耗状況を見る限り、 キット標準の設定で良い減り方をしているので、今回はキャンバーを変えてみるところまで踏み込むのはやめました。 ただ、ROX3などの狭いコースで初期反応を上げるのにはキャンバーを立てたほうが良いかも。このあたりは ポジティブキャンバーの付いているF103ノーマルの固定式フロントサスアームも含めて今後の検討課題かなと思っています。 ただ、今回のような比較的スピードの乗るコースでは、キット標準仕様のほうが具合は良さげです。
リヤのディフューザー部分は、折り曲げて実際のディフューザーっぽくしてみました。 空力的にも、リヤの抜けが良いほうがダウンフォースは向上するので、この部分は切り欠きたいんですが、 「キット指定のカットラインと異なる」ことになってしまうので、 あからさまに切り欠くのはタミヤGPではお奨めしません。今回は、あくまでも「雰囲気優先」の処理で、 指摘があればすぐに修復できるようにしてありました。 だからサイドの仕切り板の追加もない中途半端な仕上げなんですけど・・・。

この「ディフューザー風処理」、当日は車検で特に問題にはなりませんでしたが、 今後扱いが変わるかも知れません。今後もOKならば、次のボディを作る際は、サイドにポリカ板を追加して、 カーボン調のフィルム張りか塗装でもうちょっとディフューザー部分をディテールアップしようと考えています。 ・・・ていうか、キット標準でもうちょっとリヤ回りのディテールを作り込んで欲しかったな〜。





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