RCTチューン'07プロト(3) |
さて次はリヤセクションです。 特に解説する写真がないのでデフについてはここで書いておきます。筆者お得意のギヤデフ(キット標準デフ)を 採用しているわけですが、デフベベルワッシャーを4枚入れ、フタの2mmタッピングネジで加圧して固めています。 また擦れる部分にはアンチウエアグリスを塗布して磨耗対策と粘度確保しています。このあたりの具体的な方法は 以前から こちらのページでご紹介していますからご存知ない方は参照してください。 大事なのはM-04系特有のポイントです。ズバリ、「メいっぱい固める」のが正解です。普段はスルスルデフじゃないと曲がらないヨ、と さんざん言っている筆者ですが、リヤ2駆のM-04系は、とにかく「曲がり過ぎる」ので、 「基本的にアンダーステアのシャシーを作っておいて、フロントのタイヤグリップで曲げる(荷重移動やブレーキトルクも絡めて)」 というコンセプトが吉です。M-02でもそうでしたから間違いありません。 |
|
スルスルデフだと、立ち上がりでデフが抜けてしまうので、せっかくのトラクションが生かせませんし、
フロントのタイヤグリップを殺さないといけないので、走行速度によるステアリング特性の変化が大きくなります。
「曲がらないシャシーに食うフロントタイヤ」のほうが、結果的に「曲がるシャシーに食わないフロントタイヤ」よりも
全速度域でムラのない鋭い走りが可能になります。グリップする路面専用の発想ですが、しょせん、滑る路面では
M-04はマトモに走らないので、コレでいいのです(苦笑)。 それでは本題へ。M-04Mと04Lの違いは、このセンターシャーシ(スペーサー)を付けるかどうかの違いとボディマウントだけです。 なので、ボディ変更に伴うコンバートもチョー簡単。M-04Lのキット買って、ボディだけ変更するのもアリですから 両方の仕様で走り比べてみるのも良い経験になりそうです。余裕があったら試してみてください。 |
|
バッテリー搭載方法は、今回のチューンに際して大きく見直した部分のひとつです。 要は、グラステープ止め仕様に変更した、ということなんですが、 M-04系の場合、左右のバッテリーホルダー形状が違うし、左側はシャシーフレームと一体成型なので、 カットが少々面倒でした。結局、リューターにダイヤモンドカッターを付けて切り落としたんですけど。 左右のホルダー部分を省略したことにより、重量も10g程度は軽量化されたはずです。 |
|
グラステープの止め方はM-03と同様です。
|
|
受信機もシュリンク処理で軽量化。 パワーソース系の今回のハイライトはコレ。タミヤのバックつき中級アンプ「TEU-302BK」の採用です。 2003年暮れの発売から既に3年半が経過していますし、発売当時からデザイン的に古臭さを感じていたのに 「何を今さら」という感じなんですが、案外、評判が悪くないし、23ターンにもフツーに使えるようなので モノは試しとばかりに採用してみた次第です。 |
|
今回はとりあえず、レース用ということでバックキャンセル (前進専用に)して、モーターにはショッキーダイオードを装着、最低限の効率化は図っています。 実際にモノを手にしてみると、コードの芯線が見た目よりかなり細い(実質16GAくらい)し質もショボいので、 コードをもっと良いモノに交換して長さを詰めてやれば、かなり戦闘力はアップしそうです。 とはいえ、とりあえず今回のレースでは、 あえてストック状態でのパフォーマンスを見てみようと思い、コネクター部分をイーグル製の金メッキ品に 交換したのと、モーターへの接続を直付けにした以外はそのまんまで走りました。結果は、 「特に不満はありません」でした。決してベストじゃないですけど、遅いとは思いませんでした。 ラップペースはトップ争いが出来るレベルの速さでしたしね。 やっぱりコーナリングが重要なので、少なくともROX3での540レースという限りでは、 302BKが不利という感じではないですね。 | |
今回はリヤ荷重を重視して、アンプをバルクヘッド後端に搭載しました。当初、バンパー上に積んでみたのですが、
やはり重心が上がってしまうのが気になったので、最終的にこのような積み方で落ち着きました。
搭載に際しては、TL-01のoptで発売されていた軽量シャーシに同梱のFRP製エンドプレートをリヤバルクに装着。
このプレートは部品番号4315055「ギヤボックスプレート」として250円(送料込み)で
カスタマーサービスから入手できます。 「追突」を心配する向きもありますが、ボディにトランク部分があってリヤのオーバーハングが長いので、 特に心配はしていません。そもそも、おカマ掘られるようなシチュエーションなんて考えたくないですし(苦笑)。 アンプが壊れるほど激しい追突を食らうようなら、どっちみちマトモなレース結果は残りませんよね、 ならリタイヤでいいや、と割り切ってしまえば、気楽なものです。 |
|
今回はアンプに最初から組み付けられているコードを利用し、長さもほとんどそのまんま、なので 取り回しがすんごく長いです。この部分で結構なロスがあると思います。今回は540だから 表面化しなかったようですが、もっと大きな電流を流すモーターやバッテリーを使う場合には、 コードを取り回す長さをもっと減らさないとですね。レイアウト的にかなり工夫しないと実現は困難そうですが。 | |
|
|
キャパシタは、「オンライン頒布コーナー」でおなじみの最先端バージョン
「エクストリームキャパシタ1800」
を採用。装着前/装着後のラップタイムや走行時間の比較をする余裕がないので厳密な検証はできていませんが、
302BKのレースパフォーマンスをワンランク引き上げてくれたように感じています。 パフォーマンス追及の観点からは、 電気の「消費地」により近いアンプ側に寄せて装着したほうが好ましいですが、大放電時のバッテリーの電圧低下を 補ってバッテリーの実効容量を改善するう観点なら、この位置(バッテリーコネクター部にハンダ付け)でも十分 役目を果たします。小型軽量で重量ペナルティが少ないキャパシタなので、 次回は、アンプ側とバッテリー側に「ダブル装着」してみようかな? |
|
ショッキーは540ということで昔ながらのスタイルで装着。 最近のハイエンドモーターは「熱」の問題でこうした「ショッキーのエンドベル直付け」が難しくなってきていますが、 もともと「直付け」は最も効率の良い装着方法なんですから、 高価な特製ショッキーを長々とケーブルで引き回して効率を落とすくらいなら、安いショッキーを直付けしてしまったほうが 良好なパフォーマンスを得られることも少なくないだろう、と筆者はみています。このほうが、重量ペナルティも少ないですし。 (ハイエンド用のショッキーは重量がかさみますからね) Mクラスなら、世界戦クラスのレースでもない限り、この程度で十分です。 |
|
最近はバッテリー性能の向上でモーターの発熱が激しいので、TB系シャシー用のヒートシンク(今回はEvo3のブラック仕様)を エンドベル部分に追加して、M-04用optヒートシンクと合わせた「ダブルヒートシンク」仕様にしてみました。 今回のタミグラの車検ではOKでした。 果たせるかな、レースでもかなりヒートシンクが熱を取ってくれていたようです。 でも、ライトチューンにはこのテをそのまんま使うワケには行かなそうです・・・。 | |
M-03/04系のヒートシンクの設計は、発売当初から大いに疑問を感じているモノです。
何しろ、熱をモーターからヒートシンクに伝導する部品が、スチール製の「モーター取り付けネジ」しか
ないんですからー! モーターのエンドベルからヒートシンクに熱が伝わるまでに、
レース終わってますって・・・それじゃ意味ないじゃん! ・・・とは言いつつも使ってしまうのが悲しい性(さが)ですね・・・。 ナイよりアルほうがマシだ、って・・・。でも重いんだよなぁ・・・。 |
|
自重が約30g程度あるTEU-301BKですが、車検で車重(@1600SP)を測ると1200gに2gくらい足りない! ので 5gのオモリをアンプ脇に追加。タイヤが多少磨耗しても3gのマージンがあれば大丈夫。 リヤグリップも少しは補強されたようです。 | |
302BK付属の標準スイッチはデカい、重い、なので、秋葉原でまとめ買いして昔から愛用している
超小型のトグルスイッチに交換。アンプ用のスイッチでトグルって存在しないのがお気に入りの理由です。
そのうち、「オンライン頒布」コーナーのアイテムに採用しようかな!? スイッチのコードを引き回しているのは、レイアウト変更の可能性を考慮したものです。 |
|
リヤのTRFダンパーも、3穴ピストンながら900番オイルと硬めのオイルを入れています。これはフロントとは別の話で、
静止時でフロントの2倍程度、加速時には最大8倍程度の荷重がかかるリヤダンパーの要求に応じて、バネを
op.633 TRFダンパー用ショート(エクストラハード)
まで固めたのに合わせた結果です。
バネレートを厳密に測定していないので概算値ですが、フロントの金バネに対して、op.633は4〜5倍くらいの
硬さになっているはず。
先述のとおり、ダンパー長56.0mmで車高5mm、リバウンドストローク4mmくらいに合わせ込んでいます。 そうそう、書く場所がなかったのでここに書いておきますが、ドライブシャフトはノーマルのドッグボーンです。 ステアリング操作のあるM-03と違い、ジョイント部が大角度になることがないので、M-04にはユニバは不要です。 |
|
M-03/04は、レース用に車高を下げると、上下サスアーム長の関係でネガティブキャンバーが過大になる点が 玉にキズですが、M-03Rでリヤに調整式アッパーアームが導入されたので、もしかすると将来、リヤキャンバーの調整が タミヤGPでも解禁されるかも知れません。そうすると、また前後グリップバランスを見直す必要が出てきますが、 リヤキャンバーが適正化できれば、リヤグリップの改善とコーナリングスピードのアップが見込めますから、 よりエキサイティングなレースができるようになるのではないかと思うとワクワクしちゃいます。 とはいえ、願わくば、今後もミニスポーツは、 固定長アッパーアームで「お気楽」にレースを楽しめるほうが個人的にはイイと思いますけどね! | |
RC Sportsさんの企画記事
「Mレンジャー」で誌面を飾った
「似顔絵」を活用しないテはないよネ! とばかりに、恐れ多くも「世界最強のRCレーサー」広坂正美選手(ヨコモ)の向こうを張って
マネしてみました(笑)。こりゃ〜イイです!超イイ!! 「お宝」として愛用させていただきます。この似顔絵、
よーく見ると、ヘルメットはクルマのボディだし、ヘルメットのマークと胸のプロテクターは
「M」の文字をモチーフにしてるなど、やっつけ仕事のハズなのに細部にまでスゴくコダわってるんですよね。
実は、似顔絵を描いていただけたことのほうが雑誌に紹介された以上に自分にとっては「大収穫」でした。 「貼る位置とサイズと貼る角度」が意外にビミョ〜で、何枚か塗らないとドンピシャの位置にはならないですね。今回は初めてだったので チョット失敗。 |
|
・・・というわけで今回はここまでです。 いよいよ来週末、7月21〜22日にROX3でのタミヤ全日本(2007)が開催されます。代表権がかかっているのはミニスポーツとGT2400ですが、 むろん筆者はミニスポーツでの出走です。 関東全域から名うてのM使いが集まるだけに、例年と同様、Aメインの枠を争って熾烈なバトルになりそうです。 まずはとにかくAメ入り目指さないと! 6月のレースでは「際どいセッティング」に行き過ぎて失敗した部分もあるので、 今度のレースでは鋭さに安定性も加わった走りができたらいいなと思っています。とにかく、ハイサイドが起こらないようなクルマにして、 ガンガン攻めて行ければレースを楽しめると思うので、まずはそのあたりから。 乞うご期待。 |