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このページ、もともとワイルドウイリー2の紹介ページとして企画したのですが、時代が変わってこういったモデルを買いそうな「子供ユーザー」がTVゲームに流れたせいか、初期の需要がひと回りすると、あまりにも寂しい売れ行きになってしまって、企画はお流れになっていました。
このWR-02シャシーが売れなかった理由を考えてみると、ひとつには、「初代」シャシーがボディによっては通常のバッテリー位置でのノンウイリー走行ができ、「選択の幅」が広かったのに対し、「2代目」はウイリー専用シャシーで、単純に「飽きられやすかった」のではないでしょうか。WR-02もバッテリーをセンター横置きできるスペースを確保しておいてくれたら、ずいぶん商品性がアップしてたのになあ、と残念です。どうせならメインシャシーだけ変えて出しますかね「ワイルドウイリー3」?
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とはいっても、4年目を迎えた今でも、着実にボチボチと売れてはいるようで、こんどタミヤGPでも取り上げられることになりましたので、レース馴れしていない方々のためにチューニングのポイントをご紹介しておこうと思い、企画をリバイバルいたしました。
さて、チューンアップの第1ステップは、言うまでもなくボールベアリングの組み込み。
2輪駆動(2WD)マシンですから比較的簡単なんですが、このキットは入門者への配慮から、ギヤボックスのみ完成済みなので、ベアリングを組み込むとなると逆にコイツをバラさなければならなくなります。ちょっと面倒ですが注意してバラしてみましょう。
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組み込むベアリングは、サイズさえ合ってればどこのものでもいいです。どうせ製造元は3、4社しかないのを、各業者が思い思いに袋詰して売ってるだけですから、あんまり違いはありません。ただし、最近のタミヤが売ってるメタルシール(側面がビニールコートされておらず、メタル剥き出しのもの)タイプのベアリングは、コスト優先で品質が悪いと聞きます。実際、TB-Evo3(ノーマル)同梱のベアリングは、ものの見事に数パックでシールが脱落しました。昔のメタルシールものとはメーカーも違うようです。定価があまりにも割安なものは注意が必要です。
WW2はホコリの多いところを走る機会が多いので、できれば高価ですがラバーシールタイプのほうがいいでしょう。また、同じ趣旨からベアリングの脱脂(グリス抜き)も控えめにしておかないと、すぐゴリゴリになってしまいます。脱脂について経験のない方は、装着前にオイルスプレーをベアリングにまぶしつけておくだけで十分です。
なお、上のギヤケース内部の写真を見るとお分かりのとおり、各ギヤは例によってかなりの幅広です。耐久性を持たせるため必要なことですが、「カツカツ」の向きは、各ギヤの歯を削って有効幅を1/5くらいに狭めてやると、最高速が伸びると思います。筆者はそのようなシュミはありませんが・・・。
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話がやおらギヤケース回りから始まったので、今回はリヤ回りから話を進めていきましょう。
ギヤケースへのベアリング装着が終わったらメインシャシーと結み直すのですが、その時に受信機を組み込んでしまいました。作例はフタバFP-R113Fですので、いまならもっと小さい受信機が使えますね。113Fだと、ケースをつけたままではスペースに収まらないのと、ダート走行させるとケース内に砂が詰まってしまうので、あえて「剥き出し」として、そのうえで「逆さ」の状態でメインシャシーの裏側に両面テープで貼り付けました。軽量化と低重心化も図れて大変なメリットが生まれました。どうせ受信機なんて、一度つけたらほとんど外すことなんてないので、これでいいのです。
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ショート? 壊れたらハラくくって潔く交換しましょう。ただ、普通に扱っている限り、受信機が壊れるような通電性のある破片が受信機の回路上に付着するなんてことは、100パック走って1回もないでしょう。そんなにこのシャシーを走らせることが果たしてあるのか・・・。
というわけで、常識を覆すヒジョーに「割り切った」メカ積みです。ただし、クリスタル交換とコネクターの抜き差しはシャシーをバラすことなく行えるように考慮していますよ。
なお、リヤアクスルにチラリと見えるスタビですが、コレはTL-01ノーマル足用をウイリーバー根元のちょっとした改造で取り付けたものです。WW2が出た直後のRCワールド誌でも紹介されていたモディファイですが、実は、結局タミヤGPではNGとなったので、これからマネする方は注意。
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受信機を取り付けたら、次はアンプとモーターです。取り説どおりに組むのは芸がないので、もっと低重心&配線距離の短縮が図れないだろうか、という観点から生まれたのがこのレイアウト。キーエンスA-01の軽量・薄型・コンパクトという利点を生かして、なんとリヤホイールとシャシーのすき間にビルトイン。だってココがバッテリーコネクターとモーターの中間にあるドンピシャの空間なんだもん〜! あとは見てのとおりです。
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なお、上の写真に見えているCVAダンパーミニは、件のレース中にノーマルのフリクションダンパーにスペックダウン(笑)。「ダンパーのおかげで勝った」なんていうのはプライドが許さないので(爆)。実際、あんまり関係なかったです。そもそも、車高を下げすぎるとフロントタイヤがフェンダーと干渉します。
写真右端に見えるモーターは、レースでも使用した4穴ジョンソンです。サスガに「基本」はキッチリ押さえてます。
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バッテリーからアンプ、モーターへの配線レイアウトがよく分かるアングルです。一般的なツーリングカーよりコード長が長くなるのは避けられないので、コードはなるべく太いものを使って抵抗を下げたいですが、重量がバカになりません。もっと短い配線とするには、発想を転換して、バッテリーのコードの取り出しを前後逆にすればいいのですが、そうするとレースではオフィシャルがクルマの電源を切るのに「コネクターがない!」とオロオロしますし、普段の取り扱いも大変面倒になるので、ヤメました。アンプの位置が前寄りになってウイリー対策にもいいアイデアなんですけどね。このクルマでそこまでカツカツになったら人生オシマイですから(笑)。
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さて次にフロント編です。特にあまりいじる個所はないんですが、足はTL用が流用されているため、もともと、かな〜りガタガタです。シムやワッシャーを追加して、スムーズな作動を損ねない範囲で、できるだけガタをなくしましょう。アップライトには3mmワッシャー1枚追加でちょうどいい感じです。また、Eリング式のステンレスサスシャフトに交換して、ネジの緩みによるサスシャフト脱落も防止しておくと安心です。作例では、写真のとおり、キングピンまでステンレスサスシャフトに交換してしまいました。
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細かいことですが、どうせワッシャーを入れるなら下側に。コレでごくわずかでも車高を下げられます。ホントにミミズのフンみたいな細かいコトなんですが、何事も「気持ち」が大事ということで。
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同じように、サスアームもワッシャー追加でガタ取り。
コレも特殊なシムなんていりません、3mmビス用ワッシャー1枚で十分です。
ステンレスサスシャフトはTL-01用と共通。400円でネジ緩みのトラブルを永久追放!絶対お勧めです。
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ウイリーしてしまうとステアリングが効かなくなるので、ウイリーはなるべく減らさなければなりません。アクセルワークでもかなり防止できるのですが、クルマ作りの段階では、ある程度、重心を前寄りにすることで対策となります。
その一例がコレ。バンパー部分に使用済み電池を付けた例です。使えなくなった単四ニッカド電池を取り付けてます。50gくらいかな。
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結局、レース当日は「もっとフロントヘビーに!」ということで、電池を追加し、トランスポンダーも付けてしまいました。基本的に、WW2はリヤヘビーなのでステアリングはアンダーステアです。なので、このくらい重りをつけてもマキマキになんてなりません。また、舵角を増やしても転倒するだけなので、なるべく少ない舵角でスムーズに曲げていかねばなりません。したがって、リヤアップライトもTL-01用トーインタイプは不要です。かえって曲がらないクルマになって扱いずらくなると思います。
ドラテクついでに書くと、ウイリーさせないよう、低速コーナーの立ち上がりにはアクセルワークにも気をつけて。でも、一度走り出してしまえば、中間加速でウイリーするようなことはほとんどありません。
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最後に、軽量化Tipsをひとつ。
ボディから余計なパーツを取る(リヤのスペアタイヤカバーは付けてね、と当日オフィシャルに言われて急遽取り付けましたが)のは当然として、取り付け用ナットにも配慮を。鉄製の4mmナットは超重いです。コレはぜひホイール取り付け用のアルミロックナットに交換しましょう。3mmナットもアルミ製にするとなお良し、ですね!
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以上で紹介を終わります。いかがですか? あんまり面白くなかったかも・・・。
なお、左写真ではウイリーバーが逆さに取り付けられています。確かにウイリーの抑止には効果的なんですが、結局コレも前日の練習日にオフィシャルが「反則」と判断し、レース当日に指導を受けて通常の取り付け方に改めました。いまでも「反則」ですのでマネしないよう注意してくださいね〜!
では、諸君の健闘を祈る!!
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