RC Car Trend Vol.18------------------------------------ 2000/05/12
〜 Contents 〜
1.レースレポート:タミヤGPイン渋谷・F1/ルマンクラス
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1.タミヤグランプリ東京大会(2000年5月3日開催)・F1/ルマンクラス
by77大塚(大塚知宣)
今年もゴールデンウィークにシブヤにてタミヤGPが開催されました。
5月3日、タミヤGPイン東京のレポートです。
今回の注目クラスとしては、
久々に開催されたスーパーGT1クラスが挙げられます。
過去の全日本(世界戦)本戦出場者のみによるレースです。
さて、それはさておき、まずは自分の出たクラスのことから。。。
私が参加したのは「F1/ルマンクラス」。
個人的に昨年同様ルマンカーでレースに出たかった訳ですが、
昨年まで別々のカテゴリーであったものが、
今年から混走するひとつのクラスにまとめられました。
F1参加者が、近年減少傾向にあったためとも思われます。
ルマン車輌のレギュレーションに変更は有りませんが、
F1の車輌はスポンジからゴムタイヤとなりました。
このクラスの注目選手を見渡してみると、
ルマンクラスではすっかりおなじみの鈴木諭選手。
彼は020にBMW・LMのようなカラーリングを施しています。
これが結構良い感じに仕上がっています。
先日のROXで優勝の横瀬選手。こちらは鮮やかなオリジナルカラー。
このクラスでは昨年からこの二人がやや先をいっているようです。
(私もルマン参加率は高いのですが、基礎的な腕が違うので)
さらには世界戦F1クラスでTQ&2位獲得の瀬戸選手が参加です。
シブヤ常連の城光選手も侮りがたい存在。
こんななか、何とか表彰台圏内を目指したいものです。
なお、ここに挙げた選手は皆ルマンボディ、それも020を使用しています。
見た目の点で今回はアウディを用意したかったのですが、
どうも品切れ店が多く間に合いませんでした。
うーん、ルマンはやっぱりかっこいいものです。
(もちろんF1も独立して開催して欲しいのですが)
今回は、エントリーしたものの、その後出場が危うくなったため、
殆ど準備をせずにレースに出ることになりました。
前夜にレースに出ることを決め、
深夜に急いでタイヤ組み立てなどの作業をしました。
したがって全く寝ていません。
プロポの電池なども用意しておらず、行く途中で適当に買ったので、大変高くついてしまいました。
朝食はウィダーinゼリー+エネルゲンで済ませました。とっても無理矢理な栄養補給です。
プラス材料が有るとすると、メガネを換えたことです。これは結構効いてきます。
そうそう、「RCでGO!PC」
で練習した成果が初めて出るレースでもあります。
自宅では1/24の走行も行っていますが、最近はこのソフトにハマっています。
シミュレーターとはいっても、毎日好きなときに、好きなだけ、じっくりとプロポを握れるのは効果が有ると思います。
天気予報はあまり芳しいものではありませんでしたが、
当日朝になってみると、快晴とはいかないものの、日中、雨の心配はなさそうです。
約270名の参加者が集まりました。
ピット席につきますと、お隣には、本誌読者という方。
私のボディカラーをHPに載せていたため、おわかりになったようです。
クラスも一緒です。当然話も弾みます。こういったことも大変楽しいものです。
タミヤGPの楽しさは、ただ順位を競うだけではなく、
広い地域から集まる、様々のタミヤRCフリークと会えること。
この楽しみが、ネットによって更に広がったようです。
実際には、整備やレース進行に慌ただしく、なかなか、ゆっくり色々な方と話が出来ないのが残念なのですが、
レース後のひとときは比較的ゆっくり出来て好きな時間帯です。
練習走行に移りますと、意外に難しいレイアウトという印象。
シケインを含んだ高速コーナー(いわゆる「全開で行けるラインが一本だけ有る」という類のもの)、
テクニカルなインフィールド、ストレートエンドのきついヘアピンなど、
世界戦予選でもないのに、これは難しい。
楽しいレイアウトではありますが、タミヤGPとしてはかなり難しい部類では、と思いました。
ここで、まずAタイヤを履いて走行してみます。
今までになく車が安定しません。
タイヤのせいだけとも思えず、各部のセットが甘いためと思われましたが、
Bタイヤでも良いのではないかという印象をうけました。
これから路面温度が上がることを考慮すると、決勝はBタイヤでの争いになるかもしれません。
車はこれから何とかするとしても、
前述の難しく感じられる高速コーナーについて、何とかものにしなくてはいけないのですが、
この練習走行ではそこまでに至りませんでした。
高速コーナーが操縦台近くにある場合は、そのなるべく離れた位置に立ちたいのですが、
たまたますぐ近くの立ち位置になってしまいました。
そもそも安定した車でないと、高速コーナーのラインどり感覚を掴むのも難しくなります。
練習走行後の話では、
諭選手は「今日はBタイヤが良いよ」とのこと。
私と横瀬選手はAしか持参していなかったため、これを現地調達することにしました。
予選1回目。
諭選手が良いタイムを出します。
彼はBタイヤを使用しています。
私は相変わらずフラフラした走りです。
何とかブレーキとパワーの入れ方でごまかし、
相対的にみて、Aメイン確保出来る程度のタイムは出せました。
同じ組で走った横瀬選手も、Aタイヤで諭選手と同等のタイムを叩き出します。
私としては、細かく走りを詰めることより、
ともかく車を安定させないと、どうにもならないなあ、という感じでした。
単にタイヤが合っていないときとは違う、イヤな不安定さが有ったのですが、
今一つ原因が掴めません。
予選1回目が終わり、
Bタイヤを調達すべく、横瀬選手とともに一時的にサーキットを離れます。
現地シブヤには既に品がなかったのです。
今回はそもそも参加が怪しかったため、私としては単に準備をおろそかにしていただけの話ですが、
本来、この時期には、A/B両タイプを持参するのが良さそうです。
このタイヤ調達のための外出が長引いてしまい、予選2回目はキャンセル。
私のせいで迷惑をかけてしまい、同じ羽目になってしまった横瀬選手には本当に申し訳ないことをしました。
しかし、帰ってみれば、私には5番グリッドが用意されていました。
1回目のタイムでAメインを確保出来たようで、まずは一安心です。
横瀬選手は4番グリッド、ポールは諭選手です。
間の2、3位には、瀬戸選手と城光選手がつけています。
決勝までには時間が有るので、まずは気温を見てBタイヤを組みます。
接着はサンドペーパーによるホイル接着面荒らし+ライドのプライマーとOKボンドFXで決まりです。
今度のホビーショーでは、タミヤから表面処理剤というものが出品されるそうです。
ライド製プライマーと同じ様なものではないかと思いますし、似たような効果を得るものはいくらでもありますが、
タミヤ製品ということで、入手しやすくなれば便利ですね。
次に車の問題を見つけます。リア部には問題がないようです。
ピッチングダンパーのセットが良くないようにも思いましたが、
朝の不安定さは、ちょっと問題の質が異なるように思いました。
セットが合っていないというよりも、何かがおかしいのです。
よーくみてみると、フロントのキングピン片方の作動が渋い。
ドタバタしていたため見落としてしまっていたようです。
タイヤが食っていれば問題になるほどの渋さではありませんでしたが、
朝の路面状態を考えると、あの不安定な挙動はこれで納得がいきます。
サスアームとキングピンを交換し、他の各部もスムースな作動を確認。
これでも路面の関係で滑ることは有るでしょうが、
車本体がシャキっとしていれば、滑るのもコントロール出来るし、
滑らない様にセットするのも上手くいく訳です。
また、決勝で予選より高いグリップが確保出来ることを予想し、
ロッシ製ハイドラルブ・ライトをフリクション部に軽く塗りました。
フリクションを効かせることは、直進性悪化にも繋がりますが、
ある程度グリップが有れば、労せずして鋭く安定した曲がりが得られるのです。
さて、いよいよ決勝。
順当に路面温度が上がっていることを考慮し、前後Bタイヤを装着です。
そもそも、3分しか走っておらず、レイアウトに慣れていない、
車は本当にこれで良いのか?など、色々な問題が有りましたが、
ドタバタしていたため、かえって割きりが出てきて、良い感じで操縦台に立つことが出来ました。
見てみれば、10台全車ルマンで、F1の姿は有りません。
見る限り完全にルマンクラスです。
それも、ほぼ全車が020をチョイスしています。
そんななか、6番グリッドには、
ピットで同席した、アウディを駆るY選手がつけています。
スタート。発進はバッチリ決まりました。しかしこの後がいけなかった。
ストレート後のヘアピン進入で、余りにも強引な突っ込みをしてしまいました。
ストレートで車速に乗り、2台ほどパス出来たのですが、
欲を出し、一気にトップを獲ろうとして、思い切りブレーキングを遅らせましたが、
やはり無理が有りました。ここで接触した選手には、改めてこの場を借りて謝ります。
「スタートを決める」というのは、
一コーナー、1周目を巧く周ってくるということですから、
発進だけ上手くいっても何にもなりません。
どういう状態だったかはVTRでも見ないと良くわかりませんが、
ともかく私が最後尾に落ちたのは間違いありません。
自分のミスでしたが、それが主に自分だけに降りかかったので、一安心という気持ちです。
ただ、考えすぎて躊躇した挙げ句に接触してスピンするなどの場合は、何とも情けないものですが、
思いっきりいって当たってしまったということなので、
数年前、「遠慮しすぎ」ともいわれた私からすれば、思い切りが戻ってきたのかもしれません。
昨年からのRC再開で、段々とレースに慣れていただけに、落とし穴でも有りました。
ミスを犯した立場では何にも言えませんけれど、ともかくも、毎度スタートは難しいものです。
これで順位を落しましたが、何とか、もとの5番手程度には順位を回復します。
中盤から車の挙動も安定してきました。
Bタイヤの選択も間違っていませんでしたし、各部の調整も、カンで行ったわりには上手くいったようです。
徐々に車は良い方良い方に向かっていったので、やはりタイヤ温度のことがとても大事なようです。
ウォーマーを用意すると効果が高いかもしれませんが、
それ以前に、こうした温度による変化(走行中の変化)を予測して走らせていくことが重要、
これは昨年からわかっていたことですが、今回改めて感じました。
とにもかくにも寒い、などの状況と異なり、
20℃〜30℃程度の領域では、1日のなかでも、かなりグリップ変化が有り、
これにどう対処するかがシビアに影響してきます。
微妙な温度条件では、とりあえずAを選択した方が、そこそこのグリップが得られる確率は高いようです。
レースであれ、練習であれ、安全策を狙うなら、Aをおすすめします。
しかし、優勝やその周辺を狙うには、今一つ突っ込んだ選択が必要になります。
BとAとの違いは、表面グリップだけではないのです。
タイヤ構造そのものの硬さが違うため、タイヤのたわみ、ショルダー部の効きなども違ってくるのです。
とりわけハイトの高いF1/ルマン用ゴムタイヤではこの違いが大きいのです。
(タミヤGPF1/ルマンクラスでは、インナーを変えることによる調整は出来ません)
このため、硬いBタイヤの方がコントローラブルになることが有り、
このことが、上位を狙う場合にポイントになってくると思っています。
温度に合わせて自動的に使い分けるというよりは、そもそも違うタイヤとして捉えています。
ちなみに、昨年の9月のレースでは、やはり微妙な温度条件でしたが、
周りがほぼ全員Aを選択するなかで、私はBをチョイスしました。
これは結果としては成功したのですが、勝った人はAタイヤです。
私はなんとなくBが好き、どちらでもいけそうならB、ということでやっていますが、
一般的な傾向を見つけるのというのは難しそうです。
おっと、以上はシブヤトップサーキットのウレタン路面での話です。
他のサーキットでは、またいろいろと違う要素が入ってくるでしょう。
話がそれました。レース展開に戻ります。
どうやら中盤でトップは瀬戸選手。
タミヤGPルマンクラスは初めてのようですが、
昨年の世界戦でのF1指定タイヤはゴムでしたから、そうした経験が活きているのかもしれません。
しかし上位の順位変動状況は良くわかりません。
横瀬選手が首位に迫っているというアナウンスを聞きました。
私はただ少しでも順位を上げること、
アンダーを消すこと、滑らないギリギリで開けていくこと、
その滑る限界が1周毎に変わっていくのを常に察知すること、
ラインどりを1周毎に学習してタイムを上げていくこと、と、
ともかくも自分の走りで精一杯です。
4番手に上がったということは解ったので、
残る3選手は、どれも、(私の思う)優勝候補だけということになりました。
諭選手はチラチラ見えるのですが、私とはつかず離れず。
つまりスタートでついた差がそのままでているだけの状況のようです。
これは同一周回でレースを終了出来るか、と思いましたが、
背後、という訳でもありませんが、横瀬選手が眼に入りました。
瀬戸選手をパスしてトップに立ったようです。
首位攻防でハプニング的なことが有ったようで、瀬戸選手は遅れ、ほぼ独走に近い状況のようです。
ここでペースを落し、道を譲ります。
一緒にBタイヤを買い物に行ったことだし、是非勝って欲しいものです。
抜かれたあとも、更にタイムは上がりましたが、
もはや順位に変動無し。横瀬選手優勝のコール。
私は、またしても4位という、今一つ締まらない順位に終わりました。
瀬戸選手と諭選手には、何とかラップされない範囲で終わることが出来ました。
ラインの乱れは有りましたが、中盤以降絶対にミスをしない様にした結果です。
うーん、まあ順当なのですが、毎回良くなっているのも事実です。
相対的に見ても、少しずつ上位との差は小さくなっています。
バッテリーに関しては、予選1400SP、決勝1700SPで臨みました。
別段熟考の末のベスト選択という訳ではありませんが、
今回は、1400〜1700と換えた場合に、どのような違いが出るかということを知りたかったので、
決勝では1700SPをチョイスしてみました。
2400だとちょっと重さのバランスが違ってきてしまして、
特にDD車では、使うなら予選からすべて2400でないと、バランスどりが難しい感じです。
(しかしそんなお金はかけたくないので未だに一本も持っていません)
安価な1400SP(2000円以下で買えます)を気に入っているので、
とりわけルマンではそちらを中心にセットしており、
それであれば、決勝も1400SPか、決勝のみ換えるとしても1700が良さそうです。
タミヤGPの周回数では、ルマン(25周)の場合1400SPでも充分に決勝を走りきれますが、
後半のパンチ力の持ちは明らかに1700SPの方が良いです。
しかし、1100gの車にとっては、大変な重量物なので、
バッテリーの種類だけを換えた際、明らかに挙動の変化があります。
どちらが良いということでもありませんが、挙動が変わることは無視できません。
一応この辺もチェックしておいた方が、レースを楽しめるでしょう。
※未だに1700SCRCの魅力はあるのですが、もはや入手困難ですので。
ちなみに、上位選手は、ボディがルマンであっても、
F1タイプハードカーボンシャーシが多かったようです。私もそうです。
個人の印象ではルマン専用TRFタイプでもあまり変わらないと思うのですが、
F1タイプでも問題がなく、慣れ親しんでいるため、(或いはF1と使いまわしが効くため?)
シブヤではこちらの人気が高いようです。
しかし、TRFタイプも3800円と比較的入手しやすいですし、
上級者に聞いても、どちらかに決めてセットすることが重要で、
「どちらにするかはあまり問題ではないんじゃない?」という話でした。
なお、今回の4位の賞品はTRFタイプカーボンアッパーデッキ(LMシャーシ専用のやつ)でした。
昨年から、アルミメッシュテープ、スポチュンモーター、車高調整ケース、アルミサーボマウントと、
なかなかいいものを頂いています。確実に使えるので費用が助かります。
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さて、「F1/ルマン」直後の「GT1」クラス決勝では、
シュアな走りでおなじみの鈴木守選手が、混戦のレースを勝ち取りました。
私はマーシャルをしていたので、あまり詳しい展開は憶えていませんが、
混戦模様に見えながらも、鈴木選手の上手さが随所に見られたように思います。
ダイナランストック+ウレタン路面によるレースのため、
比較的アンダーパワーとなり、かなり良く走る車が多かったようで、
大きく挙動を乱すようなシーンはあまり見られませんでした。
私はアンダーパワーの車が苦手・嫌いなので、是非速いモーターで戦いたいのですが、
最近、GT1クラスはストックになっているので個人的にはあまり。。。
速いモーターの方が、「御す」楽しみがあって面白く感じます。
ただ、モディファイの場合、あまり長い周回数であると、
バッテリーを上手く使いこなさいといけません。
ダイナランストックであれば、たとえ1700バッテリーであっても、
過度に燃費を気にせず、長い周回の駆け引きを楽しめるでしょう。
タミヤGPではこれも良いような感じもしました。
また、マーシャルをしていて、転倒車をいくつか起こしました。
その際シャーシが判りますが、今や円熟のTA−03に混じり、
TBー01が健闘していたようです(別にTBの転倒率が多かった訳ではありません)。
今後は、TB−01カーボンフレーム、TA−04の発売で、GT1の様相も変わってくるでしょう。
そろそろシャーシの世代交代の時期にさしかかってきているのでしょうか。
TA−04は本格的な車ですが、TA−03と比較して、さほどコスト面で違いが出るとは思いません。
最後のレース、トリを飾るのが「スーパーGT1」です。
エキスパート認定は、私などでも取れてしまいますが、
スーパーエキスパートは、間違いなく本当に速い人しか取れません。
世界戦/全日本予選=大プレッシャーのかかるレースで勝った人だけが取れるのです。
唯一ダイナランツーリングモーターを使用し、
周回数もモーターに対して長めに設定されています。
燃費のことも考えながらの走行となるようです。
ポールポジションを奪ったのは、PIAAカラーのNSXを駆る軽部選手。
相変わらず、軽部選手には何とも言えないスゴさが有ります。
上級者というと、特に常設サーキットの場合、
事前に沢山走り込んでセットを出し、
当日は万全のマシンをテーブルに置いて、泰然としてレースを待つ、
というようなイメージがありますが、
良いときの軽部さんは、なんだか、ポンときて、ササっとセットを出して、パっと勝っちゃうんです。
(もちろん、そんな風に見える、というだけの話で、本人は必死にもがいてるんですけどね)
僅差の2位にレイブリックNSXを駆るツーリングの名手・大越選手。
言わずと知れた昨年のツーリング世界チャンピオンであり、
トップサーキットのツーリングクラスで常に優勝を争う選手です。
スーパーGT1の予選上位2名がタミヤ純正ステッカーの実車カラー、
というのも面白いところです。
以下、小林選手、島袋選手、手塚選手と続きます。
5人でのレースということで、淋しいようにも思いましたが、
見ているぶんには、むしろ、真剣勝負の迫力が感じられました。
全車、NSX+TA03Rのようでした。
軽部選手がポールから鮮やかにトップをキープしてスタート。
その背後に、小林選手と大越選手が迫ります。
殆ど3台が連なった状態で序盤戦が進行します。
しかし、ペースをみると、軽部選手が今一つ逃げられないようです。
中盤、小林選手、大越選手が順にパスしていきます。
ギリギリの戦で粘ったり攻めたり、しかし、決して当たることはない。
出走台数が少ないので混乱が起きにくいということも有りますが、
全く見ていて感動する駆け引きでした。
この後、やはり軽部選手の車の状態が思わしくない様で、ジリジリと間隔が開いていきます。
島袋選手もツーリングで強いドライバーとして有名で、
一時先頭集団に近づきましたが、今回はあまりペースが上がりません。
手塚選手も、やはり苦戦の様相で、トップ争いには絡めない様子でした。
レースは、小林選手と大越選手の一騎打ちの様相を呈してきました。
大越選手はいつもどおり、精密機械のような素晴らしい運転で、
全くミスは有りません。ヒットするなどのミスはもちろん、
細かいラインどりミスの類も私が見る限り有りません。
小林選手との間隔は、縮まることも詰まることもないようでしたが、
終盤にきて小林選手が件の高速コーナーでミス。
これで差が縮まり、場内が沸きますが、
2台の順位に変わりのないままにフィニッシュ。小林選手の優勝です。
参加者はもちろんですが、
ギャラリー全員も手に汗握って見守る、まさに最高峰にふさわしいレースでした。
参加台数が少ないなりに、見ごたえが有るものです。
GWの渋谷のデパート屋上では、こんな激戦が展開されていたのです。
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その他、とても全てを良く観ることは出来ませんでしたが、
多くのクラスがそれぞれ盛り上がっていました。
◆ラリースポーツクラスもなかなか楽しいレースになっていたようです。
EXP認定者は出られないのですが、許可されれば出たいクラスのひとつです。
◆ジュニア、N1、GT2といった、
ツーリングカテゴリーの盛り上がりもいつも通りです。
◆ミニスポーツクラスでは井上選手が独走で優勝しました。
毎回楽しいクラスです。
◆F1/ルマンも、全体を見ればあまり熱くなることがなく、
総じて和やかなクラスと言えましょう。
F1/ルマンとミニは、EXP認定者も参加しますが、どちらも、敷居が高いということは全然有りません。
上級者も初心者もお互い配慮して楽しんでいます。
年齢にかかわらず、「大人のドライバー」が多いクラスの様に思います。
速い選手同士での首位争いは有りますが、初心の方も全く遠慮なさることはありません。
ある意味、ピラミッド状になっているツーリングよりも、気軽に参加出来るクラスなのかもしれません。
(そのためにも、是非Bメインをやって欲しいのですが)
◆なお、今回、ワイルドウィリークラスは開催されませんでした。
レースが終わり、コース開放・自由な無料走行の時間になりますが、
夕方になり、やや天気が怪しくなりそうなので、走行せず早目に帰ることにしました。
今回はどこにも立寄らずひとりで帰りましたが、
レース後には何とも言えない充実感が有るものです。
発泡酒を軽く飲んで渋谷駅のプラットホームに佇んでいると、
なにやら雷のような音が響いてきました。
雹(ひょう)です。なかには1センチ近いものが降ってきました。
これは早く帰って良かった。。。残った皆様は大丈夫だったでしょうか。
盛り沢山のクラスが行われるタミヤGP、
参加者、主催者ともに時間的に厳しい面も有りますが、
気軽に立寄れる都内(浅草、渋谷)では、午後あたりから、決勝観戦に行くだけでも、とても面白そうです。
レース経験のない方も、まず一度観に行ってみると楽しめるように思います。
<おわり>