posted on Nov 19, 2005
(updated on Dec 7, 2005)


ワールドチャンピオン決定戦2005速報!

<PART-2>





公式練習日の外国人選手には、タミヤの家庭用充電器+使い古しのニッカドパックが自由に使えるようになっていたようです。 このほか、例年と同様、個別に3600HVが支給されていたようですが・・・。タミヤパックは事実上「国内専売」品なので 海外からの参加選手は取り扱いに面食らう人もいるようです(海外はタミグラでもマッチドバラセルが一般的)。






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金曜日の公式練習中、観客ブースになにげに展示されていたRCマガジン誌チームの耐久用マシン。 昨年同様、車載カメラを積んで走行画面のオンエアに挑戦!27万画素にしてはなかなか高画質です
シャシー中央の長細いヨウカンみたいなのがカメラ+発信器
今年もスーパーGT選手権で活躍したGTマシンが展示。特に、タミヤフェアでミニカーのブースも出しているエブロがスポンサーする M-Tech NSXは、例年同様、ピットワークのデモも散発的に実施。昔ならエンジンがおとなしくて良かったんですが、今年は 土曜日の耐久レース終了直後、エンジンをかけたら煙は立ち込めるは、爆音はすごいわで・・・(苦笑)。

今回、このマシンでひとつ発見。塗装にクリアがかかっておらず、メタリック塗装なんかも「生」なんです。 写真で照明の反射具合を見てのとおり、塗装に艶がありません。リアルな模型は「半つや消し」が正解のようです。RCじゃ関係ないんですけど・・・。
こちらは昔のジャガー。
とか何とかいってる間に1日目(公式練習)終了。
最後の2回はコントロールプラクティスとして参考タイムを計時。
予選を占ううえである程度の参考にはなります。さて明日はどうなるでしょうか?

























さてここからは、注目の新製品の速報です。 まずは「タムテックギア」第1弾となるマイティフロッグ。
「あえてスケールを謳わず、バギーとしての理想形を追求し、ボディデザインも1から図面を引き直した」 とは滝博士の弁。確かに、コレを見てから「親分」のフロッグ2005を見ると、かなりマッチョな印象を受けてしまいます。
それくらいスリムな設計なので、オンロードフォーミュラカーも含めて、いろんな車種に使い回せそうです!
全体を見回して、まず、いろんな面について非常に良く考えて設計されているのをビンビンと感じます。 足回り、駆動系、メカ、ボディデザイン、タイヤ、などなど・・・。まさに「タミヤRC29年の集大成」といった感じで 様々な目に見えないノウハウとアイデアがてんこ盛りです。
個人的趣味としては、足回りについつい目が行ってしまうのですが、このシャシーでは、 ステアリングワイパーを採用し、タイロッドの取り回しを上手く考えて、バンプステアを抑えるアライメントになっているようです。 ピロボールのガタも少なそう。見るからに良く走りそうな足回りで、ワクワクしてきます。
アンプは「TEU-102BK」の呼称が与えられた新作です。KO・VFS1と同じくらいの非常にコンパクトなサイズに、 前進・バック用として各2個づつ(たぶん)FETを割り振って、「1/10ツーリングカーに載せてスポチュンも回し切る余裕のスペック」 を確保しているそうです。モーターをoptの過激なスペックにグレードアップしてもRCメカを買い変える必要を なくすのが狙いだそうです。サイフに優しいのはありがたいことですね!ちなみにoptモーターはスポチュンルックのライトチューン仕様が 展示されていましたが、このほかにももっと過激なバージョンが予定されているそうです。第2弾以降に期待される四駆モデルでは パワーを受け止めるキャパが増えるでしょうから、ホットなモーターが出ると楽しそうですね。
アンプの後ろに積まれている受信機も新設計?(型番不明)AMですがかなりコンパクトです。デモランを見る限り、 性能的にもまったく不安はなさそうです。
駆動系にも大注目。
恐らく「過去のタミヤ2WDバギー中、最も洗練されている」と言えそうなスリッパークラッチシステムが採用されています。

ダイナストーム/ダイナブラスターの「MDC」は、クラッチの多板化とダイキャストハウジングの採用で大きく重いスリッパーに なってしまってましたが、今回のはメカニズム的には「ほぼ完璧」な感じです。これが1/10のキットでないのが実に惜しいです。
フルopt化の例がこちら(カバーは外しています)。アルマイトがかかっているモータープレートもoptです。 ここに写っているスポチュンみたいなモーターが当初opt発売予定のライトチューンタイプのoptモーターです。 その名も「タミテックギア・スポーツチューンモーター」。まんまです。 タムテックギアシリーズの標準モーターサイズは「370タイプ(マブチの規格)」だそうです。
リヤドライブシャフト&アップライト回りのクローズアップ。 ドッグボーンではなく、最初からユニバがおごられています。樹脂と金属のハイブリッド構成で軽量化と強度を両立。 サスピンもEリング止めになっています。工場完成済みモデルとしてネジ脱落トラブルなどを意識したのでしょうか。 結果的には、スケールを忘れて「1/10のハイエンドツーリングか?」と思うような出来栄えです。
こちらはフロント回り。強度確保のためでしょう、サスアームの上下スパンを広く取った代償で キングピンオフセットが大きいのは仕方ないですが、キングピンスクラブの最小化を狙ってCハブを上下方向に対してハの字状に傾けた 設計になっているのは見事。
アクスル部分がリヤと共通化されているのは「四駆モデルを出しやすくするため」だそうです。なのでハブも前後とも六角タイプで、 2駆と四駆のタイヤの使い回しも容易です。ついつい、 ホットショットやらアバンテ、トップフォースなんかの「チビ版」を期待しちゃいますね。来年以降の展開に期待です!

バギーもいいですが、この足回りやRCメカを使えば、四駆ビッグフットとか、プチ・ツーリングカーまで作れそうですね!
シャシー底面にはバッテリー交換用ハッチが。過去のしがらみがない完全新設計のシャシーだけに、サスアームもメいっぱい シャシー中央から取ったロングスパンタイプになっています。実戦的な形状のサスアームには、 ダンパーピボットも複数設けられていることが見て取れます。
定価19800円には、RCメカ一式に加えて、このバッテリーセットまで付いてきます!1本で30分程度は走るそうです。 とりあえず、インテレクトに交換すれば簡単にパワーアップできそうですネ。 タミヤからもホップアップのバッテリーは出そうな雰囲気でしたが・・・。

このサイズの電池がミドルスケールRCの標準になり、将来はリチウムポリマー電池への置換もこのサイズから定着しそうな流れが 見えてきました。
「タムテックギア」版のフロッグを正面から見た図。ワイドトレッド&ナローシャシーの対比がカッコいい! 「実車レーシングバギーの理想形に迫れた」という滝博士の弁もうなずけます。

「タムテックギア」を見て感じるのは、このシリーズが単なる「RCモデルのスケールモデル(チビ版)」という発想で 終わらず、もっと広い世界に目を向けて設計しよう、という意欲です。単なる京商「インファーノ・ミニ」の2番煎じでも、 商売としてはある程度できてしまいそうなのがタミヤの強さですが、それではツマらない、ということなんでしょう。 あえて「創造的破壊」に挑戦し、新しい「フロッグ」をプロデュースした熱意は脱帽モノです。
ちなみにこちらが「親分」マイティフロッグ。「2005」とは言ってますがスピコンを廃してドライブシャフト回りと リヤダンパーを改良、版権の関係でステッカーを修正した以外はほぼオリジナルです。 バギーチャンプ系のアルミダイキャストのフロントアップライトはオリジナル通りに復刻されます。 駆動系や足周りなど、旧車レストアにも多々使えそうなキットですね。 上のタムテックギアと比べると、トレッドの違いが目立ちます。







というわけで入魂の新作「タムテックギア」は06年2月発売です! おひとついかが〜!?



さて今回のタミヤフェアで発表されたもう1つの新作が、この「DDツーリングシャシー」。
F103を開発した有村さんが、ツーリング用としてF103を徹底的に再設計。ではそのコダわりぶりをここにご紹介していきましょう!
一応、オフィシャルな能書きはこのようになっています。
「ぐんと進化した高性能タイヤ」というのは、実は「スーパースリックタイヤ」のことです。ツーリング黎明期、まだタイヤにメッシュがなかった時代に、 ハイグリップタイヤとして一世を風靡した、あのop.133です。さらに驚きは、トレッド幅26mmのこのタイヤに24mm幅(Mナロー)幅の 六角ハブのツーリング用ホイールを組み合わせている点。インナーはop.156の「インナースポンジ・ハード」がキット標準になるそうです。この組み合わせで 何が起こるかというと、トレッド面がちょうど上手い具合にカマボコ状に盛り上がり、 タミヤのMナローのファイバーモールドタイヤみたいなショルダー形状になるんです!
もともとスーパースリックは、シリカが配合されてる感じのコンパウンドで、温度変化にめっぽう強く、 オールシーズン使えるコンパウンドです。インナーメッシュ入りのタイヤよりも、コンパウンドに剛性が必要だったので、 絶対グリップとしては後に出たファイバーモールドA/Bには劣るのですが、そのへんを聞いてみたところ、 「テストではMナローのファイバーモールドよりむしろスーパースリックのほうが良い結果を得ている」とのこと。 どうも1200gという超軽量のせいでファイバーモールド系の堅いトレッド面と接地面圧の関係がうまくマッチングしないようです。 ピークを超えた途端に、パーン!とテールが飛び出すピーキーさが出てしまうのかなぁと推察します。
当時のタミグラのツーリングカーは1600g規定と今より100g重かったし、タイヤもメッシュなし、ということで、 タイヤの偏磨耗が気になりましたが、このシャシーでは1200g前後なのでタイヤも全然減らないそうです。さらに、 「タミヤサーキットでテスト走行すると、23ターン仕様のツーリングと同レベルのラップタイムで30分くらい走るので 周囲からすごく不思議がられるんですよ」とのこと。裏を返せば、それだけ「お手軽で速い!」ってことなんでしょうねきっと。 まさに、RCTが大好きな「速い・安い・整備がラクチン」の三拍子揃ったシャシーなのでしょうか!?
さてタイヤの話はコレくらいにして、上の写真から順に解説を。まず2つ上の写真はフロントアップライトのクローズアップ。写真は 試作用の光硬化樹脂製ですが、製品版ではもっとカッコ良くなるはず。トレール付きで安定性を改善+MシャシーやFFで使われているフリー回転型のアクスルシャフト +六角ハブでツーリング標準ホイールを装着、という按配です。これならいろんなタイヤを使えますね! 次に1つ上の写真は、 アップライトの取り付け強度アップのため上下スパンを拡大したいのでフロントサスアーム取り付けネジ部にスペーサーが入ってるよ、の図。 さらに左側の写真では、キングピンにもスペーサーがあるよ、の図。いろんなスペーサーを駆使して車高を下げることに腐心したそうで、 その甲斐あって「キット標準で車高5.5mm!」という設定を実現したそうです。
小石の多い駐車場などでは車高8mmくらいにしたいところですが、そこでアップライトのスペーサーが大きな意味を持つわけです。 そう、下のスペーサーを上に移動させれば簡単に車高が3mm程度アップすると。コレならほとんどのオンロード路面でOKですネ!

さて左写真はサーボ取り付けの図です。キット標準ではダブルデッキ仕様なので倒立マウントしかできそうもありませんが、 optのカーボン1枚モノにして、サーボ取り付け用パーツを撤去してしまえば、LMシャシーと同様、横に寝かせて両面テープ止めにして さらに重心を下げることができるでしょう。ダブルデッキだとクラッシュでシャシーがヨレやすいので、カーボン1枚シャシーはぜひ欲しいですね。
写真のシャシーはフルopt仕様ということでサーボセーバーもsp1000のハイトルクセーバーですし、ターンバックルも アルミ製ですがキットではF103と共通の部品になりそう。ちなみにキット標準はF103でoptだったFRPダブルデッキが付く仕様です。

写真では「とりあえず」既存のop.151「F1ディフューザーセット」を使っていますが、コレはリニューアルしてカーボンパターン仕様を 出したいそうです。こういう「遊び」というか、昔ながらのタミヤらしい味があるのが、「有村イズム」の真骨頂?「速さ」という意味では 全然無意味なんですが(爆)、まぁ「DDツーリング」という企画自体、「マッタリRC」の象徴みたいなもんなんで、 こういう「ムダパーツ」がいろいろあるほうが良いんじゃないでしょうかネ!? 筆者はそう思います。
キットではスポチュンが付属になるようで、このシャシーにも搭載されています。最新の23Tストックより3割程度出力が落ちますが、 車重が2割軽くて駆動系のロスも格段に少ないので、リヤグリップの差が出にくい高速コースであれば 四駆の23Tツーリングと遜色ないスピードが出るという話もうなずけます。 リヤの左側ハブは試作のアルミ削り出し品で、 キットでもアルミ削り出しになるようですが、このシャシーでは車高調ギヤケースを使っているので、キットとは仕様が変わりそうです。 (土曜日からのタミヤフェア本番では、ノーマル仕様の展示もあったことを後で知りましたがチェックし損ねました。すんません)
こちらは右側リヤハブの図。試作なので、Cカーのデフ用ハブにツギハギでホイールマウント用のアダブタをアルミ削り出しで作って ありますが、「量産バージョンではもっとカッコ良くなります」とのことなので期待しましょう!

リヤのボディマウントは従来のF10x系と同じ位置にツーリング用のアルミボディマウントと、意外に「ツブシが利く」造りです。

「Cカーのホイールハブ流用」ということで改めてデフを見ると、あらあら、F101/2系のデフハウジングでした(苦笑)。 コレは取材時には気付きませんでした。技アリのパーツ選択か!? 個人的にはF103系のデフよりも精度の高いF101/2系デフハウジングは 好きです
から大歓迎です。このままキットになって欲しいな。

なお、この写真はそもそもはスパーを見せるために撮ったものです。スパーは新素材の「モリブデン入りナイロン樹脂」というのを optとして発売する予定だそうです。個人的には、石噛みしてもギヤの持ちが良い、もっと柔らかいナイロン樹脂を使って欲しいん ですけど、04モジュールじゃあムリですね・・・。

06モジュールでoptなんつーのも時代に逆行してますしね・・・。柔らかい樹脂でスパーというとボールデフにも合いませんし・・・ やっぱナイロン6スパーってのは「AYK時代」の遺物なんでしょうか・・・。
閑話休題。最後に大サービスでシャシー裏面も撮影させていただきました。コレはoptで発売予定のカーボンシャシーです。 シャシー厚は聞きそびれましたが、F103のハードタイプ(3.2mm)と同じような厚みです。F103よりも幅広く、2.5mm厚だった LMシャシーよりもナロー、という感じ。形としては一番「ホドホド」でいい感じです。ステアリングサーボのホルダー取り付け穴は4箇所に開いてるんですが、 写真では前の2点しかネジ止めされていません。バンパーはTB系を流用するような設計です。発売は2月と、なかなか季節的にDD車には 一番厳しい時期ですが、すぐに春になっちゃいますし、意外にいいタイミングかもですね。楽しみです!!




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