(posted on Jun 29, 2005)
(updated on Jul 19, 2007)
タミヤRC製品・即買いカタログ
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ホットショット(2)






ホイールの組み付けは、現在とは違って専用の3点式ハブと専用の穴付きホイールを組み付ける方式です。このハブが割れやすいのが 泣き所のようで、この車両でも4個中2個にクラックが入っています。接着剤で補修すればいいのですが・・・。
ただ、ハブをアクスルシャフトに固定する方法は、マンタレイ以降のバギーの多くやツーリングカーと同様、2×10mmピンでカシメる方式ですから、 現行の6角ハブを使って現行ホイールを流用することは可能ですし、ホットショット用ハブを使えば逆も可能です。また、05年11月に サンダーショット が再版されましたので、共通パーツの「Cパーツ(部品番号9005288、620円)」をカスタマーサービスから購入すればレストアも可能です。 成型色が黒になってしまいますけど・・・。

アップライトを良く見ると、トップフォース/マンタレイ系よりもリブが多く、形状は結構異なっています。 ピロボールには、後にMシャシーでも使われることになる長尺タイプが採用されていますが、これは多分サスアームとタイロッドの角度関係を 適正化してバンプステア対策を取っているんだろうと思われます。
そのタイロッドですが、サーボ側はこのようにメカボックスからサーボホーン(サーボセーバー)部のみ露出して ダイレクトにつながっています。全体的にガタは少ない設計です。そう、この頃から90年代初め頃までのタミヤキットって、 案外ガタは少なめだったんですよね。タミヤのシャシーが、初心者の組み立てやすさを意識「し過ぎて」、 どうしようもない「ガタガタ」になったのは、TA-03やMシャシーの頃(93〜99年頃)です。あまりに不評だったので、 TA-04以降はだいぶマトモに戻りましたが。でも入門〜中級シャシーではいつもガタの設定に迷っているように見受けられます。 ハイエンドカーでも最近は414の時ほど厳しく追い込まなくなって、総じて「ユルユル」になってきてますよね。
ホットショットのセンターシャフトは、「マイティ・フロッグ」のドライブシャフトと同じ形状の「ヘキサゴジョイント」を 両端に装着した独特の仕様。同仕様は、「スーパーショット(Item 58054)」まで採用されました。 寿命が著しく短いと不評だった「フロッグ」のドライブシャフトと違い、絶えずスイングする部分ではないため 耐久性の点では問題なかったはずですが、いかんせん構造が複雑で割高だったはずです。

そこで、スーパーショットの廉価版「ブーメラン(Item 58055)」を発売するに当たって、 ピアノ線の両端をメガネ状に丸くプレス加工し焼入れしたものをセンターシャフトとし、 櫛型のジョイントカップで挟み受けるシンプルな仕組みの駆動系に仕様が変更されました。ここに、タミヤの シャフト系四駆シャシーの基本形は完成し、以後、ジョイントカップ形状・寸法を維持しながら 「セリカGr.B」や「アバ
ンテ」などでのハードプロペラシャフトの導入や、TGXでのカーボンプロペラシャフト、 さらにF201等での太径プロペラシャフトなどに発展していくことになります。後のTT-01やDF-03では、 シャシー捩れの問題に対応するため、ドッグボーン形状のセンターシャフトが採用されましたが、 シャシーの捩れが小さい剛性の高いシャシーならば、ブーメランタイプのセンターシャフトシステムは、 シンプルで耐久性に富み、駆動効率も極めて高い、優れたシステムです。







バッテリーはシャシー下面のハッチから着脱します。2点のキャッチピン止め式です。バスタブシャシーと違って、バッテリーホルダーへの土砂の堆積がない、 オフローダーとして現実的な作りになっています。その代わり、バッテリー外装はかなり痛みますけど。そのため、当時の1200mAhのタミヤ6セルパック (7.2Vレーシングパック)や7セル8.2Vパックには、ポリカ製のクリアカバーが付属していました。
スタビの取り回しや、バッテリーのすぐ上をアッパーシャシーと面一に位置しているセンターシャフトの配置などは、かなりタイトな設計です。

そういえば、この金色のホイールって、実はキット同梱ではなかったんだそうです。別売の金メッキホイール(sp.266、1000円) を買わなければならなかったと。箱絵に憧れて、いざキットを開けてみるとホイールが白くてガッカリ・・・した子供たちも 多かったとか。まぁホイールなんて消耗品だし、それでキット価格が500円くらい上がっちゃうのもなんだかな〜、ということはあるので、 仕方なかったんでしょうか・・・。そういえば復刻版でもホイールは「白」ですよね。たぶん催事特売品とかで金メッキホイールが 出回るんだと思いますけど・・・。
走るための機能部品以外はほとんど余計な物がないことが良く分かります。これ以上ない、というくらいのムダのない設計です。 なのに、ナゼかやたら重いんですよね〜。時代ですね。さすがにRCメカ電源はBECシステムの採用で単三電池4本分、80gくらい 軽量化されてますけど、スピードコントローラーは機械式で2サーボだし、ネジにもチタンなんて使ってないし・・・。
ところで、上の写真とこちらの写真では、リヤ側のモノショックダンパーのリンケージが写っていますよね。 コレがまた実に凝った設計です。サスアームからダンパーに至る多段階のリンクをよ〜く見てください! 動作のガタはほとんどないので、実際にも結構、 スタビによるロール制御とダンパーユニットによるピッチング制御の切り分けは機能しています。大したもんです。

アッパーアームが左右等量に作動したときだけ、ロッカーアームが作動し、ダンパーユニットをプッシュする構造がお分かりでしょうか?

ピッチングとロールを明確に分離して制御する、というのは、実はなかなか厄介なことで、だからこそ実車ではモノショックなんて ほとんど実用化されてないわけなんですが、考えてみると、当時はまだタミヤでもopパーツがなく、全パーツがsp系列でゴチャ混ぜに 発売されていた時代。当然ながら、バネやスタビも選択枝がほとんどなかったわけです。そういう意味では、線の長さをカットして詰めてやれば かなり幅広く硬さを調整できる「スタビバーによるロール制御」というのは、案外、当時の事情にはマッチしていたのかも。
リヤドライブシャフト周辺のクローズアップ。

そう言えば、このモデルでは既に現在のツーリングカーやバギーモデルにもつながるスクリューピン式のサスアーム固定方法が採用されていますね。 この方式には実に20年の実績があるわけですね。すげ〜。・・・てことは今ならステンレスサスシャフトでのチューニングもできるってことか・・・ 。チタンビスとかも盛り込んで現代風にチューン、ってのも面白そう!?
ウイングなんですが、実はここにも「一発モノ」の面白いアイデアが。

この装着方法がソレ。ウイングの裏側にキャッチピンの止め具があって、ウイングに切り欠きを設けて上から差し込む方式なんです。
上の写真と合わせてよく見てくださいね〜。 結構ナイスな方法だと思うんですが、これっきりで、後のモデルで採用されたことはないハズ。もったいない。





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