(posted on July 25, 2006)
(updated on May 11, 2024)>
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マツダ787B 完成ボディ仕様 (2)





ギヤ比表

では次に、シャシーの各部をご紹介していきましょう。以前から紹介していた「ベンツC11」の内容と カブる部分もありますが、あちらはバラパーツから組み上げて相当にチューニングが入った仕様、こちらは 逆にほとんどの部分を復刻版キットから組み上げた、ほぼ「素組み」の仕様ですので、細部の違いを 見比べていただけたらと思います。

・・・と言っておいて何なんですが、フロントサスアーム間のたわみを防ぐFRP製ブリッジ部品に、思いっきり フェラーリのエンブレムが・・・(苦笑)。写真撮影後にすぐ「いつものカラーのボディ」を装着して走行用に回してしまう予定だったため、 ついつい、先取りしてしまって・・・。マツダボディにはなんともチグハグな姿でしたね。撮影前に裏返しておくとかしておけばよかったですね。 まぁ「都合により」ということで見なかったことにしてください(笑)。もちろんキット標準ではこんなシールを貼る指定はありません。
Cカーシャシーのデザインには、80年代半ばの 「ポルシェ956」(バンパー回り)や80年代後半のバギー(バスタブ設計)、 ロードウィザード系の第3世代F1シャシー(サスペンション&ギヤボックス回り)などの設計資産が色濃く反映されています。 その結果、従来のタミヤキットと比べると、かなり設計が手馴れた印象です。そういえばタミヤのオンロードモデルで ボールデフを初めて採用したのはF101/Cカーシャシーだったんですよね。これでようやく、タミヤのDDオンロードシャシーの設計も 「世界水準」にかなり近づいたわけです。既にその当時、1/12の世界ではカーボンシャシーやTバーのボールコネクト、 フリクションパッドの装備が当たり前になってはいましたけど・・・。これらがタミヤで実現するには1992〜95年まで待たなければ なりませんでした。
バンパーについては、ポリーカーボネート製ボディを採用した「レーシングマスター」シリーズから徐々に考え方が 変わってきて、その第5弾(Mk.5)以降、つまり 「ポルシェ956/トムス84C」の系列で完全に、 「ボディの反発力でショックを吸収するのでバンパーは事実上必要ない」という、現在主流のコンセプトに切り替わりました。 ご覧のように、「シャシー先端のカバー兼ボディマウントステー」として機能しているだけで、衝突の際に最初に衝撃で変形するのは あくまでボディということになっています。バンパーが突き出てないほうが「見た目」上もカッコいいですけど、 当時この「パラダイムシフト」に慣れるまでは、どうにも不安があったことも確かです。
アップライトの横に通っている支柱は、上下サスアーム部品を締結するビスが通っていますが、同時に、 アップライトが過度の舵角を取って内側に巻き込んでしまわないためのストッパーの機能も与えられています。 実に機能的な設計です。
アップライトにバネを仕込んでサスペンション効果を持たせる設計は、「ポルシェ956」から受け継いできている ものですが、バネについては、「ロードウィザード」系F1で見直され、さらにF101/Cカーで再設計されて、現在に至っています。 F103 になって、ソフト(銀)とハード(黒)の中間的なバネレートを持つ「ミディアム(金)」が新たに追加されましたが、 ソフトとハードは基本的にF101/2/Cカーと共通と考えていいバネでした (厳密には別のspパーツとして売られ、微妙に長さも違ってたハズですが、ヘタリで分からなくなってしまう程度なので 無視できる範囲のものです)。
取り説では、サーボセーバーのホーンを「下向き」に取り付けてサーボをキット付属の樹脂製サーボステーで高い位置に掲げるのが指定で、 これに合わせてピロボールもアップライトの「下側」に取るのが標準です(ポルシェ956と同じ)。 穴位置は外側だと舵角不足の問題が出るので、 「内側」が指定でした。作例ではサーボを低くマウントし、サーボセーバーを取り説指示とは上下逆にしているので、 ピロボールも上下逆に組んでいます。そうしないと、ステアリングを切った際のステアリングロッドの角度の関係で、 シャシーロールとともにステアリングが余計に切れてしまう、いわゆる「バンプイン」現象が生じ、ステアリングの初期反応が 鋭くなり過ぎるからです。


また、F101/2/Cカーでは、「左右のステアリングロッド長の対称性」よりも「サーボ搭載位置の対称性」のほうに着目された 設計となっており、結果的に左右のステアリングの切れ方が微妙にチグハグになる要因を作っていました。写真ではデジタルミニサーボの フタバS9650を使っていますので、搭載位置がやや左に寄っていますが、フルサイズのサーボを使うと、ほぼ左右対称のレイアウトになる 設計です。


もっとも、左右の ステアリング特性に関しては、サーボロッドの非対称性よりも、モータートルクの影響のほうがはるかに大きく、 モーターポッドをオフセットしてモーターの
回転部分の中央が厳密にシャシー中心線に来るよう設計した「F103」シャシーでも デフ位置のオフセットに起因する「左巻き」現象は消えてませんし。ステアリングの問題は「見た目」ほど深刻なものではなく、 ほとんど「気持ち」のレベルです。サーボが真ん中にあるのと、ロッドが左右対称なのと、どっちがスッキリするか?という。

「ベンツC11」の作例では、サーボ動作角を減らして動作速度アップを図るため、取り説では指定されていない、大きいほうの サーボホーンを採用し、アッパーサブフレームと干渉するので干渉する部分を削った、という話をしましたが、取り説どおり、 小さいほうのサーボホーンで組むと、ご覧のとおり、サーボロッドとアッパーサブフレームの干渉はありません。


S9650でタミヤのダイレクトサーボセーバーを使うときはいつもそうなんですが、サーボケースの厚みが足りないので、 若干「ゲタ」を履かせて、サーボセーバーとシャシーの干渉を避ける必要があります。今回は3mm厚のスペーサーで 帳尻を合わせました。高さ的にはサーボロッドが水平になるくらいの高さで、丁度いい按配です。 (サーボホーンが動くと、ホーン側のロッドエンドが下がり、ロールでアウト側のアップライトのピロボール位置は 上がるので、舵角が減る動作となり、ステアリングの切り込み時の挙動が穏やかになり、 フロントに一段とグリップの高いタイヤが使えるため)

サーボの固定は両面テープではなく、サーボの耳に直接ネジ止めしています。
フロントサブフレームとメインバスタブの間には、ホイールベースを270mmないし280mmに延長する場合に 写真の「ゲタ」を追加してクラッシュ時のサブフレームへの衝撃を緩和するようになっています。 (270mmの時と280mmの時とで装着の表裏が逆になります)

ちなみに、このゲタがあるために、通常のサーボはFRPフレームに直付けできません(ゲタが邪魔)。だから 取り説ではゲタを回避する高さにサーボステーで吊り上げた形での装着を指示しているわけです。 ローハイトミニサーボのS9650にはそうした問題はありませんので比較的自由にレイアウトできます。
クラッシュ時には、進行方向に衝撃が加わるわけですが、このゲタがあると、 バンパーからFRPフレームに伝わった衝撃がそのままバスタブに伝わる格好になるので、かなり効果的に サブフレーム締結部の破損を防止します。ちなみに筆者は、コレを付けてなかったために、 貴重な4mmチタンビスをクラッシュで簡単に曲げてしまったことがあります。バカにしないで、ちゃんと付けておきましょうね〜!
ちなみに、バスタブとフロントサブフレームは段差を付けて組み付けられていますが、この「段差」は フレームの取り付けビスにスペーサーを噛ませることで実現しているため、 上下入れ替えることが可能で、これによって5mm程度の車軸位置の上げ下げを可能にしています。 Cカー用スポンジタイヤの未使用時の直径は65mm程度と、ナローサイズのツーリングカー用タイヤ並みに大きく、 55mm程度がレース走行用として標準と考えられているF1用タイヤとは、実に10mmも直径が異なります。 このため、Cカー用タイヤは写真の状態で使い、減ってきたりF1用タイヤを使う場合には上下のスペーサーを 入れ替えて車軸を下げると、ちょうど良い具合になるわけです。もちろん、性能的には、車軸を下げ 重心を落として小径タイヤを使うほうがベターですが、Cカーとしての「見た目」は、 かなりカッコ悪くなることを覚悟する必要があります(ベンツC11の作例参照)。




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