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さていよいよ、今回のチューニングの核心部分に触れていきましょう。まずはパワーソース系。 バッテリーについては無改造なのでさておき、あとはアンプとモーターですが、アンプについては、制約が厳しい中で、今回、 あえて「攻めた作例」に手を染めてみました。具体的には、 @バッテリーコネクタコードの短縮、Aモーターコードの交換・ モーター直結・大径化(14ゲージを採用)、Bキャパシタ追加、を実施しました。いずれも 1/10では当たり前に行なわれていることですが、タムテックギアクラスでは全員が同じアンプを使います。 果たして、モーター直結やコードの短縮・交換が認められるのか。規定には、「セット標準のアンプを使用」とは 書いてありますが、「アンプは無改造」とは書いていません。これをどう解釈するか。 <ご注意> 07年1月以降、RCメカの指定が厳格化され、「セット標準」とされた場合はハンダ付け含めてアンプは一切無改造、 だそうです。キャパシタもたぶんダメ。もちろん受信機もセットのまま。「サーボ・アンプ自由」の場合はVFS1でも何でもどうぞ、ってことで。 以下のコメントは、あくまで「執筆時点での話」とお考えください。 |
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実はレース直前まで、どうしようか迷ったのですが、結局今回は、悪魔に魂を売ってしまいました(苦笑)。
「ダメなら買い直せばいいや」ということで・・・。 実際のところ、車検はすんなりとパス。車検受付付けは終了間際だったので、オフィシャルに全体の感触を聞いてみたところ、 「もっとスゴいことやってくる人がいるかなと思ってたが、案外みなさんノーマルですね」とのことでした。 自分的には、やり残しがあるとすれば、アンプ側のバッテリーコネクターの 線をもっと太いシリコンコードに交換するくらいでしょうか。とりえず、その程度ならば問題なさそうです。 FET交換なんてのは私にはムリですし、そこまでやっちゃうのは、あからさまに反則ですしね! |
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FET変更は反則ですがキャパシタ追加は特にお咎めなしでした。サードパーティーの最新Ni-MHやリチウムポリマー電池
に比べると、タミヤ純正バッテリーはいかにも貧弱なので、キャパシタ追加は平均放電電圧のアップに効果的と見ました。
実際にどの程度の違いがあったかはデータ不足で現時点では判断付きませんが、
ピニオンをメいっぱい上げてもゼロ発進加速は全然鈍らなかったので、
一定の効果はあったと思います。 ところで最近は、アンプ用キャパシタは容量が大きくなる一方で、気が付けば手ごろな小型のものが 全然見当たらなくなってしまいました。タムテックギアに2000uFといったキャパシタはデカ過ぎです。 小さくて軽いほうが吉。仕方がないので、RC用に適当なスペックを みつくろってパナソニックから調達。とりあえず余裕を見て1000uFを付けてみました。 最新技術で小型ハイレスポンス化されているので、1000uFでもこんなにコンパクトです。 |
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とはいえ、さすがに1000はタムテックギアにはオーバースペックっぽいです。サイズ的にも、取り付け方によっては ボディと干渉します。そこで、よりコンパクトな470uF品も用意し、 「RCTオンライン頒布コーナー」 にて希望者にお分けしています。1/10の瞬間ノーコン防止等にも重宝しますのでどうぞお試しあれ! | |
作例では、モーターコード長を最適化するため、アンプをセット標準のタテ積みからヨコ積みに変更しています。 キャパシタサイズはまさにギリギリで、狙ったわけじゃないんですがたまたまフロッグボディの窓枠のへこみに上手く 収まりました。こんな感じなのでタムテックギアには470uF がお勧めですね。性能的にはもちろん1000uFのほうが期待できますけど・・・。 | |
コード類は、いったん全部ハンダを外した上で、必要最低限の長さに詰めて再度取り付けています。モーター用のターミナルは、
外して基板にコード直ハンダでも良かったんですが、抵抗としてはほとんど変わらないと判断。14ゲージコードを直付けしようとすると、
ちょっとこのアンプには太過ぎることもあり、スマートさには欠けますがターミナルを残しました。 キャパシタはFETをまたいでバッテリー側のターミナルに直結。 |
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基板には極性のマーキングがあるので、ちゃんと見てれば間違うことはないでしょう。
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ここでちょっとトリビア。 タムテックギア用アンプ(TEU-102BK)のケースを外すと、裏側にこのようなマーキングが。もちろん、コレは製造年月の記録です。 上が月、下が年度で、「06年1月製」であることを示しています。さてアナタの102BKは何月生まれ? 06年3月末発売、とはいっても船でフィリピンから運ぶ時間も かかるし、かの地では既に1月にはフル生産してた、ってことなんでしょうね。いや〜モノ作りってホント大変。 |
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モーターコードの配線はこんな感じ。 見切りをしくじり、ちょっと短すぎて余裕がありません。何とか無理やり間に合わせましたが・・・。 |
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さて次は足回りのチューニング。 まず問答無用でお勧めするのがオイルダンパー(Item 40513、税別6,600円)。 2駆バギーは「荷重移動」が走りをキメるキーポイントなので、 オイル粘度で荷重移動(ロール)スピードをキメ細かく設定できるオイルダンパーが必須になってきます。 非常に高価なoptですから、遊び用ならば特に必要ないと思います(ドレスアップは別)。 セット標準の樹脂製ダンパーにアンチウエアグリスを塗布すれば、ある程度の ダンピング効果は得られます。普段はコレで間に合うでしょう。 ただ、タミヤGPでは、1/10バギーでも飛び損ねると壊れるくらいの ビッグジャンプや、コーナーマーカーによるウォッシュボードなどが設定されることがあります。 こういうハードな走行条件では、ちゃんとしたダンパーを付けないと、 路面からの突き上げをうまく吸収してくれません。 |
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GB-01シャシーでは、フロントとリヤではダンパー長が違います(ただし、バネ長は前後共通)。 インナースペーサーの長さでダンパー長を作り分けているのは従来のCVAダンパーなんかと同じです。 | |
オイルは標準品として400番(黄)が同梱されていますが、オイル漏れを考慮してか、
ダンパーのシールがキツめです。このまま素直に標準のオイルを入れてしまうと、
軽量なGB-01シャシーに対してはダンパー動作がかなり渋い設定になってしまいます。
そこで、400番を入れるのはリヤ側だけにして、フロントはメいっぱい動作を軽くするため、
optで一番軽い
200番(赤)を入れました(写真は都合によりミニボトルに詰め替えてあります)。 タミヤ純正にコダわらないなら、市販で一番柔らかいのはアソシで100番、150番と出ていますから、それがいいと思います。 ただし水みたいなもんですから漏れも激しいはず。そういう場合はダンパーを逆さに付けるのもアリかも。バネ下重量が増えるので 通常はやりませんが、メンテサイクルを減らす「奥の手」として・・・。 |
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ちなみにダンパーオイルの「粘度」というのは水を1としてその何倍かで示したものです。ご存知でしたか? さてダンパーセッティングはオイルだけじゃありません。影響としてはもちろん「バネ」のほうが大きいです。 オイルダンパーは買わなくても、optのバネ(Item 40501、税別800円)は絶対に買いましょう。そして、まずは リヤスプリングをハードに交換しましょう。リヤグリップがグッと増えますし、リヤが踏ん張ってフロントタイヤが しっかり接地するため、かえって良く曲がるようになります。リヤスプリングはハードでキマリ、 です。 これに対し、フロントをソフトにすると、ピクピク過ぎて操縦が難しくなるくらいまでなります。 今回のレースでも、フロントバネをミディアム(セット標準)にするか、ソフトにするかで悩みましたが、 練習走行の結果を踏まえて、ミディアムをチョイス。ベストラップ狙いならソフトのほうが速かったんですが、不安定だし、 予選は2分間の周回数形式で「ミスしたら負け」だったので、リスクを避けました。 |
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ところで、取り説指定のダンパー長のままでは、
「ストロークが短すぎる」という問題が出てきます。タミヤGPのジャンプ台は基本的に1/10用なので、1/16クラスのGB-01には
ちとキツいです。ですからサスストロークには多少の余裕を持たせたほうが吉です(ヤリ過ぎはダメ)。
ストロークが足りないと、シャシーが「ビターン!」と腹打ちしてシャシーやRCメカの破損にもつながりかねません
(実際、デザートゲイターでクリスタル割っちゃったことあるので)。 というわけで、フロント側のインナースペーサーは取り説指定通りではなく、Oリングと3mmワッシャーを組み合わせて 取り説指定よりもダンパー長を2mm程度延ばしています。サスアーム側の取り付け位置は、とりあえずセット標準と同じく「一番外側」 です。取り付けを内側にすると、より柔らかくホイールストロークも増す方向ですが、オンロード前提なのでそこまでは要らないかと。 |
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リヤに関しては、セット標準通りに組んでいます。取り付け位置もあれこれ検討した結果、セット標準位置と同じに
落ち着きました。一番堅くしようと思えばアッパー側の取り付けを外側にすれば良いんですが、ハードバネに交換したので、
そこまで必要ありませんでした。
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こういうスモールスケールのRCカーでは、サスペンションのリバウンドストロークというのは
「あってないようなもの」です。「ガタ」で生じる程度のものがあれば間に合います。
従って、写真の1G荷重の状態は、ほぼ0G荷重と変わらないと考えていただいて結構です。 |
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セット標準状態と比べると、フロント車高が上がってシャシーがほぼ水平状態になっていることが分かります。 前傾姿勢がなくなると、実質的なキャスター角が増えます(というか設計どおりに戻る)が、「あのタイヤ形状」なので、 キャスター角がタイヤの接地面積(タイヤ面圧変化)に影響することはほとんどないですから、 気にしない気にしない。むしろ直進安定性が上がるという観点からは良かったりして。 確かに、「前傾」だと「見た目」はカッコいいんですけど、先述のとおりストローク不足気味なので、ジャンプ着地後に フロント回りを破損するリスクが高まります。ここは「見た目」より安全性を取ったほうがいいかな、と。 |
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正面から比較すると、サスアームの角度が随分違うことが分かります。 前後のキャンバー角は一切いじっていません。セット標準のままです。いろいろ考えましたが、 結局、このタイヤにはこの設定がベストな感じですね。タイヤ変更したら変わると思いますが・・・。 |
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「見た目」のカッコはコッチのほうが断然イイんですけどね・・・。
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