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ところで、GB-01を手にしたときから、ちょっと気になっていたのがフロント回りのアライメントです。
今回のレース出走を機に、ちょっと見直してみました。
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実物を手にするまでは分からなかったし、これだけ良く練られた設計だから「まさか!」とは思ったのですが、
実際にステアリングを切ってみると、写真のとおり、アッカーマン設定にやや問題あり
ということが判明。 写真のように、アウト側がより多く切れる設定だと、内輪差の関係でイン側のタイヤの進行方向がアウト側のタイヤに対して 突っ張る形になり、タイヤがロスする運動エネルギーが増えてコーナリング中の失速が大きくなってしまいます (つまり、コーナーで遅くなる)。 特に、GB-01は、90年代以降に定着した2WDバギー設計の セオリーを踏まえ、フロント全幅のほうがリヤよりもむしろ大きいくらい、フロントのワイドトレッドが目立つ設計なので、 アッカーマンの影響はかなり大きく出ると見ました。 |
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恐らく、設計段階では、ロールの発生を加味してアッカーマンを設定していたのだろうと思います。
ご覧のとおり、ロールを仮定してサスアーム位置を設定すると、アッカーマンは概ね適切な状態になりますから。 しかし、実際に走行させれば、アウト側のサスアームがフルバンプするほどのロールは通常起こらない、いやむしろ ロールなんて皆無と言っていいくらいであることは一目瞭然です(RCT-TV のデモ映像を見てください)。ですから、ステアリングフィールををより自然なものにするためには、 ロールしていない状態でのアッカーマンを適正化する必要がある、というわけです。 |
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まぁ、どこまで「修正」できるかは分かりませんでしたが、とりあえず思いつく部分として、まず手をつけたのが
ステアリングワイパーのピロボール取り付け位置。ピロボールのネジ長の問題もあるのであまり劇的に変えることはできませんが、
ツーリングカーのサスシャフト用の3mmアルミカラーを使い、1mm程度位置を後ろにズラしてみました。
イン側タイヤの切れ角を増やすのが狙いです。 これだけでは足りなかったので、後で、アップライト側ピロボールにも同じカラーを追加しました。こちらはバンプ時にアップライトがトーアウトに 向かおうとするジオメトリ(俗にいうバンプアウト)を強めるのが狙いで、ロール量が少ない状態で適正なアッカーマンが得られることを 狙ったものです(写真は撮ってません)。 |
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次に、どうにも気になっていたステアリングワイパー回りのガタの原因を探ろうと、
これまで手付かずだったフロント回りをバラしてみました。
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ステアリングワイパー(兼サーボセーバー)を直接触るためには、事実上、フロントセクションを完バラしなければなりません。 まず最初にサスピンを外さなければならないのですが、タムテックギア用のEリング外しなんて、ありません。 取り説にも何も説明がないので、どうしようかと思ったのですが、マイナスドライバーを押し付けるだけで、何とかうまく 外すことができました。コツを掴めば、案外、簡単です。 | |
ステアワイパー&サーボセーバーはこんな感じ
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ガタの最大の原因は何とコレ。サーボセーバーの反対側でステアワイパーを支持しているリンク部品です。 この支持部が「コの字」型になっているのですが、「コ」を作っている枠部品の剛性が弱く、トルクがかかると 開口部が開いてクリアランスが広がり、これがガタになるわけです。これはもう、素材の剛性問題なので、 アルミパーツとかで作り直しでもしない限り、どうしようもありません。optで出してくれませんかね〜。 | |
サスシャフトを外したついでに、optの強化タイプに交換しておくことにしました。 「ノーマルのサスシャフトはハードなジャンプをすると曲がりやすい」との評判だったので。 筆者は幸い、これまで曲げていませんが、optのサスシャフトでも、ヒドいクラッシュをすれば曲がるそうです (実際、そういうボヤキをネット上のカキコで見かけました)。 そういう意味では「気休め」に過ぎないのかも知れませんが、レースでリタイヤするリスクはなるべく減らしたいので、 交換しておくに越したことはありません。スペアを手元に置いておけばなお良し。 | |
リヤサスアームの分解に関しては、このように、フロント側から先に外すとうまくバラせます。サスピンホルダーは
シャシーに埋め込まれる形になるので、リヤサスピンにはEリングは使いません。
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ついでに、デフも調整しておきました。タムテックギアのボールデフは、TA-05などと同じように
ジョイントカップに内臓のキャップスクリューでバネを締め込んでいる構造です。
後ろから見て左側のジョイントカップに六角レンチを突っ込めば、簡単に効きが調整できます。 セット出荷状態では、緩みを考慮して、そこそこキツめに締め込み量が設定されているようで、このままレースに出てしまうと ボールデフが渋いことに起因する「アンダーオーバー」(進入はアンダーだけどパワーオンでオーバーが出る) の傾向が強くなってしまいます。これを解消するには、もっとデフを緩めてやらないといけません。 作例では、当初、2回転半くらい緩めました。しかし、走行を重ねるとだんだんデフプレートが馴染んで 緩くなってきたので締め戻したところ、結局、セット標準から1回転緩めくらいのところで落ち着きました。 ご参考になれば。 |
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サスピンホルダーの裏側はこんな感じ
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リヤ用のサスピンには、ご覧のように中央部に線が入っています。フロント用と区別しましょう。
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以上で今回の仕様の説明はおしまいです。レース参加の際の参考になれば幸いです。 なお、純正optやサードパーティーからアルミ製ピロボールやターンバックルシャフトが売られていますが、 これは「ドレスアップ」目的と割り切るべきです。性能アップはほとんど期待できません。 ミニッツレーサーを見れば分かるように、モデルサイズが小さくなると、同じ素材を使っても相対的な強度が 大きくなるため、軽量なデザインが可能になります。つまり、スチールや樹脂でも軽量かつ十分な強度を出せるようになるので、 わざわざ軽量・高剛性な素材に置換しても効果が薄くなるのです。 実際、アルミ六角ハブのように、(精度と剛性は若干、良さげですが) 樹脂製よりむしろ重くなりかねないパーツもあるので、「性能アップ」を考えるなら、くれぐれも注意しましょうね。 |
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タムテックギアには、手軽さゆえに人それぞれの楽しみ方があると思います。レースだけじゃなく、 自由な発想でいろいろ楽しんでください〜!何かアイデアあったらぜひRCTにも お便りください。ではまた! |