「タミヤGP全日本選手権(東京大会)TRFチャレンジクラス」への出場を目指して この間に追加されたオプションや改良パーツを踏まえながら、 前ページでご紹介したマシンを一段と進化させ、上位進出を狙います。 残念ながら、筆者のヘタレ腕ではとてもTRFクラスで世界戦の代表権なんて期待できませんが、 少なくとも予選突破&同仕様で争うGT1クラスでの上位3位以内に相当するタイム記録くらいは 狙っていきたいところです。さあ、果たしてどうなるでしょうか!? (10/28/2003追加)結果報告です。ベストタイムは「10秒85」でした。 これはTRFチャレンジクラス予選10位(TQタイム10秒26)、 GT1クラスでは5位の方が10秒86でしたので、これを上回る「5位相当」でした(TQは10秒66)。 さすがに全日本(世界戦予選)だけに強豪揃い、当初の目標にはやや届きませんでしたが、 一応、GT1のAメインでトップ争いが十分可能なタイムは残しましたから、 「TT-01じゃ勝負にならない」なんて、もう言わせないぞっ!(笑)。 前後ギヤデフのフルタイム四駆、樹脂製センターシャフト&ステアワイパー、スタビなしなど ほぼストック状態のTT-01がこれだけのタイムを刻むとは、誰も期待してなかったと思います。 しかし実は、筆者よりもっと上手い人がチャレンジすれば、もっといいタイムも出たハズなのです。 論より証拠、いかに筆者の運転がヘタレ&TT-01の走りが素晴らかったか、見ておくんなまし! ちなみに他のドライバーは当然のようにEvo3ないしTA-04/TRF414でした(比率は4:1くらいかな) 予選第2ヒートの模様(mpeg1形式 23.3Mバイト) (ナローバンドユーザーの方はRealVideo形式でどうぞ(6.4Mバイト)) (右クリックでダウンロードしてください) |
さて冒頭からものすごい文章量と毒舌になってしまいましたが、いよいよ作例紹介に入っていきましょう。 まず、基本的なチューニングの考え方ですが、現在のTT-01は、まだトーインリヤアップライトが出ておらず、ノーマルのリヤトーインは0度なので、本質的にリヤの安定性が低く、ピクピクのハンドリング特性を持っています。そこで、キット標準で既にややリヤ荷重気味の重量配分になっているわけですが、このせいでリヤのバネが腰砕け気味になるのでリヤ側のバネを強化します。また、リヤ荷重気味とはいえ、まだまだ絶対的なリヤグリップはEvo3にはかないませんし、フロントのグリップを相対的に落とすため、さらに重心を後ろ寄りにします。 |
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以上は「前後方向」の重心についてでしたが、もうひとつ、「上下方向」の重心にも今回は一段と注意を払いました。前回の作例では、車高設定はかなりいい加減で、結果、後で測ったら最低地上高はリヤで7〜8mmもありました。ありゃりゃりゃ。今回は時間もあったのでバッチリ車高を合わせるとともに(前4.5mm、後5mm)、ダンパーの長さ、リバウンド量、オイル選択などについても前回のレースでの結果を踏まえて値を決めています。さらに、メカ搭載の低重心化も促進し、バスタブより上にあるのはバッテリーコネクターとモーター&ヒートシンクのみ という、Evo3もビックリの超ロープロファイル化を実現。軽量NSX2002ボディ込みの車重も、ヒートシンク込みで1405gと激しくカツカツレベルに仕上げました。 | |
本当はバラセルスロットを切り落とし、バッテリー底部をシャシー底面まで下げる案もあったのですが、熟慮の末、今回は見送りました。横方向に相当の補強をしないと、リブを失ったバスタブ側面がグラステープ止めの引っ張り強度に負けてシナってしまうことが予想されるためです。また、シャシー左右の剛性があまりに偏ってしまう悪影響も懸念されます。コレをやれば360gもの重りが2mmも下がるので、運動性能が一段とアップするのですが・・・来年の課題かな? | |
<2>TGS用強化パーツの組み込み (Fアップライト、前後バルクヘッド&サスピンホルダー) バスタブ側サスピンホルダー&サスボールを削ってTGS用アップライトとバルクカバーを装着する話は、既にラリークラス仕様のページでご紹介したとおり。ラリー仕様車のときは初めての加工だったので丁寧にやりましたが、今回は「慣れ」もあって、かなり荒い仕上げ。このため、ややガタが増えてしまいました。直進性が多少悪くなったようです。ただ逆に、かなりガバガバに穴を広げてしまっても、組み上げてしまうとさほど問題がないことも確認できました。要するに、いくらガバガバに個別の穴を広げても、偏芯していると組み上げた後の動作は渋いままなのです。「組み上げた後でもスムーズに動くか?」という点に着目して削りましょう。 |
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<3>ダンパーの見直し 前回、「スーパーノーフリクションダンパー」なんてふざけたことをホザいていたダンパーですが、さすがにサスアームの動きが本来あるべきスルスル状態になると、無視してもいられません(当たり前か(^_^;)。サスアームの動きがスルスルになると、いかにダンパーオイルが重要になるか、というのは先に出走したラリークラス@こどもの国でのマシン挙動(常にピコピコ跳ねまくり)でも証明されてますので、ここは素直にキチッとしたダンパーを組み込みました。 まず、フロントについては、前回のTRFダンパー仕様ではあまりにも縮み側のストロークが不足でしたので、わずかでも縮み側を稼げるよう、CVAスーパーミニを採用しました。 |
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写真は左からCVAスーパーミニ、TRF、CVAミニのシリンダーです。スーパーミニとTRFのシリンダー長の違い、ご覧のとおりほんのわずかなんですが、これでもサスストロークに換算すると1mmくらいは縮み側が増えます。車高を0.1mm単位で考え、サスストロークがたかだか20mm程度しかない、という中では、この違いは意味があります。 また、プラ製のCVAはアルミシリンダーのスーパーローフリ/TRFダンパーよりシリンダー重量が若干軽いのも魅力ですよね。まあ1、2gの違いなんですけど。 考え方の問題なんですが、ダンパーを一見、スペックダウンしているように見えるこの変更も、実際のところは何ら問題はありません。もちろん、精度の面ではTRFダンパーのほうがいいに決まっているのですが、ダンパー自身のフリクションの面ではCVAのほうがもともと優れたものがあります。 |
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また、今回のように、車高設定やサスストロークが絡んでくる場合、総合的に判断すると必ずしもTRFダンパーがベストとは言えないわけです。精度がすべてじゃないですからね。 ただし、ピストンとシリンダーのクリアランスがTRFダンパーとCVAでは大きく異なりますから、封入するオイルの粘度には注意が必要です。作例では、フロントにop.630 TRFダンパー用ショート(ソフト)バネを使用し、対応するオイルとして900番を入れてあります。ピストンは2穴。従来のテフロン2穴ピストンでおおよそ400番相当、TRFフッ素タイプから標準となったテフロン3穴ピストンだと600番相当くらいの固さです。 なお、ダイヤフラム内部には、TRFダンパーに付属の赤いスポンジを1個ずつ封入してあります。CVAはTRFよりダイヤフラムの空気量が多いし、それ自身空気を多く含む「スポンジ」なので、「気持ちパッツン」という味付けです。 |
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リヤダンパーも、TRFではなく、あえてスーパーローフリに変更しています。これはもっぱら「見た目」の問題で、リヤダンパーだけ色が違うのもどうかな、というだけのことです。ホントはCVAスーパーミニのほうが良かったのですが、新たに買うより余りもの活用ということで、96年頃に限定で出たブラックガンメタ色のスーパーローフリを再利用。前回作例のTRFダンパーでも、あまりにダンパー長に余裕がなくてネジ式アウタースペーサーが使えず、やむなくCVA用のアウタースペーサーを使っていたので、今回の変更で特にダンパー調整が面倒になったわけではありません。 | |
なお、バネはタミヤのバネ中、2番目に硬いop.635「スーパーハード」をとりあえず装着(実走行ではさらに固めてop.636ウルトラハードを使用)、オイルはバネに合わせて2穴600番、ダイヤフラムにOリング1個の「並パッツン」としています。実はop.635、636とも、従来のTA-04用optスプリングより縮みが少なくなる分を考慮したのでしょうか、スプリング長が1mm強、短くなっています。でも、車高を前回より3mmも下げたので、今回は「アウタースペーサーなし」でちょうど良い車高を得ています。あ、そうそう、インナースペーサーはフロントが4mm、リヤがOリング4個+ネジ用の3mmワッシャー1枚ですが、従来のローフリ系標準長のダンパーシャフトでの値なのでご注意(フッ素コートTRF以降ダンパーシャフトが短くなりました)。リバウンドは前後とも3mmと十分に確保しています。Evo3よろしく、超低重心であまりロールしないクルマですから、リバウンドに過度に神経質にならなくて大丈夫。心配なら多めにしとけばとりあえずオッケー! |