posted on Oct 21, 2003
(updated on Apr 12, 2004)
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TT-01・RCTチューン<タミヤGP編PART2>


このページでは、2003年10月26日に浅草・ROX3で行われる
「タミヤGP全日本選手権(東京大会)TRFチャレンジクラス」への出場を目指して
この間に追加されたオプションや改良パーツを踏まえながら、
前ページでご紹介したマシンを一段と進化させ、上位進出を狙います。
残念ながら、筆者のヘタレ腕ではとてもTRFクラスで世界戦の代表権なんて期待できませんが、
少なくとも予選突破&同仕様で争うGT1クラスでの上位3位以内に相当するタイム記録くらいは
狙っていきたいところです。さあ、果たしてどうなるでしょうか!?

(10/28/2003追加)結果報告です。ベストタイムは「10秒85」でした。
これはTRFチャレンジクラス予選10位(TQタイム10秒26)、
GT1クラスでは5位の方が10秒86でしたので、これを上回る「5位相当」でした(TQは10秒66)。
さすがに全日本(世界戦予選)だけに強豪揃い、当初の目標にはやや届きませんでしたが、
一応、GT1のAメインでトップ争いが十分可能なタイムは残しましたから、

「TT-01じゃ勝負にならない」なんて、もう言わせないぞっ!(笑)。

前後ギヤデフのフルタイム四駆、樹脂製センターシャフト&ステアワイパー、スタビなしなど
ほぼストック状態のTT-01がこれだけのタイムを刻むとは、誰も期待してなかったと思います。
しかし実は、筆者よりもっと上手い人がチャレンジすれば、もっといいタイムも出たハズなのです。
論より証拠、いかに筆者の運転がヘタレ&TT-01の走りが素晴らかったか、見ておくんなまし!
ちなみに他のドライバーは当然のようにEvo3ないしTA-04/TRF414でした(比率は4:1くらいかな)
予選第2ヒートの模様(mpeg1形式 23.3Mバイト)
(ナローバンドユーザーの方はRealVideo形式でどうぞ(6.4Mバイト))
(右クリックでダウンロードしてください)





<写真をクリックすると拡大します>
「秋の3大都市決戦(?)」に向けて、TT-01ファンの皆様と知恵を分かち合おう、ということで、前回の反省とさらなる高みを目指す気持ちから取り組んでみるのが今回の仕様です。「3大都市決戦」直後の10月末にトーインリヤアップライトとアルミステアワイパー、調整式アッパーアームが出てしまうことが分かっていますので、ここでの仕様は文字通りの「一発花火」となってしまいます。念のため。
なお今回は、TRFチャレンジャーの名に恥じない「究極のカツカツ仕様」を目指しましたので、ちょっとカネや手間がかかる部分が出てきますけれどもご勘弁。

今回の改良点は以下のとおりです。
(1)optパーツの組み込み
(2)TGS用強化パーツの組み込み(Fアップライト、前後バルクヘッド&サスピンホルダー)
(3)フロントダンパーの自由度アップ(CVAスーパーミニの採用)
(4)RCメカのハイレスポンス化(RCメカ換装)
(5)冷却効率の改善(モーターヒートシンク追加)
(6)重量バランスの改善と軽量化(バラスト搭載方法の見直し)
(7)一層の軽量化(グラステープ止めの標準化など)

その他、軽量MR-Sボディによるショートホイールベースの採用も検討しましたが、ショートホイールベース仕様に対応した、新金型によるリヤサスアーム部品が入手できなかったため、今回は見送りました。
以上、個別に解説していきます。


<1>optパーツの組み込み
03年春の静岡ホビーショーで暫定フルopt仕様のTT-01が参考出品され、これをベースに各種オプション(opt)パーツが発売されています。しかし、全部組み込めばいいのか?というと、コレは全く筋違いだと思います。もちろん、optは「何かを変える」ためのものですから、交換すれば「何かが変わる」ことは間違いありません。しかし、それを短絡的に「性能アップ」と捉えては大間違いのモト。

RCTが常に主張しているとおり、「速いクルマ」というのは「一点豪華主義」では成立しません。近年の成熟化・高度化したツーリングカーレースでは、実車と同様、細かなトータルバランス(パッケージング)が非常に重要です。では、ここでいう「トータルバランス」とは何か? ズバリ、「強度(剛性)」「重量」「コスト(価格)」「運動性能」、この4点のバランスよいチューニングです。これは特にTT-01のような入門用シャシーでは重要です。コストに糸目をつけず、最高の強度・重量・運動性能を求めるなら、最初から素直にEvo3を買えばいいわけです。あえて安いTTを使うのに、盲目的にoptてんこ盛りした結果、クルマは重くなり、コストも上がり、強度はあんまり変わらない、となったら、喜ぶのは商売してる側だけじゃん、と。

もちろん、「クルマいじりを楽しむ」という意味でのフルopt化まで否定しているわけではありません。それはそれで楽しいですからご自由にどうぞ! でも、このページは、あくまで「タミヤGPで勝てるTT」作りが目的ですので、ムリ・ムダ・ムラは徹底的に排除しなければなりません。また、作例として、各パーツのコストパフォーマンスにも常に目を配っています。「意味なし」「ムダ」と判断されるoptはあえて採用しない、というのが正しい選択となるわけです。タミヤGPが前提でなく、車重1500g規定のレースであれば、optの判断について当ページと異なる意見も出てくるでしょうが、optテンコ盛りで全体として重くなるより、クルマを軽く仕上げたうえでバラストで調整したほうが、重心が低くなるしマスも集中できてベターですから、余計なものを使うべきでない事に変わりはありません。

具体的に、現在出ているTT-01用ホップアップオプションをRCT的に評価すると、次のように分類できます。

<レース走行以前に必須>
op. TT-01ボールベアリングセット 円
op.664 アルミヒートシンクセット 750円


<レース走行には必要>
op.662 TT-01ターンバックルタイロッドセット 450円
フロントサスストロークの増加とトー角調整ができるようになるので有効です。 ただ、シャフトは9月に限定発売のアルミターンバックル(チタンより更に軽い)にしたほうが重量面では有利です。投資額の割に効果は薄いので余裕のある方だけどうぞ。ちなみに作例では、「黒」という色に惹かれたことと、余っていたという理由から、F-201用ターンバックルを流用しています(ピロボールはop.662と同一にして)。
op.665 TT-01スパーギヤセット(55T/58T) 600円
タミヤGPの指定ギヤ比が変わったので、必ず必要です。
op.671 TT-01フロントワンウェイセット 3800円(10月22日(水)発送)
コーナーへの進入・脱出が鋭くなるので、狭いコース、ハイグリップなコースで有効です。滑りやすいコース、広いコース、リヤアップライトがノーマルのまま、といったケースではノーマルデフで特に不満はないはずなので、あくまでセッティングの幅を広げる「オプション」として持っておくといいでしょう。高価ですけど、ROX3は狭いので、間に合えば今回の大会に投入するかも。でもピクピクになっちゃいそうですね。
op.670 アルミレーシングステアセット 2800円(10月22日(水)発送)
ステアリング回りのガタ取り、剛性アップで直進性、ハンドリング、耐クラッシュ性が改善しますが、TT-01の場合、他のシャシーほど「必須」というわけでもないです無理して買わなくても大丈夫。間に合えば今回の大会に投入するかも。
op.673 トーインリヤアップライト(TT-01・TGS) 900円(12月中旬発売予定)
コレが出ちゃうとセッティングやり直しですね。というくらい劇的にリヤグリップを高めるアイテム。「必須」といってもいいくらいですが、レースに出ないなら必ずしも必要ないのでここに挙げておきます。なお、リヤトーインアップライトを使う場合には、フロントのバネを1〜2段階固くすると走りの感触が良くなるでしょう。Fバネを変えないでアップライトだけ交換すると、リヤが勝ってアンダー出ちゃいますよ。TL-01と同じです。なお、前後のグリップバランス調整するならリヤのバネを柔らかくしても同じじゃん、と考えるかも知れませんが、そうすると立ち上がりでリヤサスが砕けてグリップダウンしてしまう方向になりますから得策ではありません。
<限定>軽量アルミサーボステー (ブルー/レッド) 9月17日発売済 \700 (Item 49320/49327)
軽い、という意味で発売されて間もないこちらをお勧めしておきますが、定番のアルミサーボステー(ショート)で十分です。作例でもあえて定番のショートタイプを使っています。

<特に必要なし>
op.620 TT-01 アルミプロペラシャフト 500円
op.672 TT-01カーボンアッパーフレーム(11月26日(水)発送 \1,500)
樹脂製のノーマルシャフトは、通常ローターで13ターン相当程度のスペックを持つダイナラン・スーパーツーリングで「バリバリ」と異常振動音を出すまでブン回しても破損しないことを確認していますから、23ターン程度なら余裕です(カラ回しには注意)。クラッシュしてもショックを吸収して復元するし。ジョイントカップの構造上、ピン抜けの心配はあまりありません。したがって、クラッシュ後の復元性が低く、重量も重くなるアルミ製シャフトをあえて使う理由はまったくありません。クラッシュの激しい人こそ、あえてノーマルを使うべき。そもそも、シャフトを異常振動させるような、3万回転とか回すモーターを使う人がTT-01じゃダメでしょ(笑)。異常振動を防ぎたければアルミシャフトですが、そもそも、異常振動が懸念されるような超高速走行ではワンクラッシュでシャフトが歪むでしょう。まさに「矛盾」です。今後、カーボンアッパーフレームの発売でクラッシュ即シャフト破損ということがなくなるとしても、アッパーフレームと合わせると、確実に15gは車重が増加します。これではあえてTT-01を使う意味がなくなりますよね。車重が限りなく1500gに近づいてもアッパーデッキ欲しいなら、素直にEvo3を使うべきです。1400gならTT-01のバスタブ剛性はノーマルで十分。
op.663 ボールデフセット(TT-01/TGS) 2800円
414/Evo3を出した後に出すボールデフじゃないでしょ! と言われても仕方ない、性能的に「退行」した構造と、素材選択による意図的?とも取れる重量過多で、まったく存在意義のない形で発売されてしまいました。「気分」を味わうにはいいかも知れませんが、これはハッキリ言って構造的には15年前のレベル(マンタレイと同じだもん)。414/Evo3と同じ構造を採用し、まともなアルミ合金を使えばもっと軽くていいモノがちゃんと設計できるのに、わざとこのようなモノを作ってきた。もちろんコストアップを避けたかった、耐久性を重視したかった、F201やEvo3で初心者がよくやる「キャップスクリューのネジをバカにしてしまうほどネジ込む」といったトラブルを避けたかった、という意図は汲み取れますが、キット標準とオプションの要求の違いを取り違えてないでしょうか。素材選択&構造マズ過ぎ。これじゃレースに使えん。安定的に効きが調整できて相対的に軽く仕上がるノーマルのギヤデフのほうがよっぽどマシ。ボールデフ欲しいならEvo3をどうぞ。
op.666 メタルモーターマウントセット 600円
「メタル」という表現がビミョ〜です。削ってませんが、たぶん鋳鉄でしょう。表面は塗装。これだけで22gもあります。 TT-01にハンデ付けるための陰謀としか思えない、タミヤRC史上最悪のオプションパーツと 断言します。取り付けもガタガタして収まり悪いし。純正の樹脂製マウントに断熱用のキット標準モータープレートとoptの アルミヒートシンクつけてれば、マウントが溶けることはまずないでしょうから購入する必要はまったくありません。 よくもこんなモノをいけしゃあしゃあとoptで出してきたもんだ(怒)。何考えてんだろ。素直にM-03/04ヒートシンクみたいな、 溶融アルミとかで作ってりゃあ評価は180度違ってたでしょうに。企画段階であれこれ余計なこと考えすぎたのでは?
op.683 カラーウレタンバンパーM(TT-01・TGS) 11月18日発送予定、300円
コレはレース向きではありません。ボディの種類に関わらず、RCT的なお薦めはsp.1019 ウレタンバンパーS(TT-01・TGS) (250円)です。理由は単純、一番小さくて軽いから。スポンジなんて不要、といいたいところですが、ないよりはあったほうがボディの痛み方が少ないので、一応、装着します、みたいな(笑)。
op.674 アジャスタブルアッパーアームセット(TT-01・TGS) 12月中旬発売予定、900円
調整の幅を広げる意味であってもいいとは思いますが、もともとキャンバー変化の少ないクルマですし、今はハイサイドしにくいミディアムナロータイヤが主流ですから、ノーマルのままで特に不満なし。ヘタに組んで左右のキャンバー角がバラつくくらいなら、ノーマルのままのほうがむしろ良かったりします。
スタビについては、04年4月27日発送でようやく
TT-01フロントスタビセット(ITEM 53694、1500円)
TT-01リヤスタビセット  (ITEM 53695、1500円)
として出てきましたが、特になくても問題ないでしょう。

実車のほうからRCに来た方によくありがちな誤解なんですが、「スタビがないとタイムが出ない(=遅い)」ということは、1/10RCカーでは決してありません。スタビの有無は、1/10RCカーのシャシー性能において「決定力」を持つファクターではないのです。確かに、ハイエンドモデルはスタビを必ず装備しています。「あったほうがいいと思うものはとりあえず全部用意する」という、レースカーとして当たり前なニーズを満たしているだけのことであって、「なければいけない」と思って装備しているケースはほとんどないです。ユーザーごとに、運転技術も路面条件も千差万別ですしね。そういうことを無視して、勝手な反対解釈として「ないからダメ」と捉える人が出てくるから、おかしくなるわけです。スタビレスのクルマを扱えば分かりますが、スタビなんてなくても、速い人は速いのです。

ヘタにスタビを付けちゃうと、ボールリンクのガタが酷くてサスストロークの途中から突然効き出したりするもんですから、セッティングが迷宮入りする原因にもなりやすいです。セッティングの迷いを減らすためにも、スタビは入門者には全くお奨めできません。


<その他:汎用optについて>
汎用optの組み込みについて、入門者ユーザーのために改めておさらいしておきます

(1)チタンビス:高価ですが、一層の軽量化には必要です
(2)ステンレスサスシャフト:現状ではTGX用、TL-01用などから流用します。軽量化&メンテナンスフリーに安くて効果絶大なので、ベアリングの次にお薦めしたいくらいです。


さて冒頭からものすごい文章量と毒舌になってしまいましたが、いよいよ作例紹介に入っていきましょう。
まず、基本的なチューニングの考え方ですが、現在のTT-01は、まだトーインリヤアップライトが出ておらず、ノーマルのリヤトーインは0度なので、本質的にリヤの安定性が低く、ピクピクのハンドリング特性を持っています。そこで、キット標準で既にややリヤ荷重気味の重量配分になっているわけですが、このせいでリヤのバネが腰砕け気味になるのでリヤ側のバネを強化します。また、リヤ荷重気味とはいえ、まだまだ絶対的なリヤグリップはEvo3にはかないませんし、フロントのグリップを相対的に落とすため、さらに重心を後ろ寄りにします。
以上は「前後方向」の重心についてでしたが、もうひとつ、「上下方向」の重心にも今回は一段と注意を払いました。前回の作例では、車高設定はかなりいい加減で、結果、後で測ったら最低地上高はリヤで7〜8mmもありました。ありゃりゃりゃ。今回は時間もあったのでバッチリ車高を合わせるとともに(前4.5mm、後5mm)、ダンパーの長さ、リバウンド量、オイル選択などについても前回のレースでの結果を踏まえて値を決めています。さらに、メカ搭載の低重心化も促進し、バスタブより上にあるのはバッテリーコネクターとモーター&ヒートシンクのみ という、Evo3もビックリの超ロープロファイル化を実現。軽量NSX2002ボディ込みの車重も、ヒートシンク込みで1405gと激しくカツカツレベルに仕上げました。
本当はバラセルスロットを切り落とし、バッテリー底部をシャシー底面まで下げる案もあったのですが、熟慮の末、今回は見送りました。横方向に相当の補強をしないと、リブを失ったバスタブ側面がグラステープ止めの引っ張り強度に負けてシナってしまうことが予想されるためです。また、シャシー左右の剛性があまりに偏ってしまう悪影響も懸念されます。コレをやれば360gもの重りが2mmも下がるので、運動性能が一段とアップするのですが・・・来年の課題かな?
<2>TGS用強化パーツの組み込み
(Fアップライト、前後バルクヘッド&サスピンホルダー)
バスタブ側サスピンホルダー&サスボールを削ってTGS用アップライトとバルクカバーを装着する話は、既にラリークラス仕様のページでご紹介したとおり。ラリー仕様車のときは初めての加工だったので丁寧にやりましたが、今回は「慣れ」もあって、かなり荒い仕上げ。このため、ややガタが増えてしまいました。直進性が多少悪くなったようです。ただ逆に、かなりガバガバに穴を広げてしまっても、組み上げてしまうとさほど問題がないことも確認できました。要するに、いくらガバガバに個別の穴を広げても、偏芯していると組み上げた後の動作は渋いままなのです。「組み上げた後でもスムーズに動くか?」という点に着目して削りましょう。
<3>ダンパーの見直し
前回、「スーパーノーフリクションダンパー」なんてふざけたことをホザいていたダンパーですが、さすがにサスアームの動きが本来あるべきスルスル状態になると、無視してもいられません(当たり前か(^_^;)。サスアームの動きがスルスルになると、いかにダンパーオイルが重要になるか、というのは先に出走したラリークラス@こどもの国でのマシン挙動(常にピコピコ跳ねまくり)でも証明されてますので、ここは素直にキチッとしたダンパーを組み込みました。

まず、フロントについては、前回のTRFダンパー仕様ではあまりにも縮み側のストロークが不足でしたので、わずかでも縮み側を稼げるよう、CVAスーパーミニを採用しました。
写真は左からCVAスーパーミニ、TRF、CVAミニのシリンダーです。スーパーミニとTRFのシリンダー長の違い、ご覧のとおりほんのわずかなんですが、これでもサスストロークに換算すると1mmくらいは縮み側が増えます。車高を0.1mm単位で考え、サスストロークがたかだか20mm程度しかない、という中では、この違いは意味があります。

また、プラ製のCVAはアルミシリンダーのスーパーローフリ/TRFダンパーよりシリンダー重量が若干軽いのも魅力ですよね。まあ1、2gの違いなんですけど。

考え方の問題なんですが、ダンパーを一見、スペックダウンしているように見えるこの変更も、実際のところは何ら問題はありません。もちろん、精度の面ではTRFダンパーのほうがいいに決まっているのですが、ダンパー自身のフリクションの面ではCVAのほうがもともと優れたものがあります。
また、今回のように、車高設定やサスストロークが絡んでくる場合、総合的に判断すると必ずしもTRFダンパーがベストとは言えないわけです。精度がすべてじゃないですからね。

ただし、ピストンとシリンダーのクリアランスがTRFダンパーとCVAでは大きく異なりますから、封入するオイルの粘度には注意が必要です。作例では、フロントにop.630 TRFダンパー用ショート(ソフト)バネを使用し、対応するオイルとして900番を入れてあります。ピストンは2穴。従来のテフロン2穴ピストンでおおよそ400番相当、TRFフッ素タイプから標準となったテフロン3穴ピストンだと600番相当くらいの固さです。

なお、ダイヤフラム内部には、TRFダンパーに付属の赤いスポンジを1個ずつ封入してあります。CVAはTRFよりダイヤフラムの空気量が多いし、それ自身空気を多く含む「スポンジ」なので、「気持ちパッツン」という味付けです。
リヤダンパーも、TRFではなく、あえてスーパーローフリに変更しています。これはもっぱら「見た目」の問題で、リヤダンパーだけ色が違うのもどうかな、というだけのことです。ホントはCVAスーパーミニのほうが良かったのですが、新たに買うより余りもの活用ということで、96年頃に限定で出たブラックガンメタ色のスーパーローフリを再利用。前回作例のTRFダンパーでも、あまりにダンパー長に余裕がなくてネジ式アウタースペーサーが使えず、やむなくCVA用のアウタースペーサーを使っていたので、今回の変更で特にダンパー調整が面倒になったわけではありません。
なお、バネはタミヤのバネ中、2番目に硬いop.635「スーパーハード」をとりあえず装着(実走行ではさらに固めてop.636ウルトラハードを使用)、オイルはバネに合わせて2穴600番、ダイヤフラムにOリング1個の「並パッツン」としています。実はop.635、636とも、従来のTA-04用optスプリングより縮みが少なくなる分を考慮したのでしょうか、スプリング長が1mm強、短くなっています。でも、車高を前回より3mmも下げたので、今回は「アウタースペーサーなし」でちょうど良い車高を得ています。あ、そうそう、インナースペーサーはフロントが4mm、リヤがOリング4個+ネジ用の3mmワッシャー1枚ですが、従来のローフリ系標準長のダンパーシャフトでの値なのでご注意(フッ素コートTRF以降ダンパーシャフトが短くなりました)。リバウンドは前後とも3mmと十分に確保しています。Evo3よろしく、超低重心であまりロールしないクルマですから、リバウンドに過度に神経質にならなくて大丈夫。心配なら多めにしとけばとりあえずオッケー!




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