タミヤGPの規定に合致する仕様、ということでちょっと知恵を絞ったのがこのタイロッド。 現状、optのピロボール設定はないので、「無改造」となると、ノーマルの固定式段付きビス止めを使わなければなりません。そこで・・・ |
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サスストロークを規制しない工夫を施しています。ビス止めをハトメ+タッピングビス止めに変更してガタを取ると同時に、ストロークで他の部品と当たる面をカッターナイフで削ぎ落とす「面取り加工」を施しています。鉛筆をナイフで削る要領で簡単に出来ますのでお試しあれ。上下方向にはかなりガタつきますが、横方向にはハトメでガタ取りしていますから、意外にステアリングのガタは少ないです。 この写真はナックル側で、下側を削っています。ステアした際にバンプすると、タイロッド下側にナックルが擦れますから、やや広い範囲を削ぎ落としておくのがキモです。 |
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反対に、ステアワイパー側は上側を削いでいます。 ナックルは、無加工だとステアリング舵角が少ないので、サスアームのストッパーに当たる部分を削っています。実際にはここまでステアリング切る必要ないくらいによく曲がるんですけど、低速走行時に単純に舵角不足で曲がりきれないケースがあるので。TT-01が「曲がらない」と感じる方は、まず舵角不足を疑うといいです。 |
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基本的に「このクルマが曲がらないはずはありません」と言い切れるくらい、基本特性はピクピクですから、メーカーサイドでもあえてデフォルトの舵角設定を小さくしてあるのです。これでは「車庫入れ」みたいな走行するときに小回りが効くわけありません。 ただし、このノーマルナックル、めちゃめちゃ衝撃に弱いです。私は既に5個も壊しました。1回走ると1個壊す、という感じでやってられません。うち4回は、上側ボールエンドの付け根部分でした。特に激しいクラッシュ、というわけではなく、540パワーでちょっと壁を擦ったくらいでいとも簡単に折れてしまいます。そのまま走り続けてドッグボーンが脱落するまで気がつかないくらい、何気なく壊れる<爆>感じです。こりゃあちょっと・・・(苦笑)。 |
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ここはひとつ、TT-01のGP仕様、TGSシャシー用のパーツを流用したいところです。樹脂パーツがグラスファイバー混入の強化タイプになっているからです。 TGS用樹脂パーツは、ようやく03年5月末に発売されました。目下、専用の強化optが出る気配はありませんが、03年のタミヤ全日本予選からこのTGS用パーツの流用が公式にOKになっていますからそれでいいのかな。なお、左写真には、同時期に発売されたターンバックルタイロッドセット(op.662、450円)も写っていますね。これでようやくトー角調整もできるようになり、TT-01の戦闘力は一段とアップしました(詳しくは「RCTチューン(オフロード編)」で!) |
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ただし、このTGS用ナックル、実はキングピン径(サスボールの穴径)が若干TT-01より太くなっています。強度を対策したんだと思いますが、そのままだとステアリングが激シブです。だからといってTGS用のサスボールを入手しようとすると、まあカスタマーから取り寄せるとか、やってできなくはないのですがあまり現実的ではありません。なにしろカスタマーサービス自体がTT-01用とTGS用の仕様の違いを知らなかったくらいなので。(彼らは開発部隊ではないのでそういうのは良くあります) そこで、「サスボールの穴を削る」という「力仕事」が必要になるのですが、これはこの5月のレース車両ではやっていません。あくまで「その後」のお話です。詳しくは「RCTチューン(オフロード編)」のほうでご紹介します。 |
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さて、いよいよ「現場写真」の登場です。5/3のレース当日に行った調整ポイントは、ズバリ「重量調整」。 自宅ではあまり正確な車重測定ができなかったのですが、TT-01のアドバンテージである「車重1400g」を最大限生かそうと考え、現場で秤とピットを何度も往復しました。最初に軽量NSXボディをつけて測った車重は、なんと「1430g」。意外に重いんでちょっとショック。これじゃ、Evo3と同じじゃんか!(ちなみに軽量NSXボディのEvo3はわずか1440gでした。決勝ではボディをエンツォから軽量NSXにチェンジし65gのウエイトを積んだのです) |
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まず最初に手をつけたのが、バッテリーのグラステープ止め。バスタブなので、バッテリー位置の固定については特に問題ないわけで、とにかく、外に飛び出さないように押さえることさえできればいいわけです。 そこで、このように、シャシー下部にテープを渡し、「タスキ掛け」の要領でバラセルスロットからバッテリーパックの横にテープを出し、上面でテープをバッテリーに貼り付け、固定しました。思ったより問題なくできたのでお薦めです。コレでバッテリーバー部品の重量分、約5gが一挙に軽量化できました。 |
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上面はこんな感じです。TRFチャレンジクラス参加の証、バッテリーは3300HV搭載です。 予選用スペシャル、ということでモーターのヒートシンクも撤去。予選後半の30秒程度はモーターの過熱でタイムが出なくなるので、前半1分に集中しなければならない、というハンデは負いますが、10g程度軽くなり、重量レベルとしてはかなり満足できる水準に落とすことができました。 |
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ところが、実は最後の最後になって、この軽くなった分をウエイト(15g)としてリヤのバルクヘッド後端に載せることを急遽決めました。やはり、リヤのグリップ不足が気になってしょうがなかったのです。事前にテスト走行できてれば、重量配分を大きく変えることになるこんなモディファイにも自信をもって対応できたのでしょうが、ハッキリ言って今回はほとんどバクチでした。予選1回目で一応3番手のタイムを記録して予選落ちの心配はなかったので、あえてリスクを犯してまでTT-01を攻めてみよう、と考えることができたわけです。せっかくTT-01を出すからには、恥ずかしい走りはできませんからね! |