<その46:タミヤ・ダートチューン徹底分析> <これが「ガイアヒ」だ!> タミヤGPで人気のオンロードカテゴリー「GTジャパン」用のモーター 「GTチューン」(シングル25ターン仕様)のバギー版が、「ダートチューン」 (シングル27ターン仕様)です(定価2600円)。 発売は06年6月。 早いものでもう4ヶ月が経過しようとしています。都合によりレポートが遅くなりましたが、今回は このモーターを徹底分析します。 ところでこの商品名ロゴ、先入観なしに遠目で見ると、ちょっと前に話題となった 「恋のマイアヒ」のせいか、 「ガイアヒ」と読めてしまう、なんて話がモーター研BBSでありました。ナルホド!・・・と思えるかどうかは アナタ次第、なんですが果たしてどうでしょう・・・? そんな話題もありましたが、06年静岡ホビーショーでのデビューで注目を集めた最大のポイントは、 何といっても「ダストカバー」でしょう。「オフロード用(オンロードで使っても別に構わないんですけどネ)」 を 銘打っているモーターだけに、タミヤらしくご丁寧な「防塵対策」を打ち出したと。(カバーは2個、ゴムバンド3個を同梱) 実は、電動RC用モーターの歴史からみれば、モーター側でこのような「対策」を施すのは極めて異例です。 従来から、オフロード用モーターには様々な「防塵対策」が試みられてきたことは確かなんですが、 結局のところ、これといった決定的なものは編み出されておらず、例えばアンプに取り付けるキャパシタやショッキーダイオードのように 「誰もが当たり前に施す対策」というのは、これまでありませんでした。いずれのアイデアも実効性に乏しかったためです。 モーターの使用目的にもよるんですが、およそ「サーキット」という場所を考えると、一般には、 モーターに噛み込みそうな小石はコー ス外に飛ばされていて、実はほとんど問題になりません。 また、真剣なレースになればなるほど、モーターのメンテナンス頻度が上がるため、 走行後のモーター状態を気にする必要が薄れてしまいます。 突き詰めると「走行の都度モーター交換(またはコミュ研摩&ブラシ・ベアリング交換)」に行きつくわけで、 最大限で予選と決勝に3〜4個のモーターがあれば、常にベストコンディションを保てる話になってしまうわけです。ハイエンドレースの ツーリングカーが予選ごとに新品タイヤを下ろす(規定でOKならば)ことを考えたら、予算的にも大したことではないと。 さらに言うと、本当にモーターを何個も換えないといけないような酷いコースでのレースは普通やりませんから、 実際のところはモーター1〜2個で済むのが現実ですしね。どんどん、「防塵」から遠のく話ばかりになっちゃうわけです。 むしろレースの世界では、1gでも車体を軽くしたいですし、余計なゴミを溜め込んで走るのは愚の骨頂ですから、 「入ってきたもの(砂利)は速やかに排出する」「過剰なカバーはしない」という方向性です。 モーターが発するおびただしい熱を速やかに放散することを考えても、かつての ファイティングバギーみたいな、 完全密閉の防塵ケースなんかに入れちゃイケナイわけで、実際にもそういう過剰装備なモデルは市場で支持されず 淘汰されてきたのです。 もちろん、だからといって、「防塵対策が全部ダメでまったく必要がない」、というような乱暴なことを主張するつもりは ありません。重要な点は、「どこを向いて話をしているか」ということです。 「レース用にはあまり重要でない、場合によってはむしろ邪魔」、とだけ言っているわけです。 では初心者の方にとってはどうでしょう?公園や 砂利道など、サーキットの状況とおよそかけ離れた場所で走らせることもありがちです。 モーターだって、キット付属のものをブラシがなくなるまで使い倒すこともよくあるでしょう。 そういうケースでは、防塵は非常に重要なポイントになってくることは疑いありません。 入門者ユーザーが多いタミヤだからこそ、そのような観点からダストカバーを添付してきたのでしょう。 今回新たに作られたダストカバーは、2mm厚程度のメッシュの粗いネットになっていて、ちょうどRCカー用エンジンの エアフィルターと同じような形状です。これならば、モーター冷却への悪影響もほとんど出そうにありません。 細かい砂ぼこりは仕方ないと割り切り、ローターやコミュテーターに決定的なダメージを与えるような、ある程度 大粒の小石を侵入させないことだけに着目したことについては、 「使える対策」と評価できると思います。 ・・・とはいえ、繰り返しになりますが、「防塵」というのは両刃の剣で、「入りにくい」ということは「出にくい」と いうことです。粒の大きい石はシャットアウトできますが、いったん網目から入り込んでしまった砂については、 カバーを外さないとなかなか排出されませんから、かえって走行中に内部で暴れてモーターを余計に痛める モトにもなりかねません。 だから「カバーなんて要らない」と言っているわけですが・・・。まぁコレばっかりはユーザーの使用状況に よりますから、メーカー側としては最大限の配慮をするわけで、別にタミヤが悪いとか、そういうことではありません。 あくまで、TPOをわきまえてユーザーが賢明な判断をすれば良い、という話です。 ところで、このダストカバー、先述のとおりメッシュ材でできているんですが、 実は、汎用素材として手に入るフィルター材から切り出した、円形の板材とパイプ状の部品を 両面テープで貼り合わせてあるだけ。非常に単純な構造です。しょせん「オマケ」ですものね。 問題は、接合面が「両面テープ」ゆえにすぐに剥がれてしまうこと。 とてもじゃないですが、このまま使用に耐えるとは思えません。すぐ剥がれて継ぎ目から大穴が開きそうです。 そこで対策として、ゴム系接着剤で接着してみたところ、簡単にイイ感じに仕上がったのでご紹介しておきます。 (右写真参照) 1)接合面の周囲にゴム系接着剤を盛り付け、半乾きにする 2)接着剤を塗布した周囲を指でつまみ、圧着する 3)写真の左側サンプルは接着剤を塗布しただけの状態で、つまんで接着すると右側サンプルのようにモッコリと丸く仕上がります。 もちろん完全乾燥すれば十分な強度になりますから、接合面から穴が開くようなことはないでしょう。 ちなみに、このようなフィルター式のダストカバーを同梱したモーターはタミヤが初めてというわけではありません。 実は、80年代後半頃、既にヨコモが「ツインターボ360GTR」なるモデルをリリースしていました(右写真参照)。 こちらはメッシュではなく 「スポンジ」ですが、考え方は同じですよね。スポンジだといくら泡の粒を大きくしても通気性が悪くて 冷却には難儀したと思いますが、当時、筆者はユーザーでなかったので使用感は分かりません。廃れたところをみると、 「使えない」という評価だったのだろうとは思いますが・・・。 <外観上の特徴> ダストカバー関係の話をひととおり終えたところで、ようやくいつもの外観調査です。 とはいっても、進角設定(約12度)をはじめ、丸Tタイプのブラシや 廉価版モーター共通の塩ビコード、シルバーアルマイト(一応、処理はされてるっぽい)のエンドベルヒートシンクや ニッケルメッキ仕様のブラシホルダー、ブラシヒートシンクの省略、といったあたりは GTチューンと共通です。 ノイズキラーはタイプRR以降の23Tストックと共通の3素子タイプ。 GTチューンが2素子タイプであるのと比べると強化されている格好ですが、特別な理由があるとは思えません。ローター断面積が同等でターン数が増えれば、消費電流や逆起電流は通常は減るものなので、ノイズキラーの強化は単に「予告なき改良」なのでしょう。 今回、外観上明らかに分かる「改良点」は1つしかありません。ズバリ「新しいブラシバネ」です。 部品番号は「7405092」という新しい番号が振られています。 コレが実に恐ろしいブツで、測ってビックリ。なんと280g級のブラシテンションがあります。従来の タミヤのスタンドアップブラシモーターで共通に使われてきた180g級のバネ(部品番号7405079)に対して、 実に1.55倍の強さです。いきなりこんなにバネが強化されるなんて、最初は目を疑いましたが、何度測ってもご覧のとおり。 (写真のダンパーはコイルバネ計測用のジグで今回の計測結果とは無関係) 従来のバネと決定的に違うのは「線径」です。従来の7405079バネは線径0.49mm(実測)でした。 これに対し、ダートチューン標準の7405092スプリングの線径は0.554mm(実測)もあります。 このため、巻き数はいずれも同じ6回1/3巻きなんですが、「厚み」が全然違います。 そりゃ線径が1割増えてるんですから当然です。 写真は左が〜5079(180g級)、右が〜5092(280g級)で、 見た目上は2割近く厚みが増えてる感じですが、実際は13%しか線径は太くなってません。 バネの角度は同じなので、なかなかレースの現場で見分けがつきにくそうですよね。まだ試していませんが、 こんなバネをGTチューンとか23Tに仕込んだら、どうなっちゃうんでしょうか・・・。 測ってみるまではなんとも言えませんが、一般にブラシバネのテンションを上げるとある程度のパワーアップ効果がある とされています。一方であまり過大なバネ圧がかかるとフリクションも増えて効率は下がりますし熱ダレのもとにも なります。いずれにせよ、またひとつタミグラの「頭痛のタネ」が増えたことは確かです・・・。 <計測方法> それではいよいよお待ちかねのダイノテストです。 今回は「その47」の試験と合わせてデータ取得を行いました。 温度範囲は25度±2度(公称値)で、実際には一連の計測を通じて25.0〜26.0度でした。電源(12Vカーバッテリー)など、 その他の条件はいつもと同じです。 また、計測に際してはいつものようにブラシのアタリを取った後、各個体につき5回ずつデータを取得、中央値を代表値としました。 なお、サンプル数は都合により1個のみです。従って、従来の経験則から推察すると、個体によるバラつきが最悪の場合 3%程度生じる可能性があります。 <計測結果> 〜540-J(op.689)との比較〜 <ヨコ軸:回転数で表示> (実線はダートチューン、点線は540-J(op.689)標準データ) <ヨコ軸:トルクで表示> (実線はダートチューン、点線は540-J(op.689)標準データ) <ヨコ軸:消費電流で表示> (実線はダートチューン、点線は540-J(op.689)標準データ) (おことわり) これまで、ジョンソン540モーターの基準データとしては、長らく「第2世代」の4穴タイプの値を用いてきましたが、 2004年初めにタミヤが正式に第3世代品(2穴+スチールエンドベルタイプ)をop.689「540-Jモーター」として 正規の販売ルートに乗せたことを受け、タミヤGPでも旧世代品の使用は禁止となり、 従来の第2世代品のデータを比較に使う意味がなくなってしまいました。 これを受けて、今回から、ジョンソンモーターの基準データを、 「その7」で既に公表済みの「ナラシ済み状態の第3世代品(op.689相当)の標準データ」に 移行しました。従来の第2世代ジョンソンとはデータが異なりますのでご注意願います。 04年の「540-J」の発売以降、 RCTでは、「540-J」=「第3世代品(op.689相当品)」とみなしてBBSなどでの表記に留意してきました。今後は 当研究室においても同様に取り扱います。将来、「第4世代」が出てきたら話は変わりますが・・・。 〜GTチューンとの比較〜 <ヨコ軸:回転数で表示> (実線はダートチューン、点線はGTチューン) <ヨコ軸:トルクで表示> (実線はダートチューン、点線はGTチューン) <ヨコ軸:消費電流で表示> (実線はダートチューン、点線はGTチューン) (上5本は7.2V運転での結果、下5本は5.0V運転での結果(参考値)) <考察> 強大なブラシバネの影響があちこちに出る結果となりましたが、思ったほど極端なことになっていないのが意外でした。 ローター巻き数の増加(25T → 27Tに増加=巻き線長8%増、ですが線径が細くなってれば抵抗値はもっと増えます。)などで、 内部抵抗(モーター自身の電気抵抗)は GTチューンの54.2mΩ→65.1mΩと20%アップしているのに、最大消費電流は71.5Aと、 GTチューンの82.0Aから12.8%しかダウンしていません。最大トルクに関しては、 GTチューンの274.6Nmmに対して269.5Nmmとほぼ互角です。 確かに、摩擦抵抗はGTチューンの0.310Nmm/kRrpm(1000回転毎)、540-Jの0.179Nmm/kRpmに対して 0.356Nmm/kRpm(GTチューン比で+14.8%、540-J比で2倍)もありますから、かなり多いです。 これでは、回転数を上げて使うと、コミュからものすごい摩擦熱が出てしまいます。 単純な話、同じ回転数なら540-Jの 2倍の摩擦熱がコミュから発生するわけですから。電力消費に伴う発熱とは別で、単なる「摩擦熱」で、ですよ! この摩擦のせいで、回転数は伸び悩んでいます。「回転数」で540-Jと比較したグラフを見ればよく分かりますよね。 いずれも、「シングル27ターン」とローターの表面的なスペックは同じなんですが、 最大出力では、111.5Wを発揮したダートチューンのほうが、86.9Wしか出ていない540-Jよりも28%も多いわけです。 ただ、無負荷回転数は540-Jに対して3.6%ほど劣っています。もっとも、実際の走行では、文字通りの「無負荷」で 回るコトなんてあり得ないし、ブラシが減ってバネテンションが下がれば、回転数なんていくらでも伸びていきそうなので、 ある意味「どうでもいい値」ではあるんですが・・・。 出力レベルについてはダートチューンの圧倒的なパフォーマンスが目立ちます。111.5Wといえば、 23ターンの「スポーツチューン」(95W級)よりも17%もパワフルなわけですから! 「スポチュン代替」と考えていると、トンでもない速さにビックリすることになります(ギヤ比が適切なら)。 巻き数を4ターン増やしても、20年前、いや「ブラックモーター」から考えるとマグネット等は25年も前のモノである スポチュンよりはるかにパワフルなモーターになっちゃってる、という事実を見てしまうと、 この25年間のブラシやマグネットの素材技術の進化には驚くばかりです。 120W級のGTチューンと比べても、7%低いだけですから、バッテリー選択やアンプの配線、ギヤ比設定と いった程度のチューニングで、ヘタするとGTチューン搭載車を食っちゃうことも十分にあり得るポテンシャルを 秘めているわけです。 グラフを見る限りでは、モーターの基本的なキャラクターは、まさに「GTチューン」の弟分、という感じでほとんど同じです。 ローターのターン数が増え、ローターの電気抵抗が増えた分、素直に性能ダウンしている感じです。 従って、「使いこなし」のノウハウも基本的にはGTチューンと同じ。 「ギヤをメいっぱい上げて(ギヤ比を小さく)ゆっくり回すこと」に尽きます。 GTチューンより出力が細い分、「最高のパフォーマンスを得るためのギヤ比」はGTチューンよりもさらに高くなります。 1500g、3700HV搭載のツーリングカーを前提としたRCT推奨ギヤ比は、 ナロータイヤ仕様で4.8±0.5、ミディアムナロータイヤで4.3±0.5(!)です (車重が100g重かったり、バッテリーのグレードが低かったら0.3〜0.5増やしてください)。 「そんなギヤ比ありえねーよ!」という声が出ても当然でしょう。 でも、「モーターなり」に考えると、そういう結論になってしまいます。 あまりに非現実的な設定なので、通常は「かなりモーターを遊ばせた状態」で使用することになりそうです。 それがタミヤの狙いでもあるんでしょうけど・・・。 もっとも、「ダートチューン」がメインターゲットにしていると思われる「デザートゲイター」などDT-02シャシーにとっては この特性が「福音」になりそうです。optタイヤの直径がキット標準のタイヤ径より大きくなりがちなこともあり、 組み合わせるタイヤによっては、ギヤ比がかなり高めになってしまいがちだからです。 立ち上がりを小気味よくするには強大なトルクのモーターが必要で、そうすると一般に売られているモーターでは どうしても15ターンとか、13ターンといったハイパワーモーターが必要となってしまいます。 そうすると最高速が出過ぎてしまい、加速感と最高速のバランスがうまく取りにくかったのです。 アンプも高級品が必要になりますしね。そういう意味で、「ダートチューン」は「ほどほどの最高速で加速も結構いい」 というところを得るにはDT-02にちょうどいいモーターであることは確かです。 だから「オフロード用」なんです、と言えばそうかも知れないんですが、カバーが付いてるから、とかいった 短絡的な理由ではなくて、「シャシー側のギヤ比の制約」との絡みで、 特に入門用バギーに組み合わせたときにベストパフォーマンスを 得やすい設定になっているわけです。 ところで、消費電流を軸に取った3枚目のグラフを見ると、ターン数が増えた分、ダートチューンのほうが大電流が流れにくく なっており、効率面ではGTチューンより不利であることが分かります。 また、この結果、22〜23A以上の負荷領域でGTチューンとの出力差が大きく出る形となっています。 つまり、負荷のかかる領域ではGTチューンとのパワー差がハッキリ出る一方、 負荷の軽い領域では意外にGTチューンとの差は出にくい、ということが予想されます。 タミヤGPは一般に低め(大きめ)のギヤ比が指定されるので、そういう場面では、従来GTチューンを使っていたような カテゴリーでダートチューンを指定されても、ラップタイム的にはほとんど変わらないことになるでしょう。 ただ、バギーのジャンプやゼロ発進、ヘアピンからの立ち上がりといった、大きな負荷がかかる場面では、 パワー不足を感じるかも知れません。従来のGTチューンだって、ジャンプ加速はモノ足りませんでしたからね。 そのGTチューンよりも絶対的な出力はどうしても少し落ちるわけですし。もちろん、スポチュンや540ではもっともっとダルダルな走りになってしまうので、それらに比べればよっぽどパワフル、なんですが。 一方、オンロードレースで、スポチュンの代わりにダートチューンが指定された場合はどうでしょう?こちらのほうが影響が大きそうです。 立ち上がり区間の加速が大きく変わるでしょうし、 それに伴って「タイヤの使い方」が一段と重要になりそうです。だって今までと同じようにスロットル操作すると、 ホイールスピンが増えますから。そうすると タイヤは従来より走行中の加熱が酷くなる方向です。タイヤウォーマーがないと走行中の温度変化に 今まで以上に影響を受けることになりますし、 タイヤ動作温度の想定値も従来より少し高い水準に移ってしまいます。そうすると路面やコースレイアウトによっては コンパウンド選択にも影響するかも知れません。単純にタイヤ温度が上がるというのは、走行パフォーマンス的には有利になるので、 悪い話ばかりではありませんが…。 「バッテリー」もダートチューン搭載車の走りを決める大きなファクターになりそうです。 というのも、ピークパワーが「33.6A」という比較的大きな消費電流域で発生しているからです。 ちなみにGTチューンは34.6A、540-Jは27.2Aでピークパワーを出しています。タミヤの純正バッテリーで 35〜40A級の電流をある程度コンスタントに放電できるのは3700HV(2013年現在でいうと、)くらいしかありません。 2400ザップドだと、30Aはいいんですが、35A以上になってくるとかなりキツいです。 例えば1700とかのパックでこのような大電流を消費しながら走ろうとすると、 モーターが要求する電流にバッテリーが応え切れず、 RCメカの瞬間ノーコンや走行時間の著しい短縮、バッテリーの異常な過熱、といった症状が出ます。 もちろん走りの面でも、加速が悪いなどの現象が出て、ショボいものになってしまいます。 「ダートチューン」の本来のパフォーマンスを引き出すには、できるだけ高性能なバッテリーが欲しいですし、 できる限り大型のキャパシタを使用して バッテリーの負荷を緩和することも必要でしょう。 「ダートチューン」をオフロードシャシーに載せて使う場合と、オンロードシャシーで 使う場合とでは、「シャシー側のギヤ比設定範囲の都合」によって、 思いのほか運転条件の違いが出てきそうで、それがこのモーターの評価を2分する原因にもなりそうです。 せめて当ページをご覧いただいた方には、このモーターの特性を良く理解していただいて、有意義かつ有効に そのパフォーマンスを引き出していただけたらなぁ、と願います。 (おわり)
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