<その47:スーパーストックBZ・徹底チェック> <タミヤ最新23Tの真価は?> ![]() さてこのタイプBZ、姉妹モデルとして1ヶ月前の06年6月に発売されていた 「ダートチューン」ともども「バギー用」という触れ込みで発売されました。「Buggy用でTZの発展型」だから「BZ」 なのでしょう。 オフロード対策として 防塵カバーが付いているのが 特徴です。外観上の特徴はそれだけ。ブラシスプリングは従来のタミヤの スタンドアップブラシ系23Tストックに多用されてきた180gクラスの線径0.49mmタイプ(Item:7405079)で特に 変わったところはないですし、モーター缶も塗装の色こそグレー系に変更されましたが素材は 従来のタイプTZ/RZとの差異は見受けられません。カンのデザイン、板厚(1.3t)も従来どおり。 エンドベルのデザインも同じ、進角も20度です。・・・とはいっても、 他社の23Tストックがオープンレースで鍛えられてどんどん進化しているだけに、 いくら「事実上タミグラ専門」のタミヤ製23Tストックとはいってもそれなりにアップデートはしっかり施されています。 今回の強化ポイントは、どうやら「マグネット」にあるようです。 ![]() <計測方法> ![]() 計測に際してはいつものようにブラシのアタリを取った後、各個体につき5回ずつデータを取得、 出力(W)のメジアン(中央値)に最も近いデータを代表値としました。なお、サンプル数は都合により1個のみです。 従って、従来の経験則から推察すると、個体によるバラつきが最悪の場合 3%程度生じる可能性があります。 <計測結果> ![]() 以下、同じスタンドアップブラシ仕様のタイプTZと比較します。ブラシ、ブラシバネはいずれも共通です。 ![]() <ヨコ軸:回転数で表示> (実線はタイプBZ、点線はタイプTZ) ![]() <ヨコ軸:トルクで表示> (実線はタイプBZ、点線はタイプTZ) ![]() <ヨコ軸:消費電流で表示> (実線はタイプBZ、点線はタイプTZ) 参考までに、旧モデル最強だったタイプRZ(レイダウンブラシ仕様)と比べると、こうなります。 ![]() <ヨコ軸:回転数で表示> (実線はタイプBZ、点線はタイプRZ) 5V計測データはこんな感じです。 ![]() <ヨコ軸:回転数で表示> (実線はタイプBZ@5.0V、点線はタイプBZ@7.2V) <考察> ![]() タイプBZはエンドベルストッパーがアルミ製のままですから、タイプ ![]() ところで今回は、グラフを描いて「正解」を見たとき、正直、「えー、なんで〜??」と非常にビックリしました。 だって、ブラシもブラシスプリングも同じなんですよ! なのに、マグネットが強化されてても最大トルクはほぼ同じ。 むしろタイプTZのほうが若干太いくらいです。トルクが太くなりがちなレイダウンブラシ仕様のタイプRZと比べると、 この傾向はさらに明確です。タイプBZが一番トルク細いじゃん、って。 まぁ〜、実際は非常に僅差ですから、「細い太い」とガタガタ言う次元ではありませんが、気持ちとしては。 最高出力が出ているポイントとその際の消費電流は大きく違っています。タイプTZの最高出力時の 消費電流は38.8Aでこの時のトルクは109.3Nmm、タイプBZは41.6Aを消費して112.3Nmmを発揮しています。 ![]() それにしても、マグネットの磁力アップが素直に最大トルクのアップに結びつかないのはナゼ?・・・と思うのですが、 これは、現時点では正直言ってよく分かりません。GTチューンのときと同じです。せいぜい思い付くのは「エアギャップ設定の違い」 くらいなんですが、エアギャップなら回転数の全域で影響するはずで、最大トルクだけが変わらない理由にはならないですし、 高回転域でBZの効率が悪化する理由の説明も付かないので、どうも当たってないと思うのです。 また実際にエアギャップが測定できれば話は早いんですが、これがまた実にビミョ〜な話で、 「見た目」だけで分かるような違いはないんですよね。かと言って測定するのも困難ですし・・・。 マグネットの内径を正確に測れる道具がなく、結構面倒で・・・ (通常のノギス等では測定したい場所にに届かないのです)。まだまだ「修行」が足りませんねぇ。悪しからず。 ローターについては、「23T」というマーキングで、コア形状などからしてもタイプTZと共通のようです。 ローター仕様が違うなら、まだ話は簡単なんですが、どうもそうではないようですしね・・・。謎です。 ![]() (おわり)
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