浅草・ROX3でのGTジャパン向けに筆者(ふぇら〜り伊藤)がチョイスしたのはZ。これまでGT1/TRFチャレンジクラスでは 360モデナ〜NSX(2002以降)と100g前後で仕上がる限定版の(超)軽量タイプのボディをチョイスしていましたが、 このような「ペナペナボディ」はNSX2003で終わってしまい、現在手に入るのは120g台のものばかりです。 その結果、GTジャパンの指定ボディはイコールコンディション化が徹底し、重量面での優劣は事実上ありません。 いずれも仕上がり重量は125g±5g、という感じです(カラーリングにも依存)。 | |
しかし、空力・マスバランスには明確な違いがあります。コースレイアウトや考え方の違いにも依存するので、 一概にどれが有利・不利とはいえないところがレースを面白くするわけですが、基本的には実車の GTマシンのDNAをスケールモデルでも引きずっていると考えて良いと思います。つまり、スープラはドラッグが少なく 高速コースで伸びる、Zは高ダウンフォースのコーナリングマシン、NSXは中庸、という感じでしょうか。 | |
そうすると、低速の仮設コースでクルクル曲がるクルマが欲しければ、自ずと「Z」になるかなぁと
思ったわけです。先に塗り完ボディを試してみて、リップスポイラーが縁石に乗ったときの挙動が良い点にも
気付いていたので、そういう点からも向いていると思ったわけです。 ただ、GTジャパンは走行速度が遅く、ボディは限界的な性能を問われないので、以上の話はあくまでも「ウンチク」 レベルで、実際のところは何を選んでも変わりません。今回のROX3では、さすがにスープラをあえて使う上位選手は 少数でしたが、NSXとZは半々、という感じでした。ただZについては、筆者のように 「昨年、軽量ボディを買い置きしてあったから」という人もいたハズなので、06年夏以降の軽量ボディの 発売動向いかんで、勢力図も変わるかも。もっとも、2005年以降の「軽量ボディ」は、従来より板厚が増えて 20gくらい重くなったので、入荷と同時に買い出動するほどのご利益は無くなりましたが。 |
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ではそろそろ、Zボディ製作上のTipsを。 ウイングに注目・・・。 そう、角度がエラく立ってますよね? ちょっとしたコトなんですが、タネも仕掛けもありません。 ちゃんと最低限の取り付け強度も確保されています。転倒などでウイングに外力が加わった際の復元力もあります。 |
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実はコレ、単純にボディパンチで面に垂直に正確な5mm穴を開けると、こうなるのです。取り付け部位が斜めになっていて、
長径が6.5mm程度の楕円の穴を開けないと、ウイングステーがピッタリとフィットしない、ただそれだけです。
塗り完ボディでは、ちゃんと型抜きされていてウイングステーはピッタリ収まりますが、未塗装ボディは
自分で穴を開けるので、このような「チューニング」の余地が出てきます。高速コースでウイングを寝かせたければ、
穴を広げてやればいいのです。
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裏の受け部品は、適度な締め付けを与えてやれば、ご覧のとおりピッタリとボディにフィットします。 ここがガタつくとウイングとして機能しませんから、ちゃんと締め込まないとダメなんですが、 取り付け穴が楕円形に変形するまでメいっぱい締め込むのではなくて、ガタがなくなった所で 「寸止め」するのがキモです。 最近のタミヤのGTボディは総じてノーズが平面的で、昔のように深い絞り込みがないので、 「補強」という面では |
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ラクです。アルミメッシュテープを一本貼り込めば済みますから。
絞り込みが深いと、その段差を埋めるのにシューグーを大量に使うので、
重くなってしまいます。使わなけりゃいいんですけど、そうするとラジエターグリル回りやリップスポイラーが
すぐ痛んでしまうので、レース毎にボディを新調するのでもなければ、やはり補強はしたほうがいいですよね。
ご存知ない方のために念のため。シューグー(Shue Goo)というのは商品名で、もとは靴底の補修材なんですが、 適度な弾性・強度と他のゴム系接着剤よりも接着強度が高い点に着目されてRCボディの補強用にも使われるようになりました (セントラルRC扱い)。靴関係だと、ネット上でも定価売りなので、素直にRCショップで買うほうが良いです。 通常のゴム系接着剤より粘度が高くて、盛るように塗布することができます。写真の茶色い部分が塗布箇所です。応力集中で 割れやすい部分に選択的に盛っています。 |
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別に普通のゴム系接着剤でもいいんですが、厚く盛れないので、作業性の観点からもシューグーはいいですよね。
なお、筆者の場合は、全部シューグーに頼るのではなく、アルミメッシュテープが苦手な部分に絞って使っています。
このほうが経済的ですから(アルミメッシュはDIY店で安く手に入ります)。
アルミメッシュを張り込む際には、細かく切って張り込んでいくより、このように、1本ザクっと渡して、 たるむ部分に切り込みを入れて張り込んだほうが、軽量かつ丈夫で綺麗に仕上がります。 ハガレ防止には切れ端部分の接着強度が重要なので、なるべく接着面に指を触れずに作業出来る方法として、 このようにしています。 |
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Zの場合、ドア付け根部分から割れてくるので、ここにもシューグーを盛ったところ、
溶剤が飛んだあとの「ヒケ」により、フェンダーがうまい具合に内側に引っ込んでくれました。
空力(あんまり関係ないとはいえ)的には、ヨレた際に外に広がるより、このほうがいいですものね。
マーキング関係は、厚手のインクジェット用紙に図柄を印字し(背景を下地と同じ「赤」にしておくのミソ)、 それを切り抜いてアクリルエマルジョン系のクリア塗料で貼り付けています。クリア塗料の濃度調整と塗り方、空気抜きが 上手く仕上げるポイントです。貼る直前に、マーキング表面と塗る表面にサッと塗料を塗布して、余分な塗料と空気を 押し出すように貼っていきます。紙がインクジェット用紙であれば、マーキング面に塗料を塗ってもにじむことはありません。 PPCコピーでも試しましたが、普通紙では薄すぎるのと、トナーが塗料を弾いてしまうのでこの方法では仕上がりが悪いです。 |
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マーキングは水気でなじむと同時に固定が始まります。薄すぎると乾燥が遅いし、原液のままだと
表面にすぐ膜ができて空気がうまく抜けません。あとは、ポリカ塗料に冒されないよう、またクラッシュで剥がれないよう、
濃い目の塗料で塗り重ねて塗膜を厚くしておきます。しっかり空気を抜き、塗膜を厚くしておかないと、ポリカ塗料を吹いた際に
シンナーが浸透し、内部で膨らんで、せっかく張りつけたマーキングを浮かせてしまいます。そういう場合は一度カッターで
浮いた部分をめくり、再度原液を塗布して空気抜きすればOKなんですけど。しっかり張りついていれば、
ボディが割れるようなクラッシュにもマーキングは耐えてくれます。むしろ補強になるのでマーキング部分は割れにくいです。 クリアの設定があるポリカ用のアクリルエマルジョン塗料としては、 パーマの「ファスカラー」がポピュラーですが、今は京商からも「ミニッツレーサー」向けの塗料として |
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450円くらいの手ごろな価格のものも出ています。「ファスカラー」はフタがいい加減で、
古いと溶剤が飛んで濃くなった状態で売られていますが、
ミニッツカラーはスクリューキャップで保管もしやすいです。なお、試しに両者を混ぜてみたところ、見事に凝固してしまいました。
いずれもタミヤのアクリル塗料用の溶剤で溶けるんですが、凝固してしまうとダメです。決してマネしないように!
では、そろそろシャシーのほうに話を移しましょう。基本的には05年10月開催のタミヤ全日本東京大会(会場は今回と同じROX3) でのセッティングとまったく同じです。・・・と言ってもその肝心の仕様はレポートしてませんよね(汗)。 ターンイン時のクイックな挙動と脱出の速さを重視して、 05年10月の全日本予選以来、フロントデフをワンウェイ仕様としています 以後のセッティングはすべてワンウェイ仕様でのデータですのでご注意ください。 キット標準のフルタイム四駆仕様と異なり、モーターのブレーキトルクが後輪のみに集中するため、 減速時にリヤタイヤがロックしオーバーステアが起こりやすいので、リヤトー角の調整などで 基本的なリヤグリップを増強しているのがポイントです。また、タイトターンが多い仮設コースの特性に対応して、 メカニカルグリップを確保しつつリヤを適度に流すことを意識し、リヤダンパーを柔らかく設定しています。 季節柄、路面温度が10度前後と非常に低いこともあり、バネも極力柔らかい設定です。 05年10月(23Tストック仕様)の具体的なアライメントは、トー角:F=0,R=3度、キャンバー:前後-1度、アッパーアーム長: チューニングTipsで紹介した長さのまま(フロントはハイマウント仕様を維持)、サスブロックは、フロントは 前1C、後1A(ブリッジマウント)を使って1度のトーアウトを |
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付けたうえで、1mm厚の3mmアルミスペーサーを前後に入れ、
ロアアームが1G加重時にほぼ水平になるほどのハイマウント化を行っています。
アッパーアームの取り付け位置も、ホーロービスを長いものに交換したうえで
同様に一段とハイマウントしています。リヤは、1度のアップライト(sp.869)でトーイン3.5度までカバーしたかったので、
前のサスブロックは「チューニングTips」で説明していたAの倒立マウントを採用。心持ちスキッド角も付けています。
1mm厚のスペーサーを前後に追加してロアアームのハイマウント化もやっています。今回の走行条件(タイヤ、路面温度)では
キャンバー変化を大きく取ったり、サスアームを「バンザイ」させロール剛性を落としたほうが理に適っているのですが、
また戻すのが面倒なので、ここは他の方よりバネを1段階柔らかく設定することで対応することにしました。 05年全日本と今回の大きな違いは後のサスブロックの設定で、ブレーキトルクが大きく高速スタビリティも欲しい |
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23T仕様では、サスブロック
E(Evo4用)を装着して都合3度のトーインを確保していたところ、今回は1D+1mmスペーサーに変更して速度低下とのバランスに配慮。
ただ、1Cを使って2度まで落としてしまうと、さすがにRのキツいヘアピンの脱出でテールが振れてしまうため、
2.5度で妥協しました。これはレース中は一切変更ナシでした。 写真のバネは、05年全日本〜事前の練習時のもので、フロントにTA04optのop.440 オンロード仕様ハードスプリングの赤(ソフト)、 リヤにTA03用optのop.163 オンロードスプリングの青(ハード)を試していました。05年全日本のときは、ブレーキトルクが大きいため バランスを取るため前後ともop.440赤バネを使いましたが、GTジャパン仕様だとこのままではアンダーが強い(@前後スタビなし)ので、 リヤトー角の変更と合わせてリヤの踏ん張りを若干落とす(相対的にフロントが上がる)方向に振ったわけです。 |
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実際、レース現場でも多くの
選手がリヤよりフロントを1段階固めるセットアップを施していました。使っているバネはフロントop.440黄・リヤop.440赤、というのが
多かったようですが。いまどき、03バネなんて持ち歩かなくなっている人も増えているせいでしょうね。
バネは柔らかいですがオイルは前後とも500番と固めにしてフワフワ感を緩和しています。ピストンは3穴です。リバウンドは車高を変えると 足りなくなるのがイヤなので5mmくらい取っています。3mmくらいがベストなんでしょうがいちいち変えるのが面倒なら、支障ない範囲で 多めに取っておくのはテです。足りないのが一番まずいので。車高は通常は前5mm、後5.5mmを基準としていますが今回はバネが柔らかいので 前6mm、後7mmまで上げました。サス動作量が多いのでノーズが擦っちゃうんですよね。ボディマウント位置も1段階上げています。 |
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キット標準よりも1.5mmくらいマウント位置をカサ上げしてアッパーアームをかなり水平にしています。
マウント位置も最もアッパーアームが長く取れる位置です。長けりゃいいってもんでもありませんけど・・・。
フロント後側のサスブロックをハイマウントするとステアリングワイパーに干渉するので、メインシャシーと バルクヘッドを締結するサイドブレースも含めて、ワッシャを噛ませて浮かしています。特に、ステアリングワイパーは1mm以上 高さを上げています。 |
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サイドブレースは、もともと左右の張り出しはあまり剛性に寄与していない形状なので、思い切って左右を切り落とし、 前後4点止めとしました。ネジれ剛性はやや下がりますが、気になるほどではないと思います。サイドブレースがあると、 どうも見えないところでステアワイパーの動作に渋い所があるらしく、自分のマシンには舵残りが発生します。 サイドブレースを撤去すれば舵残りはなくなりますが、ピッチング方向にヨレヨレになるのでベルトの歯が飛びまくります。 仕方がないので、ステアワイパーをカサ上げする際に上下のガタもやや付け気味にして解決をみました。ガタを増やして 直進性確保なんて、全然ホメられた解決策じゃないんですが、妙案がないので仕方ありません。 |
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さて次にサーボセーバーのお話です。個人的に「黒」が好きなので、単純に染めるのが面倒で sp.1000のサーボセーバーを使っているわけですが、ローハイト仕様のフタバS9550サーボを使うと、 出力軸の位置関係で、ご覧のとおり、サーボセーバーの外周がバスタブに擦れてしまいます。あらかじめ カッターナイフかヤスリで削いでおきましょう。 |