(posted on Mar 9, 2006)
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TA05・GTジャパン仕様(2)




チューニングTipsギヤ比表

メカ関係は、なかなか手が回らなくて、ついついこれまで通りのモノ(フタバFP-R133F+KO・VFS2000)で済ませてしまっています。 今回の「目玉」としては、昨年秋の全日本ホビーショー&タミヤフェアなどで限定販売された、 ブラックアルマイト仕様の「TA05ヒートシンク」の投入と「コミュ研摩」(笑)。

「え〜今までコミュ研やってなかったの〜!?」 というツッコミは勘弁してください。これまでタミグラでは必要なかったので。GTチューンが出てからはじめて ストックコミュレーズを買いましたが、1度トライしてコミュ研後のモーター性能が不安定だった(つまり削り方がヘタだった)ので 放っていたのです。今回はさすがにそれじゃ勝負にならんだろう、ということで、悪魔に魂を売って(笑)改めてコミュ研に挑戦。リベンジなってコミュ径を7.2mm程度まで絞り込んで3%程度の出力アップを 果たしました。たった3%
ですがアクセル全開率60%として2分間の走行で2秒程度の差が付くわけですから、ノーミス・ノークラッシュが大前提でそのうえで 2分後のコンマ1秒に泣き笑いするクラス1の予選にあっては、結構致命的な差になったりします (実際、0.3秒差で予選11位になっちゃいました)。今回は バッテリーの問題が事前に分かっていたので、モーターで何とか カバーしなければと、いつもの10倍くらい神経を遣ったわけです。

また今回は、遅ればせながら、改めてバスタブシャシーのピッチング剛性について再検討し、適切なベルトテンションについて吟味しました。 アンダーパワーになればなるほど、駆動系のフリクションロスが速度の差になって表れますから、 この部分はGTジャパン向けチューンのキモになると踏んだのです。・・・というのも、05年度のレースを振り返ってみて、意外に シャシーには思っている以上に走行中に大きなストレスがかかっており、事前に「大丈夫」と思っていたのに、イザ走行すると バババババ・・・とベルトの歯飛び音を何度も聞かされたからです。
実際、この作例では、無負荷時(静止時)のベルトテンションはこんな感じです。キット標準状態のエキセントリック位置ですが、 TA03やTA04に慣れた目からすると、明らかに張り過ぎの感じ。ところが・・・。
アッパーデッキがないと、こうなるんですね。
2つ上の写真のように前後の両端を持って、思いっきりピッチング方向にヒネると、あ〜らビックリ、こんなにベルトが 余ります。組み立て時には、「TA05にはアッパーデッキ要らないね」と思っていたのですが。とんでもない。 こんなにヨレるから、静止時のテンションはやや張り気味くらいにしておかないとダメなわけなんですね。ようやく納得しました(遅い!)。 アッパーデッキが出れば、エキセントリックの位置を1〜2目盛り、緩めることができそうなので、早く出て欲しいですね。

ベルトテンションは、ユルければユルいほどフリクションは減りますが、「歯飛び」という問題があるので やみくもに落とすわけにもいきません。また、 10ターン未満のモーターで3600以上の6セルを5分で使い切るような超高速走行の場合は、ベルトが過大な遠心力や振動で 跳ねたり
伸びたりして駆動抵抗となるため、ベルトにコシの強い材質を使ったりテンションをわざと上げますが、これは 言ってみれば異次元の「超現象」レベルでの話です。タミヤGPで使用される速度領域では関係ありません。GTジャパンでは、 柔らかいベルトでできる限り張りを弱くするのが「作法」と考えていいと思います。

さて最後にリヤセクションを解説。
サイドブレースはフロント同様、左右の張り出しをカットして軽量化。バルクヘッドとバスタブのピッチング剛性に寄与している 部分だけを残して、軽量化に伴う悪影響を最小限に留めています。このほかは従来とほぼ変わらない仕様です。注意点はただひとつ、 バルクヘッド側のアッパーアームのピロボールの取り付けネジが意外に緩みやすく、ピロボールがいつの間にか浮き上がって アライメントが狂ってしまっていました。レース前日のメンテで気が付いたからよかったですが、普段からマメにチェックして
ないと 危なっかしいですね。アッパーアームをハイマウントする場合は、ホーロービスを長いものに 交換するといった対策が有効かと思います。ホーロービスはJIS規格の汎用ネジなので「タミヤ製」といったものは ありませんが、タミグラで「タミヤ純正」にコダわる向きならば、タミヤの過去キットに3x20mmくらいのホーロービスは 使われたことがあったはずなので、アフターパーツを探してみるといいと思います。筆者は工具箱の中からテキトーに 探してきましたが・・・バラなら京商からも各種長さの3mmホーロービスが出てますしね。

先述のとおり、リヤダンパーは今回、前後バランスをややオーバーステア気味に振るために、あえてTA03用等で使われていた op.163「オンロード仕様スプリングセット」の青(ハード)を使用。これはop.440「オンロード仕様ハードスプリング」 の赤(ソフト)よりもさらに柔らかい設定です。
リヤアップライトはTA04ノーマルのトーイン1度を使用し、サスブロックで1.5度付けてトータル2.5度としています。 後ろ側のサスブロックはDなので、前側はAです(倒立マウントで使用)。寒い冬場の低グリップタイヤでの走行なので、 スタビは使っていません。
GTジャパンではMナロータイプのsp.1049スリックタイヤの使用が義務付けられています。基本的には インナーメッシュのないタイヤは、トレッド面が薄くなるほど柔らかくなり、グリップが高まりますから、 路面状況に特別な事情がない限り、新品の投入はお奨めしません。むしろタイヤが今にも切れそうなくらいの 使い古しのほうが良いです。今回舞台となったROX3のカーペットは、トレッドパターンやパーティングライン (タイヤの金型継ぎ目)にカーペットの繊維が引っかかってグリップする特性があるので、新品タイヤでも それなりにグリップするのですが、いかんせん、パーティングラインの磨耗とともにグリップ特性が走行中にも ネコの目のように変わり、不安定なので、1周のベストラップ計測ならともかく、2分間の周回レースには向きません。

ちなみに作例ではキャンバー1度の設定で走っていますが、アッパーアームを長く取っている関係もあって、
結構、 外側のショルダーが路面に引っかかっている感じです。内側のショルダーがまったくといっていいほど磨滅していないことが分かります。 ちなみにこのタイヤの走行マイレージは5パック程度で、磨耗度としては中途半端なのでレースでは使いませんでした。

・・・というわけで今回の解説はオシマイです。
次回は、TA05で4月1日のカレスト座間のストリートJPNクラスにチャレンジする予定です。カレストは初体験ですし、 ドリタイヤも今回が初挑戦。既に「秘策」を練り上げています。例によってレース結果は期待しないで欲しいですが、 このページの続きとなるチューニング解説には乞うご期待!





このページは、タミヤRCカー専門サイト「RC_Car_Trend」が提供しています